財務省北陸経済局はこのほど、北陸3県(石川・富山・福井)の「令和元年10~12月期法人企業景気予測調査」の結果を発表した。それによると、景況判断について現状は「下降」超、先行き見通し(令和2年1~3月期)も「下降」超との見方を示している。
景況判断
①現状判断(令和元年10~12月期)
企業の景況判断BSI(前期比「上昇」―「下降」社数構成比、原数値)をみると、製造業、非製造業ともに「下降」超となっている。
業種別では、製造業は、「生産用機械器具」、「繊維工業」等が「下降」超、「化学工業」等が「上昇」超となっている。
非製造業は、「卸売」、「小売」等が「下降」超、「リース」等が「上昇」超となっている。
規模別では、大企業、中堅企業、中小企業ともに「下降」超となっている。
②先行き見通し(令和2年1~3月期)
製造業、非製造業ともに「下降」超となる見通しとなっている。
業種別では、製造業は、「生産用機械器具」等が「下降」超となる見通しとなっている。
非製造業は、「卸売」等が「下降」超となる見通しとなっている。
②先行き見通し(令和2年4~6月期)
全産業では「下降」超となる見通しとなっている。
売上高(除く「電気・ガス・水道業」)
令和元年度は、製造業は減収見込み、非製造業は増収見込み、全産業では増収見込みとなっている。
業種別では、製造業は、「自動車・同附属品」、「生産用機械器具」等が減収見込み、「化学工業」等が増収見込みとなっている。
非製造業は、「小売」、「運輸、郵便」等が増収見込み、「学術研究、専門・技術サービス」等が減収見込みとなっている。
経常利益(除く「電気・ガス・水道業、金融業、保険業」)
令和元年度は、製造業、非製造業ともに減益見込みとなっている。
業種別では、製造業は、「生産用機械器具」、「自動車・同附属品」等が減益見込み、「金属製品」等が増益見込みとなっている。非製造業は、「学術研究、専門・技術サービス」、「小売」等が減益見込み、「建設」等が増益見込みとなっている。
今年度における経常利益の要因判断
今年度における経常利益の要因判断(1社10項目中3項目以内回答)をみると、全産業では「販売数量・提供数量」と回答した企業が最も多く、次いで「販売単価・提供単価」、「人件費」の順となっている。
業種別では、製造業、非製造業ともに全産業と同順位となっている。
設備投資(除く「電気・ガス・水道業」)
令和元年度は、製造業、非製造業ともに増加見込みとなっている。
業種別では、製造業は、「金属製品」、「化学工業」等が増加見込み、「自動車・同附属品」等が減少見込みとなっている。
非製造業は、「不動産」、「情報通信」等が増加見込み、「金融、保険」等が減少見込みとなっている。
生産・販売などのための設備
現状判断は「不足」超、先行き見通し(2年3月末)は「過大」超 元年12月末時点の設備判断BSI(期末判断「不足」―「過大」社数構成比、原数値)をみると、業種別では、製造業は「過大」超、非製造業は「不足」超となっている。
規模別では、大企業は「不足」と「過大」が均衡しており、中堅企業は「過大」超、中小企業は「不足」超となっている。
先行きをみると、令和2年3月末時点は、製造業、非製造業ともに「過大」超の見通しとなっている。
令和2年6月末時点は、全産業では「不足」超の見通しとなっている。
今年度における設備投資のスタンス
今年度における設備投資のスタンス(1社10項目中3項目以内回答)をみると、全産業では「維持更新」と回答した企業が最も多い。
次いで「生産(販売)能力の拡大」、「製(商)品・サービスの質的向上」及び「省力化合理化」の順となっている。
業種別では、製造業は、「省力化合理化」と回答した企業が最も多く、次いで「生産(販売)能力の拡大」、「維持更新」の順となっている。
非製造業は、「維持更新」と回答した企業が最も多い。
次いで「製(商)品・サービスの質的向上」、「生産(販売)能力の拡大」の順となっている。
従業員数
令和元年12月末時点の従業員数判断BSI(期末判断「不足気味」―「過剰気味」社数構成比、原数値)をみると、業種別、規模別ともに「不足気味」超となっている。