【電線新聞】『ジャンボびっくり見本市』出展者の注力製品(順不同)

人手不足対策が鍵 省力化製品に傾注

電設業界最大の展示会「第45回ジャンボびっくり見本市」(主催:ジャンボびっくり見本市協催委員会)が12~13日に大阪府住之江区のインテックス大阪で、26~27日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される。
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昨年の会場ブース

同展示会は、電線メーカーなど462社が集結する電設資材総合展示・即売会。今回のテーマ『ここにある! 賢い未来の新情報』に沿って、IoTによるソサエティ5・0の実現に向けた製品群を展示する新ゾーンを設けた。電線メーカーでは、住電日立ケーブル、フジクラ・ダイヤケーブル、冨士電線、富士電線工業、四国電線、伸興電線など多数が出展。人手不足が続くなか、FAケーブルや工数削減に貢献できる工具などの新製品が目立つ。さらにFAロボット導入のセミナー等も開催される。

住電日立ケーブル

モジュールブランチ HMB―T 省力化と工期を短縮


ボルト締め接続で工具不要

住電日立ケーブルは、分割布設型低圧ケーブル配線「HMB―T」に傾注し、活発に販促展開を行う。
同製品は羽子板端子形のモジュールブランチで、階層5~6フロア分の分岐付ケーブルを1モジュールごとに布設できる。高層マンションの積層建築工法に最適であり、建物の仕上りに合わせ幹線を布設できるため、工事の省力化と工期短縮に寄与する。
そのうえ、施工コストにも配慮しており、簡易型のバスダクトと比較しても、布設コストを含めた工事のトータルコストを削減できる。
また、同モジュールの吊り上げには中間取付け形ケーブルクリップを用いており、仮止めできる。モジュール間は、羽子板端子をボルト締め接続と絶縁処理のみで完了し、特殊工具や技能が不要であり、高信頼性を確保した。加えてコネクタ接続部で段落し、布設も行える。さらに縦幹線の上層部モジュールの導体サイズダウンにも貢献する。

フジクラ・ダイヤケーブル

亀裂を活線状態で発見 シース・シールド抵抗測定装置

LISSA―100

フジクラ・ダイヤケーブルでは、活線シース・シールド抵抗測定装置『LISSA―100』の展示をメインにして来場者へ積極的にPRする。この装置は、従来の活線シース絶縁抵抗測定装置と活線シールド抵抗測定装置の機能を1台にまとめたもので、活線状態で高圧ケーブルの被覆(シース)に発生した亀裂や遮へい層銅テープの破断を発見することが出来る。同装置を使用して劣化診断を行うことによって、これら不具合で引き起こされるケーブルの絶縁破壊や火災等の事故を未然に防止することができる。
装置はニッケル水素電池4本で動作し、AC100Vが不要で、電源確保ができない場所でも測定が可能である。また小型軽量で持ち運びもしやすくパソコンと接続しデータ管理も容易にできる。とりわけノウハウを必要とせずに、簡単にケーブルの診断が行え、ケーブル診断の省力化やケーブルの信頼性の向上が期待できる。

冨士電線

LAN用ツイストペアケーブル 業界初、125℃耐熱


4H12―TPCC5(S)

冨士電線は、1ギガビット伝送(1000BASE―T)に対応した125℃耐熱LAN用ツイストペアケーブル(両端コネクタ加工品)4H12―TPCC5(S)を注力製品として出展する。
同製品は、絶縁体にフッ素樹脂(FEP)、外被に耐熱PVCを用いており、マイナス20℃からプラス125℃まで、幅広い温度環境で使用できる。最大125℃の耐熱LANケーブルは業界初であり、工場内の高温環境でも、ネットワーク構築、情報システム基盤の構築に使用することができる。
また、超細径・軽量で可とう性に優れており、AWG№28用プラグ、ジャックを取り付けることができる。細径導体を使用しているため、挿入損失についてはTIA規格の1・7倍以下で管理しており、最大配線長は40mまでとなっている。
サイズ×対数は0・3㎜×4P。仕上外径は約3・7㎜、概算質量は20㎏/㎞、条長は200mとなっている。

四国電線

16%軽量 アルミ同軸 従来品と性能は同等


S―5C―FB(AL)監視・防犯カメラ用/衛星放送受信用同軸ケーブル

四国電線は、軽くなり、配線工事がひときわ行いやすくなった「監視・防犯カメラ用同軸ケーブル」と「衛星放送受信用同軸ケーブル」を両翼に顧客に訴求していく。
両製品の特色は、外部編組導体を今までの錫メッキ軟銅線から、アルミニウム線に換えたことによって、従来品のS―5C―FBケーブルに比べ質量が15・8%軽量になったことにある。外部編組導体だけを従来品と比較すると67・8%減と大幅に軽くなった。しかも、各性能面は従来品のS―5C―FBと同等。ケーブル構造もこれと同じで接続性も変更がない。また、RoHS指令に適応している。地デジ・衛星放送受信用と監視・防犯カメラ(HD―SDIカメラ)向けに最適な製品と言える。また、双方とも型番は同じでありS―5C―FB(AL)。