62兆9400億円 3.4%増(前年度比)
民間投資は41兆3100億円に
国土交通省はこのほど、令和元年度建設投資見通しを公表した。
■概要
令和元年度の建設投資は、前年度比3.4%増の62兆9400億円となる見通しである。
このうち、政府投資は21兆6300億円(前年度比4.5%増)、民間投資が41兆3100億円(同2.8%増)となる見通しである。建築・土木別に見ると建築投資が41兆2700億円(同1.9%増)、土木投資が21兆6700億円(同6.3%増)となる見通しである。
平成30年度の建設投資は、前年度比0.3%増の60兆8800億円となる見込みである。このうち政府投資は20兆7千億円(前年度比2.6%減)、民間投資は40兆1800億円(同1.9%増)と見込まれる。建築・土木別に見ると建築投資が40兆4900億円(同0.7%増)、土木投資が20兆3900億円(同0.3%減)となる見込みである。
建設投資は、平成4年度の84兆円をピークに減少基調となり、平成22年度には平成4年度の半分程度にまで減少した。その後、東日本大震災からの復興等により回復傾向となっている。令和元年度の建設投資については、平成30年度の補正予算等に係る政府建設投資が見込まれること等から、総額として62兆9400億円となる見通しである。
■国内総生産と建設投資の関係
国内総生産に占める建設投資の比率は、昭和50年頃は20%以上あったが、その後、減少傾向となった。
昭和61年度から平成2年度にかけて一時増加したものの、その後再び減少基調となった。近年では、約10%程度で推移している。
■建設投資の構成と推移
1、建設投資の構成と推移
令和元年度建設投資見通しにおける建設投資の構成を見ると、政府土木投資と民間建築投資の合計が全体の82%を占めている。
令和元年度の建設投資の構成を見ると、民間投資が66%、政府投資が34%である。民間投資のうち住宅、非住宅及びリフォーム・リニューアル投資を合わせた建築投資が全体の57%を占めている。
政府投資は土木投資が全体の25%を占めており、この両者で建設投資全体の82%を占めている。
2、建築・土木別構成比の推移
建築と土木との構成比については、平成10年度以降、建築投資が増加する一方で政府土木投資が減少し、建築投資の占める比率が平成18年度には60%となった。
その後、一時的に土木投資が増加したが、近年は建築投資の占める比率が高まる傾向にあり、建築投資が60%台、土木投資が30%台で推移している。
3、政府建設投資の動向
令和元年度は、前年度比4.5%増加し、21兆6300億円となる見通しである。
平成30年度は、前年度比2.6%減少し、20兆7千億円となる見込みである。
4、住宅投資の動向
令和元年度の民間住宅投資は、前年度比2.8%増の17兆3900億円となる見通しである。政府住宅投資を合わせた令和元年度の住宅投資全体では、同2.8%増の17兆9600億円となる見通しである。
5、建築物リフォーム・リニューアル投資の動向
令和元年度の民間建築物リフォーム・リニューアル投資は、前年度比0.6%増の6兆2200億円となる見通しである。
政府建築物リフォーム・リニューアル投資を合わせた令和元年度の建築物リフォーム・リニューアル投資全体では、同0.8%増の7兆5800億円となる見通しである。
建築物リフォーム・リニューアル投資は、建築投資全体に対し約20%を占めている。
6、民間非住宅建設投資(建築+土木)の動向
令和元年度の民間非住宅建築投資は、前年度比0.4%増の11兆8200億円となる見通しである。民間土木投資は、前年度比10.7%増の5兆8800億円となる見通しである。
これにより、令和元年度の民間非住宅建設投資(民間非住宅建築及び民間土木)は、前年度比3.6%増の17兆7千億円となる見通しである。
平成30年度の民間非住宅建設投資(民間非住宅建築及び民間土木)は、前年度比4.8%増の17兆800億円となる見込みである。民間非住宅建築投資は11兆7700億円(前年度比3.0%増)、民間土木投資は5兆3100億円(同9.3%増)となる見込みである。