換気扇特集

「11月9日」は換気の日
「長期使用製品安全点検制度」の登録率向上へ

11月9日は「換気の日」。日本電機工業会(換気扇専門委員会加盟5社・東芝キヤリア、日立グローバルライフソリューションズ、パナソニックエコシステムズ、マックス、三菱電機)では、ホームページを通じて、換気の重要性を訴求し続けている。


認知度アップへ動画配信
幅広い年齢層に対応

日本電機工業会(JEMA)では、毎年11月9日を「換気の日」と定めて啓発活動を行っている。
JEMA換気扇専門委員会では、2009年に制定された「長期使用製品安全点検制度」において、特定保守製品として定められた9品目の中の「浴室用電気乾燥機(以下・浴乾)」について、製品を安全に使用してもらうために、認知度向上に努めてきた。
2019年から正式に点検が開始されたために、これまでの制度の認知度向上から、所有者登録を促すとともに、「なぜ登録が必要なのか」、「点検は費用がかかる」等を中心とした周知展開を行うべく、11月9日「換気の日」のキャンペーンに連動して展開する。
JEMAでは、長期使用製品安全点検制度の登録率向上に向けて、サイト誘致と認知度向上に努める。
サイト誘致については、例年実施しているリスティング広告および昨年度より実施しているDSP広告での展開も行う。
認知度向上については、動画配信によるさらなる認知度向上につとめる。具体的には、昨年度キャンペーンの際に立ち上げた「漫画動画(モーションコミック)」を継続活用してYouTubeに漫画動画(2分程度)を掲載する。より幅広い年齢層にも展開が可能なことから、この1年間で1万4千回以上の視聴があった。
また、昨年度のキャンペーン時には、「漫画での説明なのでとても分かりやすかった」とのコメントが多数寄せられた。
そのほか、今年もプレゼントキャンペーンを展開する。今回のメイン課題でもある「長期使用製品安全点検制度」に絡めた展開にするためにも、「浴室換気扇」に特化した質問などの展開にすれば、制度についての情報も得られるという考えから、「換気の日」Webサイトにて展開している「換気に関する意識調査」の更新を行う。
今後の流れは、9月中旬を目途に、Webサイトリニューアル&「換気の日」プレゼントキャンペーンをスタートし、11月9日まで行う。

今年度も堅調な市場継続

JEMAが発表した資料によると、2019年4月の換気扇国内出荷実績は、数量ベースでは前年同期比102.4%、金額ベースでは同103.4%と、ともに前年同月からの伸長を見せた。換気扇市場はここ数年、堅調に推移しており、10月に控える消費税増税前の駆け込みによる山谷は予想されるものの、今年度も順調な市場となりそうだ。
換気扇市場と密接に関連する新設住宅着工件数を見ると、7月末発表の国土交通省資料では、6月の住宅着工戸数は、前年同月比0.3%増の8万1541戸となった。
今後の市場環境については、新設住宅着工は、10月に控える次の消費税増税を前に再び住宅の購買意欲が高まりつつあると見られており、住宅着工及びそれにともなう換気扇需要も伸長すると期待されている。とはいえ、その反動も予想されることから、通期で均してみると大きな変動はなさそうだ。
こうした環境下、換気扇市場が安定しているのは、非住宅分野での伸長も見逃せない。民間需要が活発で、物流業などの設備投資により、倉庫などへの高単価機種の納入が好調だという。
また、住宅分野においても、人口減や高齢化などにより、新築が期待できない中で、各メーカーでは、リニューアルや新たなニーズに的確に対応し、堅実な市場開拓を行っている。
具体的にみると、省エネ、リニューアル、空気質の向上、高付加価値化など、さまざまな切り口で市場のニーズをいち早く取り入れ、積極的な製品開発と提案を行っている。とくに、「空気質」と「健康」、さらにZEHやスマートウェルネス住宅などをキーワードにした製品開発が目立つ。
変わりつつあるユーザーニーズに対応しながら、様々な切り口で活路を見出している換気扇市場。新築市場では大きな伸長が見込めないなか、リニューアルも含めて「空気質の向上」などをテーマとした新たな商品提案を行う各メーカーの今後に注目したい。