大阪ガス(株)、日本信号(株)、(株)HACARUS 地中レーダー用 ソフトウエアを開発

大阪ガス(株)、日本信号(株)、(株)HACARUSは、地中にあるガス管や水道管などの位置を人工知能(AI)で判定する「AI自動判定ソフトウエア」(第1図、写真1)を共同で開発。日本信号(株)は、10 月1 日から同ソフトウエアの販売を開始した。

第1図 埋設管の探査イメージ

写真1 探査作業の様子

●背景

道路の掘削作業を行う際には、地中に埋設されたガス管、水道管、下水管、電力・通信ケーブルなどを破損しないように、事前に埋設管の位置を特定する必要がある。大阪ガスでは地中レーダーを用いて埋設管の位置を探査しているが、埋設状況によっては判定が難しいケースがあり、埋設管の正確な位置を特定するには一定の経験が必要だった。

●ソフトウエアの概要

同ソフトウエアでは、地中レーダーの探査画像をAIが自動判定し、埋設管の位置を特定する(写真2)。熟練作業者の判定方法をAIに学習させることで、89%の高い検出率を実現した。現場作業員の平均と比較しても10%以上高い精度である。これにより、初心者でも簡単に埋設管の位置の特定が可能となる。
なお、同ソフトウエアは既存の地中レーダーにも搭載可能。

写真2  AI が埋設管と判定した

●今後の展望

同ソフトウエアを搭載した地中レーダーを全国のガス、水道、電力、通信などの事業者への普及を目指す。

オーム社「電気と工事」2021年12月号掲載