セトラスホールディングスは、ハロゲンフリー難燃(HFFR)ポリマー向けに開発した次世代難燃剤「KISUMA Ⅹ」を、8~15日に独・デュッセルドルフで開催された「K2025-国際プラスチック・ゴム産業展」で発表した。
同製品は、ポリオレフィン、EVA、ナイロン(PA)コンパウンドの中でも、従来品より低い添加量で高い難燃性能を発揮する合成水酸化マグネシウムをベースとした製品。独自の高アスペクト比粒子形状により、優れた難燃性を実現している。低配合を可能としたことで、加工性が向上し、配合設計の自由度がより高くなっている。
近年、火災安全規制強化の動きから、市場ではHFFRシステムへの移行が進んでおり、データセンターや自動車の電動化、公共インフラなどでHFFRの採用が拡大している。同製品は、このような課題に対応するものであり、優れた経済性、安全性、サプライチェーンの安定性を兼ね備えているのも特長だ。
現在、EUのREACH規則やRoHS規則により、臭素・塩素化合物などのハロゲン系難燃剤は規制が強化され、毒性や環境負荷への懸念は非常に高まっている。同製品は、このような懸念を払拭しつつ、難燃性と発煙抑制性能を両立させた製品であり、PE・PPコンパウンドをはじめ、EVA・ナイロン系の電線・ケーブル、家電製品など幅広い用途に対応する。
なお、製造・販売は同社グループの化学品・原薬事業を担う協和化学工業が行っており、現在、上市に向けて取り組みを進めている。









