4K ・8K受信対応機器特集 実用放送12月に控え4K対応テレビ躍進

1月の薄型テレビ国内出荷実績で全体の約40%占める

経産省 4K・8K放送に関する周知・広報計画まとめる

4K・8K実用放送開始を12月に控える受信システム機器市場。政府は2020年までに全国の約50%の世帯で4K・8K放送が視聴されることを目指している。一方で、新たな衛星による放送開始によって障害を引き起こすことも懸念されており、各メーカーでも電波漏洩規格に対応した製品を開発し、安全性をアピールしている。

電子情報技術産業協会(JEITA)の1月の薄型テレビの国内出荷実績は、28万9千台。そのうち、4K対応テレビは11万5千台で、薄型テレビ全体の約40%を占める数値となっている(表1)。

4K対応テレビの比率は、一昨年11月に初めて3割を超え、その後も引き続き3割前後の数値をキープ。昨年10月以降は4カ月連続で4割前後の数値を記録しており、実用放送開始が近づくにつれてさらに上昇するものとみられる。
一方、昨年4月から9月までの半年間の受信システム機器国内出荷実績は、テレビ受信アンテナが前年同期比91.5%の39万5千本、能動機器が同109.3%の89万3千台、受動機器は同97.3%の457万9千台で、能動機器以外は前年同期比を下回った数値となった(表2)。

一般向けの周知
 (1)4K・8K放送の魅力・視聴方法の周知
 ①イベント等を活用した周知
a、関係業界全体による4K・8K放送周知イベント
・実用放送開始1年前セレモニーを開催し、4K・8K放送の普及・推進に向けた関係者の決意を示すとともに、メディアを通じて1年後の実用放送開始を広く周知・広報(昨年12月開催)
・実用放送開始1年前に合わせて、4K・8K放送及び放送分野以外の利活用に関する展示を実施
・実用放送開始半年前その他の節目に、周知・広報に資するイベントの実施を検討
b、関係団体が主催するイベント等
・関係団体が主催するイベント等において、4K・8K放送の周知・広報用ブースを出展すること等により、4K・8K放送の魅力や視聴方法等の周知・広報を実施
c、国際的なスポーツ大会等と合わせた周知
・国際的なスポーツ大会の開催期間に、ショールーム等の一般の人の来場が見込めるスペースや、家電販売店の店頭において、4K・8K放送の魅力や視聴方法等の周知・広報を実施
・国際的なスポーツ大会の開催期間以外でも、4K・8Kに関するイベントを開催もしくは他のイベントの場を活用し、全国において4K・8K放送の魅力や視聴方法等の周知・広報を実施
 ②業界ごとの特徴や強みを活かした周知
a、放送事業者等による周知
・4K・8K試験放送を通じて4K・8K放送の魅力等の周知・広報を実施
・実用放送開始までの期間に、周知・広報のための番組等を放送
・今年9月頃までに、月からの実用放送の番12 組編成を発表
・今年3月まで全国各地で4K・8K大画面パブリックビューイングを実施
b、家電販売店における周知
・家電販売店の店頭において、一般の人が4K・8Kの魅力に触れる機会を広く提供するとともに、受信設備や視聴方法等に関する周知・広報を実施
 ③サービス呼称、ロゴマーク及び周知用素材の作成・活用
・4K・8K放送に関するサービス呼称及びロゴマークを公表
・4K・8K放送の視聴に必要な情報等を盛り込んだ改訂版の周知・広報用リーフレットを作成し、展開
・今年10月までに、周知・広報用の共同ホームページ及びプロモーションビデオを作成
・サービス呼称、ロゴマーク、リーフレット、動画等を積極的に活用し、統一感のある周知・広報を実施
(2)BS右旋の帯域再編の周知(実施済み)
(3)IF漏えい・左旋受信対応
・左旋による4K・8K放送の受信に伴い、アンテナで受信した信号が宅内の受信設備から外部に漏れて電気通信サービス等に影響を与えること(IF漏えい)がないよう、IF漏えいの可能性や対策等について、一般の人に対してホームページ等で周知・広報を実施
・IF漏えい対策工事の円滑な実施に資するため、技術講習会の受講済み工事店のホームページでの紹介等を実施
(4)4K・8K放送に関する相談対応・4K・8K放送に関する相談対応のための「4K・8K放送コールセンター」を設置

関係業界内の取り組み
 (1)4K・8K放送の魅力・視聴方法の周知
 ①関係業界内での情報共有
・効果的かつ効率的な周知・広報を行うため、実用放送番組編成の発表や、実用放送対応受信機・STBの販売開始に関し、関係団体・事業者間で速やかに情報共有
・地域におけるイベントを活用した4K・8K放送の周知・広報に必要な人員、コンテンツ、機器、周知・広報用リーフレット、周知・広報用動画等について提供
・4K・8Kの認知度・視聴意向等の放送市場調査を半年に1回以上継続的に実施し情報共有
 ②家電販売店における周知
・家電販売店の店舗等向けの4K・8K放送に関する周知・広報用リーフレット、周知・広報用動画、eラーニング教材等を作成、提供
・実用放送開始までに全国で60回程度、4K・8Kの周知・広報用素材等を用いた店頭スタッフの知識習得のためのセミナーを開催
 (2)BS右旋の帯域再編対応(実施済み)
(3)IF漏えい・左旋受信対応

・国において策定した衛星放送用受信設備に求められる技術基準を踏まえ、当該基準を満たす機器の製造・流通・販売工事が適切に行われるよう、今年3月までに、全国約300カ所で、電器店、電気工事店等の衛星放送用受信設備の施工業界等を対象とした技術講習会を開催
・テレビ受信向上委員会が開催する電器店、電気工事店等を対象とした技術セミナーにおいて、左旋受信、IF漏えい対策等に関する周知・広報を実施
・今年3月までに工事費に関する事例を含む集合住宅の改修に関する施工マニュアルを検討・策定し、同年4月をめどに公表

「新4K8K衛星放送」では、BS・110度CSの左旋偏波の電波も利用する。
総務省では、衛星放送の受信の際に左旋偏波の中間周波数の電波干渉防止のため、F型コネクター接続ならびに「SHマーク(※)」機器の使用を呼びかけている。
左旋電波を受信するアンテナを設置した際、F型コネクターを使用せずに接続すると、その箇所から電波が漏洩し、無線LANや携帯電話の速度低下や通信不良など、他の無線システムに妨害を与える可能性がある。
また、この接続箇所に電子レンジなどが発する電波の干渉を受けて、衛星放送の受信不良が発生する可能性もある。
このような懸念を解消すべく、受信設備からの電波漏洩に関する規定について法制化が行われ、4月1日より施行される。4月以降は、この基準に適合しない受信設備はすべて違法となる。
主要メーカーにおいても、SHマークで求められるBS・110度CS右左旋放送受信帯域での受信および電波漏洩規格を満たした製品を相次いで開発している。
電材業界としても、4K・8K放送の「安全・安心な視聴」をいち早くアピールして市場の主導権を握り、「工・製・販」の緊密な連携で業界の活性化につなげたいところである。

※SHマーク
BS・110度CS右左旋放送受信帯域に対応した機器のうち、JEITAで審査・登録され、一定以上の性能を有するスーパーハイビジョン衛星放送受信に適した衛星アンテナ、受信システム機器に付与されるシンボルマークで、その性能を証明するもの。

電材流通新聞2018年3月22日号掲載