【フォトロン】製品開発の速度が速くなる「PSDソルバー」を展示会で発表

電気通信大学 石川名誉教授提唱の「多目的満足化設計手法」を実現“製品開発のスピードアップ”を強力に推進!設計支援ツール『PSDソルバー』<「第29回 設計・製造ソリューション展」(2018年6月20日~22日開催)に出展>

株式会社フォトロン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 布施信夫)は、国立大学法人電気通信大学 石川晴雄名誉教授・特任教授が提唱した「多目的満足化設計手法」を実現する設計支援ツール『PSDソルバー』を発売します。

製品名 発売日 価格
『PSDソルバー』 2018年6月29日予定 オープン価格


<製品ロゴ>

開発背景

近年、製品の設計から製造工程において複数の性能(たとえば軽量化、低コスト化、環境対応、感性への対応など)を同時に満たす「多目的満足化」を実現しようとする取り組みが注目され、さまざまな手法やツールが提案されています。
このような取り組みに挑戦する新たな試みとして、多目的要求を同時に満足する「多変数解」を求めることができる設計支援ツール『PSDソルバー』を国立大学法人電気通信大学 石川晴雄 名誉教授・特任教授とフォトロンの協同で開発いたしました。
『PSDソルバー』は、大規模な投資をして解析システムや最適化ツールを新たに導入しなくとも、今ある設計環境、設計手法、実験環境(データ)だけで、これまでより劇的に短いリードタイムで多目的満足化を実現できます。
また将来的に、当社製3DCADソフトウェア『図脳CAD3D』や図面管理システム『図脳TeCA』、各社CAEソフトウェア等と連携を図ることで、『PSDソルバー』をより強力な「設計者支援」ソリューションとして進化させていく予定です。

多目的満足化設計手法を実現した設計支援ツール『PSDソルバー』WEBサイト(※準備中)

展示会への出展

発売に先駆けて、『PSDソルバー』を、日本最大の製造業向けITソリューション展である「第29回 設計・製造ソリューション展(開催期間:2018年6月20日(水)~22日(金)、開催場所:東京ビッグサイト)」に出展します。

『PSDソルバー』の主な製品特長

特長1 製品の設計期間を大幅に短縮できるセットベース設計手法※を採用
セットベース設計手法は、目標性能に対する設計解を集合でとらえ、最初にすべての集合が重なる共通の部分を探すもので、共通部分にしかすべての要求を満たす設計はないため、設計者はその中だけで各項目の条件を決めて具体的な設計をすることができます。
したがって、あらかじめ範囲解を絞っておくことができるため、設計者は短時間で設計を終えることができます。それと同時に、範囲で解を求められるということは、ロバストな設計を実現することにもなります。


<セットベース設計手法>

※セットベース設計手法について:
ミシガン大学のウォード・アレン博士らが提唱した設計変数、性能を範囲集合で表現し、多くの性能の範囲共通集合を満足するように、設計変数の範囲集合を絞り込む設計手法です。

特長2 多目的満足化を実現する「PSD」※独自のアルゴリズム
従来の設計手法では、まずひとつの項目からスタートして順番に他の項目を加えて設計条件を決めていきます。途中で設計がうまくいかなくなると、いったん前の項目まで戻って見直しを行ないます。実験やコンピュータによる解析結果を確かめながら、全ての条件を満たすまでに試行錯誤を繰り返すため、時間がかかることが難点でした。
『PSDソルバー』では求める性能を実現するのに最も望ましい数値から許容できる数値までの範囲を設定できるようにしました。また設計変数と性能の関係式から、複数の要求項目を満足させる範囲を求める独自のアルゴリズム「PSD」を開発。さらに安定性を考慮して求める性能が実現できる範囲を絞り込み、要求を満足する設計が可能な範囲を求められるようになっています。


※「PSD」について:
国立大学法人電気通信大学 石川晴雄名誉教授が提唱した「多目的満足化設計」(Preference set-based design)の手法です。
集合論を基にしたセットベース設計手法の概念に、新たに設計者の設計意図を重みづけする指標である“選好度”を導入し設計解集合の導出を可能にしました。
不確実な設計情報が含まれる設計変数や要求性能を範囲で扱うことで設計の不確実性を考慮した設計検討が行え、さらに、複数の性能要求を同時に満足する設計解集合を導出します。
(特許第4528962号)

特長3 設計者の意図を反映させる選好度パラメータの採用
『PSDソルバー』では、設計者の意図も加味できます。性能や設計変数がとりうる範囲のうち、さらにどのあたりに解があるといいのかをあらかじめ入力でき、満足解集合を導き出します。この点は、これまでの設計最適化手法とは明確に違い、設計者のカンや経験を排除しないアプローチを可能にするものです。

特長4 想定している解領域に解が存在しないことも分かる手法
本来的に解が存在しない多目的同時満足化の課題や想定した解領域が不適切な場合等においては、『PSDソルバー』は特長2のアルゴリズムで解範囲の絞込みを行った結果として範囲解なしと出力します。
『PSDソルバー』は、お客様が現在利用している設計環境、設計手法、実験環境(データ)を使い、設計工程にすぐにでも組み込むことのできる、設計者のための支援ツールです。

『PSDソルバー』の動作環境

OS MicrosoftR Windows 10
MicrosoftR Windows 7(SP1以上)
※32bit版/64bit版のいずれにも対応しています
※Windows RTテクノロジーのサポートは対象外となります
CPU 1GHz以上のプロセッサ(2GHz以上推奨)
メインメモリ 2GB以上(4GB以上推奨)
HDD 500MB以上の空き容量(1GB以上推奨)
ディスク装置 DVD-ROM(ネットワークへの接続環境推奨)
USBポート USBポートx1(プロテクトキー用)
その他 Javaランタイムのインストールが必要です

※ すべてのPhotron製品名およびPhotron製品ロゴは 株式会社フォトロンの商標または登録商標です。
Microsoft&regおよびWindows&regは、米国Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
その他の会社名または製品名は、各社の商標または登録商標です。

関連情報
ニュースリリースPDF [PDF:576KB]
第29回 設計・製造ソリューション展 みどころ
設計支援ツール PSDソルバー


製品開発において、あらかじめどのような範囲で動作してほしいかという想定範囲を考えてから設計を開始すると設計完了が早くなるという手法を「多目的満足化設計手法」と言います。その手法をツール化したものフォトロンが開発した「PSDソルバー」です。
あらかじめリソースや製品の結果などいくつかの想定を入力して、それぞれの結果が重なり合う箇所にしか開発する製品の形がないという演算をおこなう設計ツールと言い換えることができます。
これをルーチン化することで、製品開発の速度が速くなり、多くの製品を世に送り出すことができ、競合メーカに差をつけることができるというものです。
このツールは、的外れな製品開発を防ぐことにより、製品開発の正確さを高めることができ、何も考えずに検討した結果が希望する仕様に入っていないために検討しなおすと言った無駄を排除することで、製品開発業務の効率化を図る狙いがあります。
製品開発部門は、製品が開発されなければ仕事が終わらないため、労働時間の長さが問題となっています。そのため、こうした製品開発支援ツールが多くリリースされています。こうしたツールを用いることで、製品開発部門の労働時間短縮が期待されます。

公式プレスリリースはこちら: 2018.06.13 電気通信大学 石川名誉教授提唱の「多目的満足化設計手法」を実現“製品開発のスピードアップ”を強力に推進!設計支援ツール『PSDソルバー』<「第29回 設計・製造ソリューション展」(2018年6月20日?22日開催)に出展> CATEGORY 製品・サービス / 2D CAD