HCI 和泉市にサービスロボットを納入 新庁舎内レストランがオープン

HCIがサービスロボットを納入した和泉市新庁舎内レストランのプレオープンイベントが、21日に開催された。同イベントは新庁舎の完成記念式典と同時に行われ、辻宏康・和泉市長や地元国会議員、府議会・市議会議員のほか、多くの市民も来客として訪れた。
ロボットSIerのHCI(大阪府泉大津市・奥山浩司社長)は、今回オープンする和泉市新庁舎飲食物販棟2Fレストラン『Kisanji PLUS』に、サービスロボット「ベラボット」と「ケティボット」を各1台納入した。同店舗では、HCI推奨のモバイルオーダーシステムも導入しており、QRコードを読み込むことで店員を介さずオーダーできる。客への案内と配膳・下げ膳はサービスロボットが行う。正式オープンは1月30日でモーニングとランチのみ。2月9日からディナーも開始する。
和泉市は従来からロボット・IoT・AIシステムの活用を検討しており、昨年、ロボットなど先端技術を活用した地域活性化のための包括連携協定をHCIと締結した。
今回の店舗を運営するエヌプレの中原雄一郎社長は、和泉市内で居酒屋を経営しており、HCI奥山社長の紹介で、市役所敷地内に2店舗目を出店することになった。
中原社長は、「コロナ禍で飲食業は人材不足に悩んでいる。まずはHCIに教わりながら、ロボットに何ができるのか、データを収集し、省力化を視野に人材配置などを検証する。またモバイルオーダーシステムでは、お客様にとってのメリットとして、ポイントシステムを活用し、キャッシュレスを推奨していきたい。実際に行政と関わって店舗を運営できる点は、他店との差別化にも繋がるだろう。行政の食堂という位置付けに留意しつつ、美味しいものをワンコインに近い価格で庁舎の皆様にお届けする」と語っている。
HCIは、モバイルオーダーシステムやサービスロボットの活用などを、ラボ機能も担う自社のロボカフェにおいて検証した上で、各ユーザに納入している。ロボットとAIの連携や、エレベータを利用した自動配達システムなども検証しており、開発が完了すれば今回の新店舗にも導入する。同社のサービスロボットは、大手のホテルや飲食など既に数十件の導入実績があり、ユーザの規模によってはレンタル導入も可能だ。
海外では、サービスロボットの工場内活用も進み、HCIもサービスロボットと産業用ロボットの連携システムを既に完成させている。「サービスロボットの活用は飲食店メイン」の考えは時代遅れとなりつつある。

電線新聞 4306号掲載