業界初、「電力・温度・振動」監視により、装置の予知保全を実現
「つばき小形ギヤモータIoT対応自己遮断仕様」新発売モノづくり現場のスマート化に貢献
1.はじめに
株式会社椿本チエイン(社長:大原 靖、本社:大阪市北区)は、業界初のコンベヤ等の稼働状況を遠隔で監視する機能を搭載した「つばき小形ギヤモータ IoT対応自己遮断仕様」を開発、2019年6月1日より新発売いたします。
つばき小形ギヤモータ IoT対応自己遮断
使用例:工作機械の切削粉搬送用チップコンベヤ労働人口の減少により設備の自動化ニーズが高まっています。それに伴い、設備の稼働状況を「見える化」し、トラブルによる稼働停止を未然に防ぎ、品質、生産性の向上を実現するスマート工場への取り組みが拡大しています。しかし、工場全体のIoT化には、センサ類をはじめとするデバイスを組み合わせたシステム構築が大きな課題となっています。
そこで、当社では、汎用ギヤモータに高精度の「電力」「温度」「振動」センサを搭載したユニット(端子箱)を付加した「つばき小形ギヤモータ IoT対応自己遮断仕様」を開発しました。過負荷保護機器の開発で培った技術力を活用し、負荷状況の監視、異常時のモータ停止、それらの自動記録機能、さらにはネットワークにつなげて遠隔監視できる機能を一体化。お客様のIoT機器の導入およびスマート工場への取り組みに貢献します。
2.特長
(1) 「電力」「温度」「振動」の監視を実現
ギヤモータに、電力、温度、振動の各種センサ内蔵ユニット(端子箱)により、それぞれの負荷を常時監視。トラブル発生を未然に防ぎ、異常発生時にはモータを自動停止(自己遮断)します。さらに、各種データの自動保存機能により、トラブル発生時の要因分析も可能となりました。① 装置全体の負荷状況を監視
電力を監視することで軽負荷から高負荷まで高精度な監視を実現。併せて温度センサや振動センサを用いて連続した高負荷運転によるモータの発熱や振動も同時に監視することで、ギヤモータだけでなく装置全体の負荷状況を把握。装置のトラブルの未然防止に役立ちます。② 異常発生時に自動停止(自己遮断)
電力、温度、振動の設定値を超えると異常と判断し、ギヤモータの運転を自動停止。ギヤモータと装置の破損を防ぎます。電力監視では、瞬間的な過負荷の監視に加え、徐々に負荷が増加する場合も安全に停止するサーマル監視も実現。万一、チェーンが切れるなど負荷が軽くなった場合も検知し安全停止します。
また、異常発生時、自動停止した時点からさかのぼり、10秒間(初期設定)のデータをギヤモータ本体に自動で保存します。パソコンへデータを取り込めば異常発生時の負荷、温度、振動が明確になり、要因分析に役立ちます。(2) ネットワーク接続機能により、遠隔監視を実現
IoTに対応する機能を搭載しており、ネットワークに接続する ことで、さまざまな機器と接続が可能。ギヤモータの運転状況 をリアルタイムで遠隔監視し、そのデータを分析・活用するこ とでお客様での予防保全や予知保全に役立てることが可能です。
① 各種機器とのネットワーク接続
クラウド上のサーバやPLC(programmable logic controller)、 パソコンとのネットワーク接続機能搭載により、遠隔での常時 監視が可能です。通信方式は汎用性が高く、広く普及している modbus(RS-485)を採用しました。② トラブルを未然に防ぐ予知保全への対応
計画的に保守・点検を行う「予防保全」から、連続的に計測・監視を行う「予知保全」へのニーズが高まっています。「予知保全」は機器の劣化状態を予知して部品の交換、修理することでメンテナンス工数を削減できます。
本製品のネットワーク接続機能の活用により、装置の負荷状況による電力値の変化や駆動部の発熱・振動の状況を遠隔で監視し(最大16台)、設備を「見える化」。それらのデータを外部機器に取り込み、分析することで予知保全を実現します。③ 専用ソフトウエア(無償提供)で簡単設定・状態監視
専用ソフトウエアの活用により、お客様側で簡単に各種データの保存、各パラメータを変更できます。さらに、パソコン接続時には各種値の負荷状況をリアルタイムで波形表示することも可能です(専用ソフトウエアは当社ホームページからダウンロードできます)。3. 用途
半導体・IT、搬送、包装など複数の設備の集中監視、予知保全を実施したい設備など。
4. 発売機種
ハイポイドモートル、ハイポイドモートルミニ、クローゼモータ、ギヤモートル
対応容量:40W~0.4kW5. 納期
3週間
6. 販売計画
2019年度 3,000万円 2021年度 6,000万円
7. 発売日
2019年6月1日
プレスリリースに記載されている情報は発表当時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
IoTによる機器のネットを通じた遠隔監視及び計測データの集計が一般的なものとなってきています。
椿本チェインでは自社で製造するギアモータに電力、温度、振動の監視項目を出力できる機能を持ったモデルを新発売します。
従来のIoT構築の手段としては、機器の計測機器を制御盤などの制御側で準備し、その計測データをネット回線に接続し、クラウドサーバにデータを送信するという手法でした。
椿本チェインのギアモータは直接計測データを取り出すことができるため、計測機器を新たに準備する必要がありません。ギアモータから直接計測データの送信機器へ接続することが可能となります。
IoT時代の幕開けにより、多くのメーカがIoTに関するクラウドサーバへの計測データの送信機能を持った機器を登場させていますが、機械側から直接クラウドサーバへ接続できる機器というのがなかなかないかと思います。
これからもこうした機能を持った機械機器が登場していくのではないかと思います。
公式プレスリリースはこちら: 業界初、「電力・温度・振動」監視により、装置の予知保全を実現「つばき小形ギヤモータIoT対応自己遮断仕様」新発売