2018年の夏を前に、誰もが快適に過ごせるオフィス空間を考える
「夏場のオフィスエアコンの設定温度に関する実態調査」結果発表
- 男女ともに約半数がオフィスの28℃設定を 「不快」と回答
- 28℃でも快適に過ごすヒントは湿度(しつど)コントロールにあった
ダイキン工業株式会社では、2017年「空気で答えを出すプロジェクト」をスタートさせ、その一環として、夏の時期には屋内で起きる熱中症の問題や、暑い夜により快適な環境で良質な睡眠をとるためのエアコン活用法を提案するなど「空気の課題」を解決するさまざまな取り組みを行ってまいりました。
今回は、2018年の夏を前に、28℃設定が定着しつつあるオフィスエアコンの設定温度に関する実態調査結果と、オフィスのように多くの人が過ごす空間で、誰もが快適に過ごすために必要なしつどコンロールによる快適性を検証したサーモグラフィ試験について紹介します。
夏場のオフィスエアコンの設定温度に関する実態調査
クールビズの定着に伴い、夏場のオフィスエアコンの設定温度としては28℃が広く知られています。しかし温度の体感、快・不快は個人差も大きく、昨年はクールビズの設定温度を決めた経緯について「28℃論争」が巻き起こりました。そこでダイキンは働く男女500名を対象に「夏場のオフィスエアコンの設定温度に関する実態調査」を実施しました。28℃設定が推奨されるようになってから10年以上経過した現在、オフィスの設定温度の実態はどうなっているのか、興味深い結果が得られましたので紹介します。
調査結果TOPICS
- 夏場のオフィスエアコン「28℃設定」は19.8%
- 28℃設定は「不快」または「どちらかというと不快」(男性47.2%/女性47.9%)
- 28℃設定が「不快」または「どちらかというと不快」なのは、蒸し暑いから
しつどをコントロールすれば目安とされている28℃設定で男女ともに快適に過ごせる!?
室温を大きく下げることなく、しつどをコントロールすることで体感にどのような影響があるのか、サーモグラフィを使った検証試験を実施しました。28℃でも快適性を損なわないしつど設定は何%なのか、検証結果を紹介します。夏場のオフィスエアコンの設定温度に関する実態調査 ※調査出典:株式会社マーシュ/2018年6月
高温多湿な日本の夏。オフィスではクールビズの定着に伴い「28℃設定」が広く知られていますが、実際に28℃設定にしているオフィスは約2割(1)でした。さらに28℃設定のオフィスで働く人の半数程度は不快に感じており(2)、その理由としては温度が「暑い」ことに加えて、しつどが高く「蒸す」ことが大きく影響しているようです(3)。28℃設定でも快適性を犠牲にしないためにはどんな対策が有効なのでしょうか。
1. 夏場のオフィスエアコン「28℃設定」は19.8%
Q: あなたの職場・オフィスにおける夏場(6月〜9月)のエアコン設定温度は何℃ですか?
省エネ意識が高まり、クールビズが定着する中、夏場のオフィスエアコンの設定温度はどうなっているのでしょうか。
夏場のオフィスエアコンの設定温度の目安とされている28℃に設定しているオフィスは19.8%。27℃以下のオフィスは64.8 %でした。2. 28℃設定は「不快」または「どちらかというと不快」(男性47.2%/女性47.9%)
Q: その設定温度はあなたにとって快適ですか?(対象: 夏場のオフィスエアコンの設定温度が28℃の人)
28℃設定のオフィスで働く人は、28℃設定を実際にどう感じているのでしょうか。
結果は驚くことに男女ともほぼ半数(男性47.2%/女性47.9%)が「不快」または「どちらかというと不快」と回答しています。3. 28℃設定が「不快」または「どちらかというと不快」なのは、蒸し暑いから
Q: 「不快」または「どちらかというと不快」を選択された理由をお選びください(対象: 28℃設定のオフィスに勤務していて、「不快」または「どちらかというと不快」と回答した人)
28℃設定が「不快」または「どちらかというと不快」に感じる理由は、単純に「暑いから」だけではないようです。
男女ともに4割以上がその理由として「蒸すから」と回答しています。
28℃設定でも快適に過ごすには、蒸し暑さ(しつど)対策が重要といえそうです。しつどをコントロールすれば、目安とされている28℃設定で男女ともに快適に過ごせる!?
