西松建設 再生可能エネ発電の蓄電 システム・実証実験開始

西松建設はこのほど、LEシステムと共同で、太陽光発電などの再生可能エネルギーを最大限に活かすための蓄電システムを開発し実証試験を開始した。
再生可能エネのうち、太陽光発電や風力発電などは、発電量が天候に左右されるため、コントロールすることが難しいという弱点がある。そうした再生可能エネの不安定性を解決する装置として蓄電池が期待されており、蓄電池のコンパクト化や大容量化の検討が進められている。
今回、西松建設は、蓄電池の中でも安全性が高く、再生可能エネの変動吸収や大容量化に適し、長期間安定稼動するバナジウムレドックスフロー電池(VRFB)に着目。実証試験設備はVRFB電池の採用により「安全性」「安定性」「拡張性」を実現するほか、電解液は不燃性で、電池の運転は常温で行われるため発火や爆発などの危険性がないなど安全性も高い。
また、耐熱などの必要がないため、電池本体の寿命が長く、約 20 年の電池設計が可能としている。さらに、他の蓄電池が充放電の回数に限りがあることに比べ、VRFBは充放電が無制限とされており、電解液は半永久的に使用可能なので20 年以降のコストダウンが可能としている。蓄電容量が電解液の量で決まるためタンクの増設などで容易に蓄電容量を増やすことができ、拡張性も高いという。

商経管材新聞2018年5月16日号掲載