LED化で光演出可能なDMX制御による照明システム採用
国内プロ野球の大型屋内 スポーツ施設では日本初
岩崎電気は、プロ野球中日ドラゴンズのホームグラウンド・ナゴヤドームの照明設備のLED化にあたり、フルカラー照明も含めたスタジアム全体で光演出が可能なDMX制御(DMX512―A)による照明システムを国内プロ野球の大型屋内スポーツ施設として日本で初めて採用した。
ナゴヤドームは、1997年に完成。プロ野球のナイター照明設備として同社製HID照明が採用されていた。
今回の照明設備LED化にあたり、照明制御システムは欧米で導入が進んでいるスタジアム全体で光演出が可能なDMX制御を国内プロ野球球場初めて採用することとなった。
LED照明は、既設のメタルハライドランプ投光器から、効率の高い超高演色形LED投光器「LEDioc FLOOD ZEST(レディオック フラッド ゼスト)」570灯(フィールド照明で162灯削減)と高効率形LED投光器「LEDioc FLOOD DUELL(レディオック フラッド デュエル)」48灯(空間照明)に切り換わり、総消費電力を約60%削減する。
器具数量を減らしながらプロ野球開催に必要な照度を確保し、空間照度や照度均斉度も向上する。まぶしさ(グレア)も、器具設計の見直しと高度な三次元シミュレーションで検証し軽減。「LEDioc FLOOD ZEST」は、次世代テレビ放送と呼ばれるスーパーハイビジョン撮影(4K/8K)に対応した平均演色評価数Ra94の超高演色LEDを採用し、自然な色の見え方を実現。スーパースロー再生で用いられるハイスピードカメラ撮影時の「ちらつき」も、独自の電源回路設計によるフリッカレス点灯で防止する。より高い省エネ性の実現と保守性・利便性の向上を両立することが可能となった。
また、約1677万色(理論値)からオリジナルの色を表現できるフルカラーLED投光器「LEDioc FLOOD FULL―COLOR(レディオック フラッド フルカラー)」102台でドーム天井を照射し、チームカラーなどを使用した演出照明が可能となった。
さらに、フィールド照明、空間照明、フルカラーLED照明は「106ビジョン」の映像と連動して制御できる。
1、LED化のコンセプト「ご来場のお客様にさらなる”驚き”と”感動”を」
・環境負荷の低減
・保守性の向上
・経済性の向上
・演出性の向上
2、採用されたLED照明システムの特長
1 新設計のフィールド照明用LED投光器「LEDioc FLOODZEST」を採用
・まぶしさを感じる範囲の少ない独自の配光設計によりプレーヤーへのグレアを軽減・スーパーハイビジョン撮影(4K/8K)に対応した平均演色評価数Ra94のLEDを使用
・高い省エネ性と調光機能
2 スタジアムの照明環境の向上
・プレーに必要な明るさを確保すると同時に、空間照度・照度均斉度を向上
・三次元シミュレーション設計によりまぶしさ(グレア)を低減・ハイスピードカメラ撮影の際の「ちらつき」を独自の電源回路設計により、フリッカレス点灯で防止
・DMX制御対応による多彩な演出照明が可能
3 高い安全性能」
・誘導雷サージによる故障を防止するために「耐雷サージ電圧15kV(コモンモード)」を搭載・前面カバーに野球の硬式ボールが時速130㎞の速度で衝突しても耐えられる強固なポリカーボネートを採用
3、DMX制御による演出照明
フィールド照明、空間照明、フルカラーLED投光器をDMX制御することで、アリーナ全体の光演出を実現。LED照明の瞬点性を活かしたスピーディーな点滅、調光やフルカラー照明によるカラーチェンジ、光のグラデーションが表現でき、複数台を一括制御することでの「ウェーブ点灯」などフレキシブルな表現が可能になる。