電線工業会 主要7部門出荷  7月もコロナが響き総計5.3万t(16.1%減)

7部門すべて前年割れ 光ファイバ輸出のみ微増

電線工業会がまとめた銅電線主要7部門別出荷数量の7月分実績及び8月分推定によれば7月分実績は、新型コロナの影響が続き7部門すべてが前年同月を割り込み、総計は5万3千484㌧で前年同月比16.1%減と10カ月連続で前年を割り込んだ。とりわけ新年度(4月)以降二桁減が続き、険しい需要環境で推移している。

光ファイバ・ケーブルを含む光製品出荷は、主力の輸出が292万528㎞Cで同0.6%増と微増だったものの、国内向けが54万9千246㎞Cで同5.9%減少したため、総計は346万9千774㎞Cで同0.5%減とわずかに低下した。このため15カ月連続で減少になった。また、輸出は、北米と欧州の光化投資が活発で全体を底上げした。

一方、8月分推定は、通信部門のみがGIGAスクール需要で増加したが、ほかの6部門は7月と同傾向を示し、総計は5万㌧を割り込み4万4千600㌧で同15.9%減と11カ月連続で減少する見通し。コロナ禍で厳しい情勢が続く。

7月分は通信と電力2カ月ぶりに減少へ

7月分の部門別出荷をみると、通信は、GIGAスクール需要でLANケーブルが動くが、CCPやPECケーブル類が伸び悩み同9.6%減少した。2カ月ぶりに再び前年を割り込んだ。電力は、洋上風力発電向けが動いているものの、CVへの張り替え需要などが谷間に差し掛かり2カ月ぶりに同2.7%減少した。電気機械は、コロナ禍に米中貿易摩擦の後遺症が左右し同14.3%減少し、23カ月連続で前年割れが続いている。自動車も、コロナ禍によって自動車メーカーの減産や販売不振で同24・2%減と大幅に低下した。4カ月連続で減少した。

建設電販は、市販ルートと電設ルートともに伸び悩み同15.5%減少した。首都圏再開発などの大型案件が控えているものの、人手不足で作業効率が低下したことも響き、7カ月連続で下降した。市販よりも電設ルートの方がやや苦戦を強いられている。

その他内需も、景気低迷で民間企業の設備投資が鈍化し同24.5%減と4カ月連続で前年を割り込んだ。輸出もコロナ禍が影響し同13.0%減となり、6カ月連続で前年を下回った。

電線新聞 4214号掲載