クレジットカード会社7社と合同検討会を開催業界共通で利用できるシステムを構築しクレジットカード不正利用で発生する業務の効率化を目指す
ヤマトシステム開発株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:栗丸信昭、以下「ヤマトシステム開発」)は、1976年からクレジットカード会社を対象としたソリューションの提供や業務委託を請け負い、長きに渡ってクレジットカード業界の業務支援を行っています。
2023年11月から、年々被害額が増加するクレジットカードの不正利用により発生している業務の効率化を目指し、クレジットカード会社7社と合同検討会を開催しています。
本ニュースレターでは、クレジットカードの不正利用で発生しているクレジットカード会社の業務と、その業務の効率化に向け構築しているクレジットカード業界で共通に使えるシステムについて、ご紹介します。1.近年のクレジットカード不正利用
近年、キャッシュレス決済およびECの普及に伴い、クレジットカード決済市場の規模が継続的に増加※1している一方、クレジットカードの不正利用が増加しており、2022年には被害額が過去最多の436億円と5年間で約1.8倍※2に増加しています。
クレジットカードが不正利用されるまでには、クレジットカード情報が不正に入手される段階と、そのクレジットカード情報が使用され商品を購入される段階の2つがあります。
クレジットカード情報を不正に入手する手口は様々で、メールやSMSに記載されているURLにアクセスさせ、偽サイトで認証情報や個人情報を詐取するフィッシング詐欺などでクレジットカード保有者から情報を入手する手口や、ECサイトなどの加盟店のサーバーにハッキングし個人情報を窃取する手口などがあります。
不正に入手されたクレジットカード情報は、偽造クレジットカードを作成して実店舗で利用されることもありますが、多くはECサイトで利用されています。ECサイトではクレジットカード番号と有効期限を送信すれば決済が可能で、本人利用の判別がしづらいためです。※1 経済産業省 2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました
URL:https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230406002/20230406002.html※2 日本クレジットカード協会 クレジットカード不正利用被害の発生状況
URL:https://www.j-credit.or.jp/information/statistics/download/toukei_03_g.pdf2.クレジットカードの不正利用により発生している業務
クレジットカードの不正利用が発生すると、関係各社で取引情報の連携を行い、「不正利用か否かの調査」「チャージバック」を進めていきます。
チャージバックとは、クレジットカード会社と契約をしている小売店やEC事業者(加盟店)が得た売り上げ代金をクレジットカード会社へ返金する手続きのことです。「不正利用か否かの調査」の手続きフロー
① クレジットカード保有者からイシュアに問い合わせが入る。
② イシュアからアクワイアラに、アクワイアラから決済代行会社に、決済代行会社から加盟店に内容調査依頼が連携され、取引内容の詳細を共有してもらう。
③ ②の結果が各プレイヤーを経由してイシュアに伝えられ、イシュアが不正利用か否かを判断する。「チャージバック」の手続きフロー
① 内容調査で不正利用と判断された取引について、イシュアは引き落とし口座の取引停止を行う。
② イシュアからアクワイアラ、アクワイアラから決済代行会社に申請がなされ、加盟店が立て替えた支払いを引き戻す手続き(チャージバック)を行う。【用語の補足】
イシュア:審査や発行を行うクレジットカード会社
アクワイアラ:加盟店の開拓や審査・管理をするクレジットカード会社
決済代行会社:代金立替払いや決済システム構築運営を行う会社
加盟店:クレジットカード会社と契約をしている小売店やEC事業者3.クレジットカード会社と合同検討会を設立した背景
チャージバックの手続きでは、クレジットカード保有者からの問い合わせをもとに、関係各社が情報を連携する必要があります。しかし、クレジットカード保有者と決済代行会社と加盟店の3者は直接の契約関係がないため、情報伝達はイシュアとアクワイアラを介して行うことになります。その際、各社で異なるフォーマットを使用するなど、煩雑な業務が発生しており、昨今の不正利用の増加に伴って処理量も増大しています。特に多くの加盟店や決済代行会社と取引をしているアクワイアラは、通常のクレジットカード利用の手続き業務に加えて、チャージバックの手続きに対応しているため大きな業務負荷がかかっています。
そこで、長きに渡ってクレジットカード各社の業務支援を行ってきたヤマトシステム開発が中心となり、アクワイアラの役割も担うクレジットカード会社7社とともに、チャージバックの手続きに関する合同検討会を開催し、クレジットカードの不正利用で発生する業務の効率化に向けて、取り組みを開始しました。4.合同検討会の概要
(1)検討開始日:2023年11月17日
(2)参加クレジットカード会社① 株式会社アプラス(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:嶋田貴之)
② イオンフィナンシャルサービス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:藤田健二)
③ 株式会社オリエントコーポレーション(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:飯盛徹夫)
④ 株式会社クレディセゾン(本社:東京都豊島区、代表取締役 兼 社長執行役員COO:水野克己)
⑤ 株式会社ジャックス(本部:東京都渋谷区、代表取締役社長:村上亮)
⑥ ユーシーカード株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中西章裕)
⑦ ライフカード株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:増井啓司)<参考:クレジットカード業界の関係図>
5.合同検討会で見えてきた課題と成果
合同検討会を開催した結果、関係各社における情報連携の効率化が共通課題であることが見えてきました。解決策として、情報連携のフォーマット共通化およびWeb上での情報一元管理が必要との合意に至りました。今後は2024年度中の実用化を目指し、クレジットカード業界で共有可能な解決策を実現するシステムをヤマトシステム開発が構築します。合同検討会では、システムの開発に向けて、各社のチャージバックの業務フローや共通課題を整理し、実務を踏まえた要件定義を行っていきます。
推進責任者コメント
不正利用対策における合同検討の必要性
クレジットカード業界におけるセキュリティ対策は、もともとはクレジットカード会社が主体となり漏えい防止対策を行ってきました。しかし、キャッシュレス決済の増加に伴い、クレジットカード情報の入力画面など加盟店での対策や、決済情報を集積している決済代行会社での対策など、関係各社でのセキュリティ対策の強化と連携が重要となっており、関係省庁や団体が連携し検討を進めています。
一方、クレジットカード会社では、すでに不正利用の増加によって業務負荷が生じており、早急な業務効率化が必要です。各社内の作業をデジタル化することによって業務負荷の削減が行われていますが、自社だけでは限界があり、対応が追い付かなくなっています。
この問題を解決するためには業界で共有できる仕組みを構築していく必要があると考え、今回参加していただいているクレジットカード会社の皆さまから賛同いただき、合同検討会を実施するに至りました。合同検討会では、現在起きている課題を明確にしていくとともに、解決策としての仕組みについて検討を進めています。今後は、フェーズ2として加盟店管理といったアクワイアラ業務の共通化を検討し、さらなる効率化を進めていく予定です。
合同検討会を実施することによって構築された仕組みは、参加企業以外にも広く展開していくことで、業界全体の不正利用対策への貢献および業務効率化を目指します。【お問い合わせ先】
<法人の方>
ヤマトシステム開発株式会社
ソリューション事業本部 ビジネスソリューション部 TEL:03-6333-0010本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
公式プレスリリースはこちら:【News Letter】クレジットカード会社7社と合同検討会を開催し業界共通で利用できるシステムを構築