業界最大の課題に 若い働き手確保を含めた“働き方改革”

若い働き手確保を含めた“働き方改革”は、電気工事業界とその関連業界にとっていまや最大の課題の一つといえる。その重要性は、規模が比較的大きな企業にとっても変わらない。そんな事実を、過日開かれた日本電設工業協会(JECA)の定時総会であらためて認識させられた。

JECAには、電気工事業界のなかでは大きな電設会社がそろう。中小、零細の多い電気工事店からみればどうしても恵まれた環境と映りやすいが、内情は必ずしもそうとはいえなさそうだ。
総会後に開かれた記者会見では、「われわれは受ける側。なかなか先行してやるわけにはいかない」「週休2日制も実態的にはむずかしい。主体は建築側にあり工期を予定通りしていただくしかない」などといった弱気な発言が相次いだ。工事では建築関係が主で、設備関係は従。置かれている状況は企業規模が大きくても電気工事店とたいして変わらない、そんなようすが伝わってきた。
そんななか、JECAでは現在の状況について「東京オリンピックなどを控えこれまで経験したことがない忙しさを迎えている。今年は業界にとっても正念場」(後藤清会長)と悲壮感ただよう覚悟で受け止め、働き方改革や人材確保の手立てに取り組む。昨年4月には、残業削減や週休2日制定着を目指す「働き方改革に向けた基本方針」を策定。今年度はフォローアップとして実施状況を調査集計する。
人材確保に関しても、PRビデオを制作して業界の魅力を伝えることに懸命だ。
総じてみれば、自らの刷新に向け必死の対応を見せている。社会的な影響力を考慮すれば、電設会社とおなじ業務に携わる電気工事店においてもさらにきめ細かな対策を講じる努力が求められているように思われる。

電材流通新聞2019年7月3日号掲載