ダイキンと日立が、化学品製造工程の反応プロセスにおける
品質管理ノウハウのデジタル化に向けた共同実証を開始
空調機のろう付けプロセスに続く、画像解析技術を活用した協創の第二弾
ダイキン工業株式会社(代表取締役社長兼CEO:十河 政則/以下、ダイキン)と株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、IoTを活用した協創の第二弾として、化学品製造工程の反応プロセスの品質管理ノウハウのデジタル化に向けた共同実証を2018年10月から開始します。共同実証では、ダイキンの淀川製作所(大阪府摂津市)内のフッ素化学品製造工程の反応プロセスに、作業者に異常発生や適切な操作タイミングなどをタイムリーに伝えることができるシステムを導入します。装置の動作状態などに加えて、従来は作業者による定点的な目視確認に依存していた液体の発泡状況や色の変化などの反応状態を日立のLumadaの画像解析技術を用いてデジタル化し、リアルタイムかつ連続のデータとして収集・解析することで、化学反応状況の見える化を可能にします。これにより、今後の品質管理の安定化と作業効率改善の実現をめざします。
近年、製造業では、顧客ニーズの多様化や急速なデジタル化の進展、グローバル競争の激化により顧客の個別要求に応じた多品種少量生産が求められています。一般的な計装機器*1を用いてセンシングすることが困難な小規模の化学品製造工程では、作業者の目視による定点的な製造状態の監視をもとに品質管理を行っています。しかし、液体の量や時間などの同一の製造条件下でも完成品の品質は異なるため、品質安定化のためには攪拌中の液体の発泡状況や色の変化などに表れるさまざまな要因をもとに品質管理を行う必要があります。また、生産性の低下につながるため製造監視の頻度を上げることも難しいという課題があります。
ダイキンと日立は、先進のIoTを用いて次世代生産モデルの実現に向けた協創を行っています。その第一弾として、空調機の製造工程において、高い熟練性が求められるろう付け作業を、日立の画像解析技術を活用してデジタル化し評価・解析する「ろう付け技能訓練支援システム」を開発し、ダイキンの滋賀製作所において2017年10月から運用開始しており*2、現在は国内外の拠点に導入範囲を拡げています。
協創の第二弾として、日立の画像解析技術をダイキン淀川製作所におけるフッ素化学品の製造工程における反応プロセスにも適用し、品質管理ノウハウのデジタル化に向けた検証を行ってきました。具体的には、センサーやカメラを用いて4M(Man(人)、Machine(設備)、Material(材料)、Method(方法))の観点で化学品の反応状態(液色、発泡など)や、装置の動作(温度、回転数など)の時系列の数値・画像データを収集しました。液色や泡、攪拌状態の画像データを数値情報に置き換えて品質との相関性を解析した結果、従来の目視確認では把握できなかった、完成品の品質を左右する定量的な判断基準を確立でき、不良率低減、生産性向上の見通しが得られたことから、今回、フッ素化学品の製造工程における共同実証に着手することになりました。
本実証では、システムを実際の製造現場に導入し、効果の検証やシステムの改良を行います。また、将来的には、新たに監視すべき要因の追加や、人の判断ロジックの更なる解析を通じて、熟練技術者が持っている製造ノウハウのデジタル化と、新たな製造手法の構築につなげていきます。ダイキンと日立は、本実証で得た成果をベースに、化学品反応プロセスの反応状態評価・解析システムを確立し、さらなる品質改善や生産性向上、熟練技術者のノウハウのデジタル化につなげていく計画です。
日立は、本実証で用いるLumadaの画像解析技術を、国内外の化学分野に加え、食品や医薬などの製造業向けにも積極的に展開していきます。*1 特定の製品の生産制御および生産状態の計測を行う一連の装置・システム
*2 2017年9月26日ニュースリリース「ダイキンと日立が、IoTを活用し熟練技術者の技能伝承を支援する次世代生産モデルの確立に向けた協創を開始」https://www.daikin.co.jp/press/2017/20170926/
化学品反応プロセスでの共同実証を行うダイキン淀川製作所Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYOでの紹介について
本協創は、日立が2018年10月18日(木)~19日(金)に、東京国際フォーラムで開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYO」の「INDUSTRY」カテゴリー「経営革新を加速するスマートマニュファクチャリング/メンテナンス」の展示において、ご覧いただけます。
関連情報
Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYO オフィシャルサイト
照会先
株式会社日立製作所 産業・流通ビジネスユニット 産業製造ソリューション本部 [担当:梅木]
〒170-8466 東京都豊島区東池袋四丁目5番2号
電話:03-5928-8255(直通)報道機関からのお問い合わせ先
ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室 広報グループ [担当:渡辺]
〒530-8323 大阪市北区中崎西二丁目4番12号(梅田センタービル)
電話:06-6373-4348(直通)
株式会社日立製作所 産業・流通ビジネスユニット 企画本部
ブランド・マーケティングコミュニケーション部 広報グループ [担当:森井、下山]
〒170-8466 東京都豊島区東池袋四丁目5番2号
電話:03-5928-8104 (直通)ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在のものです。
予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
ダイキンと日立は、化学品製造プロセスの品質管理をデジタル化するための共同研究を開始しました。
ダイキンの有する化学品製造現場において、化学品の製造における多くのパラメータを管理し、データ蓄積を行い、不良品の出るパターンを分析し、品質管理の精度向上をおこなうという狙いがあります。
現在、化学品の製造プロセスは、製造機に設置されている攪拌機の回転数や反応工程の気泡の出方や色、温度と言った多くの情報を見ながら、製造担当者がノウハウを蓄積しているという状況です。
IoT技術の発達により、こうしたデータとして転送できる情報はそのままサーバへ送り、色や気泡などの見た目の情報は、カメラにより蓄積していきます。
この情報を基に、不良品を少ないパターンをデータ的に分析し、熟練製造担当者の勘に頼らない品質管理を行うということが最終目標です。
このパターンが分かれば、AIなどによる自動品質管理などへの応用も可能なことから、大きな注目をすることができます。
人手不足が進行している現在、熟練担当者の勘に頼らないデータによる管理へと移行しています。
公式プレスリリースはこちら: ダイキンと日立が、化学品製造工程の反応プロセスにおける 品質管理ノウハウのデジタル化に向けた共同実証を開始