経済産業省はこのほど、11月から3月における冬季の省エネルギーの取組みを促進するため、「冬季の省エネルギーの取組みについて」を決定した。省エネルギーの普及活動を行い、国民に対して省エネルギーの取組みの実践への協力を呼びかけるとともに、政府も率先して暖房中の室温の適正化や照明の削減など、省エネルギーの取組みを実践する。
省エネルギー・低炭素社会への転換は、我慢を強いることではなく、無駄を省いて快適に生活するというものであり、各分野における省エネルギー行動の変革促進を一層進めるためには、省エネルギーについて一人でも多くの人に効果的に理解してもらうことが必要との観点から、省エネルギーに係る情報提供を行い、具体的な行動に結びつけていくための取り組みを進める。
①省エネルギー関連の展示会への政府出展や家電製品の省エネ性能カタログによる情報発信、WEBシステム「省エネ製品買換ナビゲーション『しんきゅうさん』」の活用による省エネルギー・低炭素型の製品の買い換え、省エネルギー月間の広報などきめ細かな情報提供及び普及啓発活動等を実施
②自治体の庁舎・建築物の省エネルギー改修・建替えを進め地域の省エネルギーの先進事例として地域全体への波及効果を含めて地域の省エネルギー化を実現
③各家庭のライフスタイルに合わせた省エネルギー、省CO2対策を提案し効果的な対策に結びつける「家庭エコ診断」を引き続き実施
④省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献する製品、サービス、ライフスタイルを選ぶ具体的な行動を喚起するための国民運動「COOL CHOICE」の推進を通じたライフスタイルの転換を引き続き呼びかける
各産業界に対しても、周知ならびに協力を要請する。
□住宅・ビル等の省エネルギー対応
住宅、ビル等の新築、増改築、改修等にあたっては、エネルギー消費性能の向上を図るため、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)に基づく住宅及び建築物の省エネルギー基準を踏まえ、断熱材の利用、設計・施工上の工夫による熱負荷の低減など的確な設計及び施工を行う。
そして、積極的に省エネと再エネを組み合わせて一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指したZEH・ZEBをはじめとするエコ住宅及び建築物の新築や断熱改修等のエコリフォームに努める。
住宅、ビル等の販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行う建築物について、省エネ性能表示のガイドラインに基づき、エネルギー消費性能を表示するよう努める。
また、ディマンドリスポンスに対応した時間帯別・季節別の電気料金メニューが選択できる場合はその活用に努めるとともに、エネルギー管理システム(BEMS・HEMS等)の導入により、ビルの運用方法、住宅の住まい方の改善によるピーク対策及び省エネルギーに努める。
ビル等においては、省エネルギー診断やESCO事業等を活用し、より高効率な設備・機器の導入や適切な運転方法への見直し等により、省エネルギー化を進める。
□エネルギー消費効率の高い機器の選択・購入
家電機器、OA機器等のエネルギー消費機器の購入にあたっては、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づくトップランナー基準の達成状況を示す省エネルギーラベル及び米国環境保護庁が定めた国際エネルギースターロゴの表示とともに政府、事業者等が提供するエネルギー消費効率に関する情報等を参考としつつ省エネルギー性能の高い機器の選択に努める。
選択にあたっては、初期投資負担をともなうものの、これが中長期スパンで回収できることに留意する。
とくに、家庭用エアコンディショナー、家庭用電気冷蔵庫、家庭用電気冷凍庫、テレビジョン受信機、蛍光灯器具、電気便座の購入にあたっては、より省エネルギー性能の高い製品を選択する観点から、省エネルギーラベルによるトップランナー基準の達成状況のみならず、統一省エネルギーラベルによる5段階の省エネルギー性能表示に留意し、省エネルギー性能の高い製品の選択に努めること。
エネルギー消費機器の製造・輸入事業者・小売事業者(インターネットによる販売等を行う事業者も含む)は省エネルギーラベル、国際エネルギースターロゴ、統一省エネルギーラベルの表示により、省エネルギー性能に関するきめ細かな情報提供に努める。
□工場・事業場関係
①省エネ法に基づくエネルギー管理の実施②自主的な省エネルギーへの取り組みの推進
□運輸関係
①省エネ法に基づくエネルギー管理の実施②公共交通機関の利用促進③エネルギー消費効率のよい輸送機関の選択④エコドライブの実践
□その他
①ISO50001の導入検討②省エネルギーに資する事業活動の合理化及び従業員等の意識向上③地域における各機関の連携等