電池電圧1000Vまで測定できるバッテリハイテスタBT3564を発売
掲載日:2018年4月18日
HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:細谷和俊)は、2018年4月16日に高電圧化が進むEV(電気自動車)・PHEV(プラグインハイブリッド車)向け電池パックや住宅用蓄電池などの出荷検査・受け入れ検査に最適なバッテリハイテスタBT3564を発売しました。
最大入力電圧1000Vで、内部抵抗と電池電圧を同時に測定できます。
開発の背景
近年各国の環境規制強化により、EV・PHEVといった自動車の電動化が進んでおり、それにともないEV車に搭載されるリチウムイオン電池をはじめとしたバッテリーの生産が増えています。自動車の航続距離を伸ばすために電池出力を大きくしつつ、車体重量の増加を抑えなければならないことから、バッテリーを高電圧化する必要がでてきました。
しかし、従来製品では、高電圧化が進む測定対象に十分に対応できないという問題がありました。こうした問題を解決するため、BT3564の開発を進めてきました。BT3564の特長
- 電池電圧1000Vまで測定可能
従来製品(BT3563)の最大入力電圧は300Vでした。BT3564は高電圧化するEV用電池パックの内部抵抗を測定できるよう、最大入力電圧を1000Vまで広げました。- 火花放電低減機能で安心測定
高電圧になるにつれ測定した時に火花放電が起こりやすくなり、大変危険です。BT3564では測定プローブを電池パックの端子に接触する際に、流れる電流を制限して火花放電の発生を低減させます。- 新形状の1000V対応プローブでスムーズに測定
新たに1000V対応のピン形プローブを用意しました(オプション品)。高電圧電池パックは安全規格に対応するため端子が奥まっており、従来のプローブでは測定が困難でした。プローブの先端形状を長くすることで確実に測定ができるようになりました。年間販売目標台数
100台
価格
バッテリハイテスタBT3564: 500,000円(税抜)
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電気EV車や太陽光発電設備など、直流での電力需要は増加傾向にあります。それと同時に直流電力を一時的に貯蔵するバッテリの需要も増えてきております。
バッテリは理論上直列につないでいけば高い電圧を作ることが可能です。そのため、現在では電気設備技術基準での直流の高圧に当たり1000Vのバッテリも設置する箇所も増えてきております。
太陽光発電設備などでは電気主任技術者などの高圧設備の専門家が管理しますが、一般住宅などではそこまでのことは行われておりません。
また、電気自動車など電気設備技術基準とは別の基準で管理するようなものに関してはバッテリ点検時の危険性などが挙げられます。
定期点検により、バッテリの内部抵抗や電圧を測定し必要な整備を行わなければ、バッテリの爆発や発火と言った危険性もあり、高圧バッテリであっても日常点検などでもバッテリ電圧や内部抵抗の測定を行う必要があります。
今回、日置電機での商品では、高電圧測定時の安全性を最重要視して開発されております。そのため、高圧設備の知識を持たない人でも安全に測定プローブの取り外しが行えるよう、プローブ解放時の電流制限を行っております。
通常、高電圧を測定した後は、残留電荷の放電を行わなければ大変危険ですが、突然取り外しても火花放電が起こらないような構造となっております。
電池電圧が高電圧で送ると、電流を低く抑えることができるため、配線やそのほかの機器の小型化を行うことができます。このため、直流電池の高圧化は今後も続くものと思われます。
これに伴い、点検機器の高圧対応が進み、安全対策も同時に進んでいくのではないかと考えられます。
公式プレスリリースはこちら: 電池電圧1000Vまで測定できるバッテリハイテスタBT3564を発売