【TDKラムダ】無人搬送車向け1kWワイヤレス給電システムを販売開始

ワイヤレス給電システム: 無人搬送車向け防塵・防水設計の1kWワイヤレス給電システムWPX1000の開発

  • 広い位置ずれ許容差により装置停止範囲の拡大を実現
  • シリアル通信(RS-232)により充電電圧・電流値など各種情報が取得可能
  • IP65に対応した防水・防塵設計
  • 自動充電により、生産現場の省人化や無人搬送車の稼働率向上に貢献
  • ワイヤレス給電システム: 無人搬送車向け防塵・防水設計の1kWワイヤレス給電システムWPX1000の開発

*「AirTLans.」は、TDKラムダ㈱の商標です。

TDK株式会社 (社長: 石黒 成直) は、TDK-Lambdaブランドの1kWクラスの産業機器向けワイヤレス給電システム「WPX1000」を開発したことを発表します。TDKラムダ株式会社 (社長: 矢代 博行)が2019年4月より受注を開始します。

このWPX1000は、磁界共鳴方式を採用した、無人搬送車(以下、AGV)など向けの中容量1kWクラスのワイヤレス給電システムです。給電可能範囲の長辺方向のズレ許容差は±30mm・コイル間距離は20-40mmとなり、装置停止範囲の拡大を実現しました。また、バッテリへの充電に最適な定電圧・定電流制御(CV-CC制御)により、バッテリへの直接充電が可能であり、シリアル通信(RS-232)の搭載により、充電電圧・充電電流値など各種情報の取得が可能です。コイルユニットは防水・防塵の保護等級IP65に準拠しており、高信頼性と多機能を兼ね備えたワイヤレス給電システムとして、お客様のさまざまなニーズにお応えします。

近年、工場などの生産現場や物流倉庫において、作業品質の向上・作業者の安全性の確保・24時間稼働を可能にするため、さまざまな作業・移動ロボットやAGVの導入による省人化・無人化が進められています。ワイヤレス給電は、ちょこちょこ充電によりそれらのロボットやAGVを継続的に稼働させることを可能にし、今後拡大するとみられます。

TDKグループでは、すでにスマートフォンをはじめとしたモバイル機器向けの小容量帯を製品化しており、このたびのWPX1000の開発により、今後増加する中容量タイプの需要に対応し、製造現場の省人化・省力化に貢献していきます。

なお、本製品は2019年4月17~19日に幕張メッセで開催されるTECHNO-FRONTIER 2019(電源システム展)の弊社ブースにて展示します。

主な用途

無人搬送車(AGV)、各種ロボット、バッテリアプリケーション

主な特長と利点

  • 広い位置ずれ許容差により装置停止範囲の拡大を実現
  • 定電流・定電圧制御(CV-CC制御)によりバッテリへの直接充電が可能
  • 充電電圧・電流値はプログラミングによりプリセットが可能
  • シリアル通信(RS-232)により充電電圧・電流値など各種情報が取得可能
  • コイルユニットは、IP65に対応した防水・防塵設計

主な仕様:WPX1000シリーズ

シリーズ名 WPX1000
型名 WPX-T1000 WPX-R1000
入力電圧範囲 170 ~ 265VAC
効率(Typ.)
230VAC入力時
75%
定格出力電圧 29.1VDC
最大出力電流 33A
出力電圧範囲 22.0 ~ 29.1VDC
動作周囲温度機能 -10 ~ +45℃ -10 ~ +50℃
サイズ (W x H x D) ユニット:405 × 104 × 344 mm
コイル:221 ×80 × 315 mm
ユニット:217 × 69 × 186 mm
コイル:197 × 40 × 160 mm
重量 ユニット:9.4kg
コイル:6.1kg
ユニット:1.6kg
コイル:1.8kg
給電可能範囲 コイル間距離:20 – 40mm
X方向ズレ許容:±30mm
Y方向ズレ許容:±5mm

X方向:長辺方向のズレ、Y方向:短辺方向のズレ

※X方向:長辺方向のズレ、Y方向:短辺方向のズレ

TDK株式会社について

TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開しています。
2018年3月期の売上は約1兆2000億円で、従業員総数は全世界で約103,000人です。

TDKラムダ株式会社について

TDKグループのTDKラムダ株式会社は、産業機器向け電源のリーディングカンパニーとして、高信頼の電源をグローバルに幅広く展開しています。日本、中国、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの世界5極に研究開発拠点を置き、開発・製造から販売・保守までのフルファンクション体制でお客さまのさまざまなニーズにお応えしていきます。詳細は、https://www.tdk-lambda.co.jp/ja/をご覧下さい。


ワイヤレス給電技術の向上により、スマートフォンなどの弱電流機器の充電にケーブルを用いないで行うということもできるようになりました。
TDKラムダでは、ワイヤレス給電により最大1kWの電力を供給できるシステムの販売を開始しました。
工場や倉庫で動かされている無人搬送車向けの給電システムであり、電子機器の充電よりも大きな容量のワイヤレス給電を行えることが特徴です。
これにより、今までの無人搬送機では一定時間稼働した後、充電による休止が発生していましたが、ケーブルがなくても充電しながら稼働させることが可能となります。
充電ケーブルを接続しながらの稼働だと稼働範囲も制限されてしまうため、この製品のようなワイヤレス給電を行うとより自由度の高い稼働を、バッテリ容量を気にせずに行うことができます。
今後、こうした大容量のワイヤレス給電が安全に行うことが求められていくと考えられます。

公開プレスリリースはこちら: ワイヤレス給電システム: 無人搬送車向け防塵・防水設計の1kWワイヤレス給電システムWPX1000の開発