電源製品:業界最高クラスの電力密度、11kW出力容量の絶縁型双方向DC-DCコンバータ「EZA11K」開発
- 現行品のEZA2500(2.5kW)と同じ1U形状(422.8×43.6 (1U)×530 mm)で4倍以上の11kW出力容量を実現
- 並列運転により、50kW出力容量も可能
2017年4月11日
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、TDK-Lambdaブランドの絶縁型双方向DC-DCコンバータ「EZAシリーズ」に、現行品の4倍超の出力容量となる11kWモデル(EZA11K)を新たに開発したことを発表します。現行品の2.5kWモデル(EZA2500)に加えて本製品をラインアップすることで、お客様の大容量装置の小型化に貢献します。TDKラムダ株式会社(社長:矢代 博行)が、2017年4月より販売を開始します。
現在、リチウムイオン電池に代表される高性能の二次電池の用途がPHV、EVなどの車載、ピークカットや非常時のバックアップなどの産業用途、家庭用などに広がってきております。また、太陽光発電パネルなども価格が従来に比べ下がってきていることから、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーを電力会社に売電する従来のやり方に加え、自己消費するニーズが高まっており併用する二次電池のニーズも高まっています。
EZAシリーズは、高圧側と二次電池間の昇降圧が1 台の電源で双方向に変換可能な絶縁型DC-DCコンバータです。本製品は、現行品の4倍超の出力容量となる11kW出力容量を、小型・薄型サイズ(高さ1U・フルラックサイズ)で実現しました。また、双方向の電力変換を最大効率95%で実現し、入力または出力電圧を一定とするように変換方向を自動的に切り替える自律運転に加え、コンバータを停止しない変換方向の高速切り替えも可能にしています。並列運転も可能で、11kWを超える出力容量のシステムにも対応可能です。
デジタル制御技術などの回路・制御技術と、TDKが得意とする低損失磁性材料の融合で、スマート時代に向けた省電力化とCO2の削減に、さらなる貢献をしてまいります。
なお、本製品は2017年4月19~21日に幕張メッセで開催されるTECHNO-FRONTIER 2017(電源システム展)の弊社ブースにて展示します。
主な用途
- 蓄電システムによる電力のピークカット・平準化、非常用電源
- モータ回生エネルギー利用によるピークアシストおよび省エネシステム
- 再生可能エネルギーシステムのDCバス安定化
主な特長と利点
- 最大定格11kW出力容量の双方向変換を1台で実現
- 安全性が高くノイズ対策に有利な、入出力の高周波絶縁タイプ
- 小型・薄型:W:422.8×H:43.6(1U)×D:530 mm
※現行品(2.5kWモデル)W:422.8×H:43.6(1U)×D:400 mm- 高効率:双方向の変換効率最大95%以上(最大定格時)
- 入力・出力電圧を一定にするため変換方向を自動的に切り換える自律運転が可能
- コンバータを停止することなく変換方向の高速切替えが可能
- シリアル通信(RS485)により、電流、電圧、変換方向制御や状態モニタが可能
主な仕様:EZA11K
Model EZA11K-320240 項目 高圧側 二次電池側 入力電圧 320VDC(240 ~ 400VDC) 240VDC(150 ~ 300VDC) 最大効率 95% 95% 出力電圧 320VDC(240 ~ 400VDC) 240VDC(150 ~ 300VDC) 出力容量 11kW 外部制御 RS485 運転モード 他律/自律(RS485より外部設定可) その他 入出力絶縁、並列運転による拡張可 サイズ(W × H × D) 422.8 × 43.6(1U)× 530 mm
太陽光発電や風力発電設備の普及に伴い、大容量の蓄電池設備を設置する工事が増えてきました。発電設備の大容量化により、容量の大きな蓄電池設備を設置するような需要も出てきました。
その場合に発電設備と電力系統や負荷設備と接続し発電か、発電をしていないので蓄電池の充電を行うかを判断するパワーコンディショナが設置されます。
パワーコンディショナの中には蓄電池の充電、放電を管理する部分が必要となります。
DC-DCコンバータはこうした部分に設置され、充電時や放電時の電流方向を素早く判断し、効率的な発電設備の運用に一役買っております。
今まではDC-DCコンバータというとモータ駆動用や制御機器用という事で、蓄電池の充放電用という用途では大容量のものはありませんでした。
この製品は今までの2.5kW相当のユニット寸法のコンバータで、11kWの容量の達成に成功しました。
これにより、大容量化が進むと、今までの大きさよりも少ないスペースで設置することが可能となり、設備の大きさも小さくなります。
こうした電力設備の小型化は、各機器の分野で取り組まれています。モータを駆動させるインバータも20年前と比較すれば同容量でも3分の1程度に大きさが小さくなりました。
ブレーカに関しても、同じ電流容量でも全体的に小さくなり、盤寸法などの小型化に貢献しております。
これらの電力設備の小型化は、パワーエレクトロニクスの進歩により、IGBTやパワートランジスタといった電力変換素子の高効率化がもたらしたものです。電力機器に搭載される部品一つ一つが高効率化し、部品自体が小さくなったことで、全体の寸法も今まで必要だった大きさが減り、小型化が実現したと言えます。
また、シリアル通信による電力監視が標準搭載されているのも最近の電力設備の特徴です。電力の状況を記録して、傾向を抑えることはIoT時代の常識です。
公式プレスリリースはこちら: https://www.tdk-lambda.co.jp/ja/about/press/20170411_1.html