- 既に一部搭載が開始されている、車両に対するサイバー攻撃を防ぐためのセキュリティシステムが、国連規則及び日本国内法制定により今後全ての新車に搭載される見込み。
- これに伴い、整備工場は故障診断などの作業を実施する為に各自動車メーカーと個別契約締結が必要に。
- ボッシュが車両診断ソフトウェアESI[tronic]2.0に追加した新機能「セキュア ダイアグノシス アクセス (SDA)」は自動車メーカー毎の個別契約が不要となり整備工場の工数・費用低減に貢献。
ボッシュ株式会社 (代表取締役社長:クラウス・メーダー 以下 ボッシュ)はこのたび、「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」によって可決されたサイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデートの国際基準によってアクセスが制限される車両診断機能を実行可能にするソリューション、「セキュア ダイアグノシス アクセス(SDA)」を9月13日に発売開始します。
コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化を表す「CASE」と呼ばれる自動車の技術改革により車両の電子化が進んでいますが、同時に乗員や歩行者を車両へのサイバー攻撃被害から守るため2020年6月「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」において2022年7月以降の新型車においてサイバーセキュリティ対策を講じる事が必須となりました。
既に国内で販売されている一部の車両ではサイバーセキュリティ対策が講じられており、それにより診断機能へのアクセスが制限され始めています。この流れは2022年以降の国内法施行によりさらに加速することが見込まれています。
このサイバーセキュリティ対策により自動車整備で必要となる診断機能にアクセス制限がかかり、先進運転支援システム(ADAS)エーミング作業(補正作業)とオイル交換後などに必要となるサービスインターバルリセットなども出来なくなります。
この状況に対してボッシュの車両診断ソフトウェアESI[tronic]2.0の新機能である「セキュア ダイアグノシス アクセス(SDA)」は各自動車メーカーのセキュリティアクセス権を一元管理し、セキュリティ保護された診断機能の実行を可能とします。これよって一般整備工場の将来の整備ビジネスにおいても効率的に新しい車両の診断が可能となります。
車両のサイバーセキュリティ対策は各自動車メーカーにより異なるため、それぞれの車両のアクセス権を取得するには自動車メーカー毎に登録、契約や支払い条件など個別の対応が必要となります。
しかし、ボッシュはこの自動車メーカー毎のセキュリティアクセス権を一元管理しセキュア ダイアグノシス アクセス(SDA)によって一般整備工場に提供するため、一般整備工場が自動車メーカー毎に契約する必要がなく効率的に診断作業を進める事が出来ます。
また、将来的には全ての車両においてセキュリティアクセス権なしでは包括的な診断作業が不可能になります。ボッシュは、今回のSDAリリースで対応したフォルクスワーゲン(VW)、アウディ(AUDI)、セアト(SEAT)、スコダ(SKODA)に加え、さらに対応する自動車メーカー、システム、モデルを拡大していくため継続的に自動車メーカーとの対話と開発を行い、将来的にも継続して使用可能なツールの提供を目指します。
セキュア ダイアグノシス アクセス(SDA)を利用するためにはボッシュの診断機(KTS560、KTS590)と専用ソフトであるESI[tronic]2.0と、その故障診断(SD)ライセンスを所有している場合のみ可能です。また、オンラインでデータにアクセスするため、インターネット環境が必要となります。
公式プレスリリースはこちら: 車両をサイバー攻撃から守るため2022年から車両診断機能に制限 セキュリティ保護された診断機能を実行可能にする「セキュア ダイアグノシス アクセス (SDA)」をボッシュが9月13日に発売開始