横浜国立大学教授 田中英登先生監修の下、20代から60代の男女12名(男性6名、女性6名)を対象に、「室温28℃/しつど85%」と「室温28℃/しつど60%」の場合で体感がどう変わるのか、28℃でもしつどコントロールすることで男女ともに快適に過ごせるのか、サーモグラフィを使った可視化検証試験を実施しました。
サーモグラフィを使った可視化検証試験の結果 28℃+しつどコントロールで快適性が上昇
- 温度28℃/しつど85%で皮膚温度の上昇がみられた状態から、(温度は28℃のまま)しつどを60%に減少させると12名中10名で顕著に手部や顔部の皮膚温度が低下しました。
- 主観的感覚は、しつど低下に伴い快適性が上昇する傾向が確認されました。
横浜国立大学教授 田中英登先生による考察
今回の可視化検証試験では、同じ温度(28℃)でも、しつどが高い(85%)と暑く不快に感じ、しつどが低い(60%)と快適に感じる様子が男女ともに観察されました。このようになる理由は、しつどが低いと体温調節のために発せられた汗が蒸発し気化熱により体温を下げるのに対し、しつどが高いと汗が蒸発しにくく、十分に体温を下げることができずに更に汗をかき、より暑く感じてしまうためです。しつどが20%違うと体感温度は4℃違うと言われています。したがって、28℃設定で不快な時は、室温を下げると不快な寒さを感じる方もいるので、まずはしつどコントロールがオススメです。しつどを下げることで設定温度が28℃のままでも十分に涼しさを感じることができます。蒸し暑さを感じる時は、まずは部屋のしつどを確認し、高い場合はエアコンによるしつどコントロールを心がけるようにしましょう。
実験監修
横浜国立大学 教育学部教授
田中 英登 先生医学博士。1983年筑波大学大学院修士課程健康教育学科修了。大阪大学医学部助手、横浜国立大学助教授、米国デラウェア大学客員研究員を経て、2004年より横浜国立大学教育人間科学部教授。専門は環境生理学(温熱環境)、運動生理学。
【参考資料】オフィスにおいて「温度」と「しつど」を個別にコントロールする「DESICAシステム」
従来のオフィス用エアコンは、主として「温度」をコントロールするもので、夏場のオフィスにおいて、エアコン設定温度の目安とされる「28℃」に設定しても、十分に「しつど」がとれず、オフィスは蒸し暑く「不快」な場所になっている場合もありました。
ダイキンの「DESICAシステム」は、温度としつどを個別に制御するという新発想で、従来のオフィス用エアコンの課題だった温度としつどコントロールの両立を可能にした新・快適/省エネ空調システムです。
【夏場のオフィスエアコンの設定温度に関する実態調査 概要】
1.調査対象及びサンプル数
全国のエアコンが設置されたオフィスで働く20~60代の男女500人
年代 男性 女性 計 20代 50 50 100 30代 50 50 100 40代 50 50 100 50代 50 50 100 60代 50 50 100 計 250 250 500 2.調査方法
web調査3.調査時期
2018年6月13日〜6月14日4.調査実施
株式会社マーシュ報道機関からのお問い合わせ先
ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室本社
〒530-8323 大阪市北区中崎西二丁目4番12号(梅田センタービル)
TEL (06)6373-4348(ダイヤルイン)東京支社
〒108-0075 東京都港区港南二丁目18番1号(JR品川イーストビル)
TEL (03)6716-0112(ダイヤルイン)
多くの企業では環境マネジメントとして、夏場のエアコン設定温度が28℃という企業も多いのではないかと思います。
しかし、ダイキン工業の調査では、エアコンの設定温度が28℃では不快と回答した人が全体の半数に上ることが分かりました。
実際にエアコンを28℃で使用すると不快なのでしょうか?
不快の理由の詳細に、多くの人が蒸すという回答をしております。
そこでダイキン工業では、同じ温度でも湿度を下げることで、快適さをあげるという取り組みを行っております。
同じ温度でも、湿度を下げることで発汗した汗が蒸発しやすくなり、皮膚温度がさがることで快適さが上昇する結果が出ております。
温度を下げることと同じくらい重要なのは、湿度を下げることであることが調査より分かりました。
こうした調査より、湿度も不快な暑さの大きな原因となっていることが分かります。
湿度のみを下げることで、今まで以上の省エネと快適な室内環境を保つことができます。
アンケート結果より、多くの人が、温度が下がると快適になるという先入観を持っていることがよくわかります。
公式プレスリリースはこちら: 「夏場のオフィスエアコンの設定温度に関する実態調査」結果発表 男女ともに約半数がオフィスの28℃設定を 「不快」と回答