関東電販 吉田康一理事長 銅価 安定に期待

一時104万円も 長期化せず静観

関東電販 吉田康一理事長

銅価(㌧)は3月3日(時点)、3万円高騰し104万円になった。銅価が100万円の大台を記録したのは、08年7月以来約12年半ぶり。100万円超の高値は、電線業界にも混乱を招き、大きな懸念を残す。ましてやコロナ禍のさなか、電線メーカーとの仕入れのやり取りなどの情報交換もままならず、混迷が深まるばかりだ。
また、日売りが多い市販ルートのビジネスは、電材店との値決めが難航し、取り引きは相当厳しくなっている。電設ルートは、銅価高が落ち着くまで契約が先延ばしされ、その分発注が滞る。
一方、銅価急騰には、逆に急落の可能性も潜む。さらに、かつて銅価が100万円台になった際には、それが長期化しなかった。こうしたことを加味し、顧客および当業界ともに、静観しているとみられる。ただ、いずれにしても、銅価が安定的に推移することを期待している。

電線新聞 4232号掲載