エアコンとHEMSの相互接続性の向上を目指す
経産省は、日本が提案した「家庭用エアコン・HEMS コントローラ間アプリケーション通信インターフェース仕様」が国際規格として発行されたと発表した。
●背景
ECHONET Lite※ 1 のアプリケーション通信インターフェース(AIF)仕様は、異なるメーカー間の機器の相互接続性を向上させるために「機器ごとの動作」を規定している。
国内では、HEMS重点8機器※ 2 を対象にAIF仕様が業界標準として策定され、第三者による認証も開始されていた。
しかし、国内でのさらなるHEMS普及や日本製HEMS対応機器の海外展開を目指し、海外での相互接続性を確保するため、AIF仕様の国際規格化が進められていた。
8機器のうち、エアコンは家庭内でのエネルギー消費比率が高く、エネルギーマネジメントによる省エネ効果が得られやすいことや、海外でも一般的に使用されている機器であることを踏まえ、AIF仕様に関する最初の規格として審議が進められた。
その結果、国際規格として2020 年6月22 日に発行された。
●規格の内容
国際規格では、家庭用エアコンとHEMSコントローラを接続する際の相互接続性や信頼性を確保するために、通信プロトコル以外にも、通信上の機器の動作を含めて基準を定めている。
これにより、同一ネットワーク内にある家庭用エアコンを検出、発見、制御が可能となる。
なお、家庭用エアコン以外の機器についても、それぞれAIF仕様に関する業界規格が策定され(順次、国際規格化予定)、制御、状態把握することが可能である。
●期待される効果
HEMSに対応可能な家庭用エアコンが国内外で一層普及することが期待される。
国内では、ECHONET Lite対応のエアコン出荷台数のうち、約半数が同規格に適合(認証取得)していることから、世界模でのHEMSの導入が進むことにより、エアコンをはじめとした関連する日本製機器の優位性向上や、これらに関するサービス事業の市場拡大を目指すことが期待される。
※1 :家庭内ネットワークを通じて異なるメーカーの多様なIoT家電、住宅設備、創エネ・蓄エネ設備の相互接続を可能とするための通信規格。
※2 :エアコン、太陽光発電、蓄電池、照明、給湯器、燃料電池、スマートメータ、電気自動車充放電機の8機器。