【椿本チェイン】物流ラインでも自動でRFIDを読みとる自動仕分けソータを開発

ワークの投入効率が2倍、仕分け精度向上にも貢献
ソータ用RFIDタグ読み取り装置「T-TRAYREADER™」を開発

1.はじめに

株式会社椿本チエイン(社長:大原 靖、本社:大阪市北区)は、ソータ用RFID読取装置「T-TRAYREADER」を開発し、株式会社アサヒ・リンク 岐阜LCセンター様に納入しました。

物流の現場では、人手不足を背景に、入荷・出荷、在庫など複数の情報を一挙に取得できるRFIDタグを活用した省人化、合理化ニーズが高まっています。一方、当社のトレー式仕分け機「リニソート」は高速仕分けを特長としており、最高速度96m/分で通過するトレー上のRFIDタグの情報を正確に読み取るには電波の反射、拡散など多くの技術的課題をクリアする必要がありました。今回、ソータ用のRFID読み取り装置として開発したのが「T-TRAYREADER」です。
従来、「リニソート」では、ワーク投入口で商品情報を入力し、空いたトレーに商品を載せることで仕分けを行っていました。ワークの投入作業は、作業者が個々のワーク(搬送物)に付属するバーコードをスキャナで1点ずつ読み取ることで商品情報を入力していました。
新商品「T-TRAYREADER」では、RFIDタグのついたワークをトレーに載せるだけで作業は完了。ソータ上の読み取り装置を通過する際にRFIDタグのデータを自動で読み取り(写真①)、商品情報入力と仕分けを行なうことを可能にしました (写真②)。
「T-TRAYREADER」導入により、作業を簡素化するとともに、ワークの投入効率・仕分け精度の飛躍的向上を実現いたします。


写真① 「T-TRAYREADER」が商品のRFIDタグ情報を自動読み取り


写真② 読み取り情報に基づき、 指定シュートに商品を仕分ける

2.「T-TRAYREADER」の特長

(1) 投入効率向上
従来のバーコード読取方式では、1つ1つのワーク(搬送物)に対し、「バーコードを探す」「バーコードの向きを合わせる」などの作業が必要でした。一方、RFIDタグの場合、ワークをトレー上に投入するだけで作業が完了。バーコード読取方式に比較して、2倍以上の投入効率向上を実現します。

(2) 仕分け精度向上
ソータに投入された搬送物の情報は、リニソート本体上に設置した「T-TRAYREADER」が自動読み取りしていきます。誤ってトレーに複数のワークを載せた場合は、複数個のデータを読み取ったものとしてエラー認識し、あらかじめ指定されたエラー用仕分口に排出するため、誤認識も防止することができます。

(3) 確実な読み取り
RFIDタグを読み取る「T-TRAYREADER」内には、左右および上面に計4枚のアンテナを埋め込んでおり、高速で通過するワークのRFIDタグ情報を確実に読み取ります。また、装置の近くに静止状態のRFIDタグがあった場合は電波の強度変化で判断し、読み取っても無視する仕組みになっています。
このドーム空間の中で万遍なく電波が照射できる環境を作ることで、RFIDタグの間隔が300mmあれば、その位置を把握し正確に読み取れるようになりました。

(4) 既設のソータにも設置可能
現在、バーコードリーダで読み取りを行っている当社既設のソータにも「T-TRAYREADER」を追加設置が可能です。いつでもRFID自動読取対応を実現できます。

3.仕様

(1) 装置サイズ
L:1400 mm、W:900 mm、H:650 mm(トレー面から最頂部)

(2) RFIDタグ最小タグ間隔
300 mm

(3) トレー設置ピッチ
500 mm ~ 800 mm

(4) 読取対象商品最大サイズ
L:600 mm、W:500 mm、H:300 mm (トレーピッチ720 の場合)

(5) 最大ソータ速度
96 m/分

■本件についてのお問い合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 広報課
TEL 06-6441-0054 FAX 06-6441-0203
E-mail : pr-sec@gr.tsubakimoto.co.jp

■お客様からのお問い合わせ先(マテハン事業部 流通ビジネス部 流通SE課)
お客様お問い合せ窓口
TEL 03-6703-8402


多くの物や段ボールを仕分けする物流では、自動で仕分けを行っているソータシステムを活用している倉庫や物流会社が多くあります。
椿本チェインでは、無線バーコードとして今後の活用が期待されているRFIDの読み取りと仕分けソータを組み合わせたシステムを開発しました。
RFIDは、製造時の工場出荷から、物流、商社、店頭までのルートに一元的に付与された無線バーコードタグとして開発されております。無線による離れた個所での読み取りが可能となるため、倉庫や店頭での在庫管理の効率化が期待されています。
そんなRFIDタグの読み取りと、物品の仕分けを一度に行えるという機器が椿本チェインの開発した「T-TRAYREADER」です。
「T-TRAYREADER」は仕分けの速度を従来品と比較して2倍以上の速度を実現しました。仕分け速度が速くなると、仕分け時のRFID読み取りエラーが起きやすくなりますが、仕分け時のRFIDの読み取りエラーを防止するためにアンテナを4個設置しております。
これはダイバーシティ受信と言われて、無線接続時の受信エラーを防止するための一般的な方法です。
「T-TRAYREADER」で、物流の人手不足と仕分け時のRFID読み取りの高速化を実現することができます。

公式プレスリリースはこちら: ソータ用RFIDタグ読み取り装置「T-TRAYREADER?」を開発