日本電線工業会調べ・主要7部門別出荷 10月の総計5.5万t(2.3%マイナス)、連続減

建販3%増も電気機械4%減
自動車は踊り場続く

電線工業会がまとめた電線主要7部門別出荷数量の21年10月分実績及び11月分推定によれば、10月分実績は、21年1~7月頃までとは逆の現象が起こった。これまで好調だった電気機械と自動車の2部門が半導体不足などが響き減少となった一方、建設電販や電力、その他内需の部門が一部設備投資が戻ってきたことや下げ止まり感がありプラスに転じた。しかし、7部門中4部門がマイナスとなり、総計は5万5千309㌧で前年同月比2.3%下回った。2カ月連続で減少した。
光ファイバを含む光製品の10月分出荷量は、主力の輸出が336万2千㎞Cで同6.2%増とプラスに転じたことに加え、国内用も68万㎞Cで同2.5%増と順調なため、総計は404万7千㎞Cで同5.5%増と3カ月連続で増加した。
銅電線の11月分推定は、自動車が3カ月ぶりに増加に転じるほか、建販が同5.1%増加し、電力やその他内需も増えるなど7部門中5部門がプラスになり、総計は5万7千900㌧で同4.1%増と3カ月ぶりにプラスに転じる見通しとなった。
10月分の部門別出荷量のうち、プラスグループは3部門になった。
このうち電力は、同18.6%増と21年9月から連続3カ月間増えている。前年同月の水準が低いうえ、洋上風力発電向けや張替需要と保守メンテナンス、高圧CVケーブルEEタイプなど需要が下支えした。
建設電販は、2カ月連続で増加し同3.0%伸長した。前年実績が低いところに、電設絡みの需要が次第に動き出しているうえ、6.6㎸CVのEEのタイト感も牽引した。出荷量の数値は2万7千353㌧となったが、2万7千㌧越えは20年3月以来となった。21年11月も連続して増加する模様。ただ、価格面では厳しい。そのため、電線メーカーの収益性は底下している。
その他内需は、前年同月にコロナ禍の影響で動きが極端に鈍かった反動や、わずかに設備投資が戻ってきているため、3カ月間連続で伸び同3.2%増えた。
一方、マイナスグループは4部門となった。
このうち通信は、高周波同軸ケーブルなどが健闘しているものの、光化が依然響き、同21.9%減少。2カ月連続で落ち込んだ。
自動車は、同26.6%減と、半導体不足や世界自動車生産台数の減少が響いて、2カ月連続で下降した。しかし、11月は同2.3%増と3カ月ぶりにプラスに浮上する見通し。
電気機械は、センサー類、シールド、FA・ロボット向けなどが健闘したものの、半導体などの部品不足が響き、同4.1%減となった。11月は14カ月ぶりに減少する見通し。
輸出は、目立った案件が減り同5.1%減少した。11月は同35.7%増と3カ月ぶりのプラスとなる見通し。

電線新聞 4264号掲載