【双葉電子工業株式会社】CFRP製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」発売のお知らせ

当社は、プレート製品の新たなラインアップとして「フェルカーボ」を2020年6月1日に発売します。

「フェルカーボ」は、フェルト状の炭素繊維を用いた、炭素繊維強化プラスチック(以下CFRP)製の切削加工用厚板プレートです。

製造業を取り巻く環境においては、近年省エネルギー化や生産性向上のため、軽量かつ高強度の素材が求められています。CFRPは、金属に代わる素材として、航空・宇宙用途や自動車用途を中心に急速に需要が拡大していますが、産業部品として利用するには加工しにくいことや、一般的なプリプレグシートを積層する方法では厚物を製造する場合に高価格になるなどの課題がありました。

「フェルカーボ」は、フェルト状の炭素繊維を使用することで、課題であった難加工性を解決し、通常の金属と同様に超硬切削工具による高精度加工を可能としています。さらに最大厚さ45mmの厚板化を実現して加工形状の自由度を高めつつ、従来よりも低価格でのご提供が可能となりました。

主な特長

高精度加工が可能な厚板プレート

従来のCFRPは、炭素繊維を織り込んだ布を使用するため、配向性が強く切削加工時に切断面が毛羽立ちやすいという欠点がありました。一方、フェルト状の炭素繊維を用いた「フェルカーボ」は配向性が弱いため、超硬切削工具による高精度加工が可能になりました。

製作可能サイズは最大450㎜角、厚さは10~45㎜となります(順次拡大予定)。また、マシニング加工(フライス、エンドミル、タップなど)、ウォータージェット加工、研削加工により、四角や円形などさまざまな形状に加工対応いたしますので、納品後すぐに使用可能です。

加工品イメージ

各加工方法による加工精度実績

各加工方法による加工精度実績例
フライス加工 平面度 20.0㎛(250×280×40㎜)
平均面粗さ 1.02㎛
表面研削加工 平面度 10.0㎛(250×280×40㎜)
平均面粗さ 0.51㎛
仕上げ穴加工 H7(φ10㎜)

※ワイヤー放電加工は、導電性が不足しているため使用できません。

円形形状イメージ

外径φ300㎜ 内径φ100mm 加工実績

加工精度実績
仕上げ寸法 100.01mm(φ100mm)
真円度 5.0㎛(φ100mm)
円筒度 5.0㎛(φ100mm)
平面度 10.0㎛(φ300mm)
平行度 9.0㎛(φ300mm)
直角度 2.0㎛(平面に対する内径)

「アルミの1/2の比重」軽量かつ高強度

「フェルカーボ」は、金属の中でも軽量なアルミ合金(A5052)と比較しても比重はわずか1/2、450mm角×厚さ10㎜のサイズで2.7㎏と非常に軽量です。また、引張強度もアルミ合金(A5052)の約1.3倍と優れています。これにより高速可動部品の軽量化や運搬性向上などの効果が見込め、機械や作業者にかかる負荷の軽減や生産性の向上に貢献します。

温度変化に対する高い寸法安定性

「フェルカーボ」の熱膨張係数は約7.5×10‐6/℃で、アルミ合金(A5052)の約30%、炭素鋼の約60%であり、一般的な金属と比べても温度変化に対して高い寸法安定性を有しています。

その他の特長

  • 断熱性が高い
  • 非磁性
  • 耐腐食性が高い(錆びの発生や腐食がない)

公式プレスリリースはこちら: CFRP製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」発売のお知らせ