業界初 低温暖化冷媒R32を採用し環境負荷を低減した 空冷ヒートポンプ式モジュールチラー『HEXAGON Force 32』新発売
ダイキン工業株式会社は、セントラル空調の分野で初めて※1低温暖化冷媒R32を採用し、業界トップクラスの省エネ性を実現した空冷ヒートポンプ式モジュールチラー『HEXAGON Force 32』(ヘキサゴン・フォース)を2018年11月より順次発売します。
近年、世界では地球温暖化への対応として、環境負荷の少ない冷媒への転換が急がれており、2019 年1 月に発効されるモントリオール議定書のキガリ改正では、批准国はHFC のCO2換算による温暖化影響を段階的に削減することが義務付けられます。
本商品は、国内のセントラル空調市場で需要の多いモジュールチラーに地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒R32を採用いたしました。また、R32の加熱性能を引き出すスクロール圧縮機を搭載し、業界トップクラスの加熱性能を実現しています。
当社は、環境先進企業を中心としたビルや工場へ温暖化影響が低く省エネ性の高い空調機器の採用を推進することで環境負荷低減に貢献してまいります。
【機種シリーズ】
ヒートポンプタイプ(冷却・加熱兼用型) 冷却専用タイプ 相当馬力(HP) 30 40 50 60 30 40 50 60 標準機(200V級) ポンプ組込仕様 ● ● ● ● ● ● ● ● ポンプレス仕様 ● ● ● ● ● ● ● ● 耐塩害仕様 ● ● ● ● ● ● ● ● 耐重塩害仕様 ● ● ● ● ● ● ● ● 公共建築協会準拠仕様 ● ● ● ● ● ● ● ● ブライン仕様 ● ● ● ● ● ● ● ● 異電圧仕様(400V級) ● ● ● ● ● ● ● ● 高効率(散水)仕様 ● ● ● ● ● ● ● ● 【発売時期】
平成30年11月より順次発売予定
【商品の特長】
1. 地球温暖化への影響を従来機比68%※2削減し、環境負荷を低減
地球温暖化係数がR410Aの1/3である低温暖化冷媒R32を業界で初めて採用。従来機比68% の温暖化影響の削減は、モジュールチラー一台あたり5256本※3の杉の木を植樹したことに相当。2. R32の採用とインジェクション回路搭載圧縮機により業界トップクラスの加熱性能を達成
エネルギー効率の高い冷媒R32と、加熱(暖房)性能を引き出すインジェクション回路を搭載※4した圧縮機の採用により、全クラスにおいて加熱能力が従来機※5比5%以上向上。さらに加熱 COP※6においても業界トップクラス※7を達成。3. さらなる利便性を追求し、施工性や機能性を向上
外形、配管接続位置、通信仕様を従来機※5種と統一化することで増設が容易になり施工性が向上。
最適な水量調整で消費電力を削減するインバータポンプや、他設備に影響を与える高調波を抑制するアクティブフィルタを標準搭載。※1 2018年6月現在 当社調べ
※2 温暖化係数(GWP)×冷媒量で、冷媒での温暖化影響を算出。GWP は「IPCC 第4 次評価報告書」温暖化係数(GWP)100年値での値。
※3 林野庁試算「地球温暖化防止のための緑の吸収源対策」:杉の木1本当たり年間CO2吸収量約14kg を基に弊社試算
※4 圧縮機の圧縮過程の途中に冷媒を導入し、冷媒密度を上げ、循環量をアップさせる冷媒回路
※5 モジュールチラー『HEXAGON Force』UWXY-F、UWXA-F型(R410A採用機種)
※6 真夏や真冬等空調機に高い負荷がかかる時期の運転効率
※7 2018年6月現在 当社調べ【特長の詳細】
■ R32の採用とインジェクション回路搭載圧縮機により業界トップクラスの加熱性能を達成
R32の加熱性能を引き出す中間インジェクション回路搭載の圧縮機の採用により、全容量において、加熱能力が従来機比5%以上向上、加熱COPにおいても業界トップクラスを達成しました。
表1.HEXAGON FORCE 32の性能
冷却能力
(kw)冷却COP 加熱能力
(kw)加熱COP 冷却IPLV 30HP 85 4.07 90 4.00 6.1 40HP 118 3.60 125 3.72 5.9 50HP 150 3.39 160 3.50 5.6 60HP 180 3.16 190 3.45 5.2 〔表1記載値の運転条件〕
○冷却COP値
出入口温度 7-12℃、外気35℃(D.B.)
○加熱COP値
出入口温度45-40℃、外気 7℃(D.B.)6℃(W.B.)
○冷却IPLV値
日本冷凍空調工業会
ウォーターチリングユニット規格
JRA4066:2017に基づく■ さらなる利便性を追求し、施工性や機能性を向上
(1) 従来機との統一化により施工性向上
モジュールチラーで要望の多い増設対応をより高度化するため、従来機と外形、外観、配管接続位置、電源配線接続位置、通信仕様を統一し、従来機への増設を容易にしました。(2) インバータポンプとアクティブフィルタを標準搭載
インバータポンプの標準搭載により、ポンプ動力の低減や試運転時の水量調整が可能になり、消費電力を削減します。さらに、アクティブフィルタを標準で機内に搭載することで、他設備に影響を与える可能性のある高調波の抑制対策に貢献します。すでに建物側で高調波対策が施され、取り付けが不要な場合は、アクティブフィルタ無しでも改装することができます。(3) モジュールコントローラの機能拡充により、さらなる省エネ化と使い勝手向上を実現
常に効率の良い運転状態をキープするため稼働させる機器を自動制御する従来の『運転効率優先制御』に加え、実運用時のさらなる省エネ化と使い勝手向上を図るため、新しいモジュールコントローラBRG305Aシリーズに送水温度可変制御をオプション機能として追加しました。これにより室内の負荷に応じて冷温水を適度な温度にコントロールする制御を搭載し、室内の冷やし過ぎ、温め過ぎを防いで電力消費を抑えることができます。
エアコンやチラーユニットなどの冷却設備には冷媒と呼ばれるガスが使用されています。
この冷媒に使われているガスは、化学的に反応しにくい安定したものが要求されているため、以前のエアコンや冷蔵庫の冷媒にはフロンガスが使用されていました。
今回ダイキン工業が発売するヒートポンプ式チラーについても、温度の吸収に優れている二酸化炭素が冷媒として使用されていることが多いです。
しかし、こうした冷媒は、フロンガスはオゾン層の破壊を引き起こす他、地球温暖化を促進する温室効果ガスとなります。ヒートポンプに使用されている二酸化炭素も同様です。
こうした冷媒は、故障などで冷媒配管に穴が開いてしまうと、そこから気中に放出されてしまうため、温室効果ガスをまき散らすような形になってしまいます。
そのため、この冷媒に温室効果の少ないものを代用することが求められています。
ダイキン工業では、温室効果の少ない冷媒R32を使用した空冷式チラーモジュールの開発を行い、平成30年11月より販売を開始する予定です。
冷媒の他にも、運転効率を優先した自動制御機能も追加し、より省エネ運転ができるようなユニットとなっています。
公式プレスリリースはこちら: 業界初 低温暖化冷媒R32を採用し環境負荷を低減した 空冷ヒートポンプ式モジュールチラー『HEXAGON Force 32』新発売