6㎸クラスを手掛ける工事用汎用電線メーカーおよび同メーカー系電線問屋のなかには、11月中旬から、建設電販向け6.6㎸高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース(CV)ケーブルと、6.6㎸トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース(CVT)ケーブルの新規受注・納期回答を停止しているケースが少なくない。停止適用期間は、11月末まで。ただ、この大方の企業は、状況次第では延長する可能性がある、としている。
6㎸クラスを手掛ける工事用汎用電線メーカーと同メーカー系電線問屋が、11月中旬から新規受注・納期回答を停止している品種は、6.6㎸高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース(CV)ケーブルのET(テープ巻き)及びEE(押し出し)タイプと、6・6㎸トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース(CVT)ケーブルのET及びEEタイプ。さらに6.6㎸CVケーブル(同)、6.6㎸CVTケーブル(同)のエコ電線であり、型版は6.6㎸EM―CE(同)、6.6㎸EM―CET(同)だ。
その停止期間は、11月末まで。この措置をとる企業は少なくない。しかし、停止措置をとるほとんどの企業では、状況次第では「延長する可能性がある」とした。
今回の事態は、需要が集中したためとみられている。業界筋によれは「6.6㎸CV/CVTケーブルの需要は、工場や大型の商業施設、病院の施設などで用いられている。ただ、通常その需要量は、あまり多くないため、メーカーの生産量や問屋の在庫量は、ある程度限られている。
これに銅価高も相まって6.6㎸CVケーブルなどは当用買いされるケースが増えている。その矢先、一部再エネ関連の需要が動いたり、いくつか大型工場需要が重なったりした。それによって一時的には特需とした見方もあったものの、実際は需要が集中し過ぎてしまい、今回の事態となった」としている。
一方、企業によっては新規受注停止などの対象品種がやや異なるケースも発生。ある事例では、3㎸~33㎸CVケーブル(エコケーブル含む)、6㎸耐火ケーブル、600V CVS、CVVS(遮蔽銅テープ付きケーブル、エコケーブル含む)を対象とした。また、3㎸CV、600V CVS、6㎸耐火ケーブルは、当面新規の在庫製造を見合わせるとしている。
この事例の要因は、CVの受注の集中は同じだが、銅遮蔽付きケーブルについては「一因として、伸銅品メーカーから銅テープの供給が制限されているため」とした。
この状況下、電線メーカー各社とも、6.6㎸のCV/CVTケーブルの増産に取り組み、なんとか便宜を図りたい意向。しかし、かねてから採算面で厳しいため、品不足でも即座に生産能力アップが図れない事情がある。例えば、ポリエチレンや塩ビなどの石化材料が今まで何度も値上げされた。しかし、大半の電線メーカーは、この石化材料アップ分でさえ製品価格に転嫁できず、増産・設備投資が行えないのが現状。そうしたことなどが大きく左右している。今回のような事態の緩和のためにも、石化上昇分の値戻しや適正マージン確保などが急務になっている。