ニューノーマル時代での 工業会の取り組み紹介 『配線器具特集』

第6次中期計画策定
「安全品質の追及」など5大活動テーマ掲げる


昨年度の配線器具市場の年間出荷金額は、939億円で前年度比微減となった。今回、ニューノーマル時代での配線器具市場の商品動向や開始年度となる第6次中期計画を中心とした日本配線システム工業会の取り組みなどについて紹介する。
(表出典:一般社団法人日本配線システム工業会)


ジャンボびっくり見本市出展ブース・明工社㊤と神保電器

配線器具の点検ポイント(日配工ホームページより)

配線器具と密接に関連する新設住宅着工件数は、長いスパンで見ると、減少局面に入っているといえる。国土交通省資料によると、6月の新設住宅着工件数は前年同月比7・3%増の7万6312戸で4カ月連続の増加となっているが、令和2年度トータルでは前年度比8・1%減の81万2千戸で2年連続の減少となっている。新型コロナウイルスの影響もあることから、今後についても不透明感は否めない。
一方、昨年度の配線器具市場の年間出荷金額は、対前年度比96.4%の939.6億円で微減となった。
日本配線システム工業会による6月の自主出荷統計では、点滅器が前年同月比106.4%、接続器が同106.9%、住宅用分電盤が同102.3%、総計で同106・6%となった。これは、昨年減少した部分が回復傾向にあることを示唆しているようにもみられる。
同工業会では、2021年度の事業計画のなかで、今年度について「『新たな日常』と政府のデジタル化推進による設備投資や働き方改革での在宅勤務やWeb会議の増加による需要増を期待するところである。こうしたなか、工業会の扱い品目である感震機能付などの高機能住宅用分電盤、電気自動車充電設備、災害を未然に防ぐ製品群の伸びを期待したい」としたうえで、2021年度の出荷金額は前年度比で点滅器が102.0%、接続器が101.0%、住宅用分電盤が101.5%、その他を含む合計で100.8%、絶対額で947億円と推定している。

このような環境のもと、日本配線システム工業会では、第6次中期計画を策定した。「すべてを根底から見直して新たなニューノーマル(新常態)時代の工業会を再構築する」ため、重点テーマを中心に活動する。
最重点課題としている第6次中期計画5大活動テーマはつぎの通り。

①配線システムからの火災事故を撲滅する「安全品質の追及活動」

 ②交換リニューアル市場を構築する「安全・点検リニューアル活動

 ③低炭素社会を配線システムで実現する「環境対応推進活動」

 ④新しい配線システムの標準化で安心を造りだす「標準化推進活動」

 ⑤新しい分野の市場を開拓する「新規分野開拓活動」。

そのほか、重点項目としてつぎの事業を推進する。
①配線システム及び配線器具に関する生産、流通等の調査及び研究
出荷統計調査(接地極付きコンセント含む)、需要動向・流通動向の早期集計

②配線システム及び配線器具に関する技術の調査及び研究
技術動向、技術課題等に関する調査及び研究

 ③配線システム及び配線器具に関する情報の収集及び提供
市場動向、環境問題等に関する情報収集及び提供

 ④配線システム及び配線器具に関する普及及び啓発
日配工の提案する製品の普及と安全点検など使用者への啓発

 ⑤配線システム及び配線器具に関する規格の立案及び推進
各種規格作成委員会活動の推進と取り纏め

 ⑥配線システム及び配線器具に関する内外関係機関等との交流及び協力
国内関係機関及び海外関係機関との協調体制構築

 ⑦前各号に掲げるもののほか本会の目的を達成するために必要な事業

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