【フォトロン】カメラ一台、マーカー一台から三次元画像計測のできるモーションキャプチャシステムを販売開始

カメラ1台、マーカー1枚で6自由度の位置・姿勢の3次元画像計測を可能に 新発想の簡易モーションキャプチャシステム『6D-MARKER Analyst』を発売

株式会社フォトロン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 布施信夫)は、カメラ1台、マーカー1枚で6自由度の位置(座標X、Y、Z)と姿勢(角度Roll、Pitch、Yaw)を画像計測できる簡易モーションキャプチャシステム『6D-MARKER Analyst』を発売いたします。

製品名: 『6D-MARKER Analyst』
発売日: 2018年4月19日
※価格はお問い合わせください。

製品化の背景

近年、人物や機械などの実際の挙動を3次元計測できるモーションキャプチャシステムが様々な分野で導入が進んでいます。放送映像分野やスポーツ・医療分野はもちろんのこと、人間工学的な観点の重要度が増す自動車開発等の産業分野や、技術進歩の目覚ましいVR分野、製造現場におけるロボット制御など用途が多様化しています。
しかし一般的なモーションキャプチャシステムはカメラを複数台設置する必要があるため、設備が大型になりやすく、セッティング時間を短縮したい、狭い箇所を計測したい、カメラが振動する場所でも計測したい、導入コストを抑えたいといったニーズがありました。
当社ではそのようなニーズに応えるべく、カメラ1台とマーカー1枚から3次元空間内の位置(X,Y,Z)・姿勢(Roll,Pitch,Yaw)を画像計測できる簡易モーションキャプチャシステム『6D-MARKER Analyst』を発売いたします。
『6D-MARKER』は特殊な加工が施されたARマーカーで、従来のARマーカーと比較して正面撮影時の計測精度を飛躍的に向上させたことにより、モーションキャプチャに利用できる高い計測精度を実現しました。また、『6D-MARKER』は挙動を計測する点だけでなく空間の座標原点としても設定できるため、カメラが動いたり、振動で揺れたりする環境でも計測することが可能です。
この新発想の『6D-MARKER Analyst』が切り開く新しいモーションキャプチャの画像計測が最先端の様々な計測分野において広く支持され、革新的な技術開発に寄与することを当社では確信しております。

『6D-MARKER Analyst』の主な特長

新発想の高精度ARマーカー
『6D-MARKER』は画像計測に特化した特殊な加工が施された新発想のARマーカーです。四隅に高精度印刷された参照点をベースに、マーカー1枚で6自由度の位置(X,Y,Z)・姿勢(Roll,Pitch,Yaw)の計測が可能です。マーカーの上側と右側に配置されたVMP(Variable Moire Pattern)は見る角度に応じて変化するモアレパターンのレンチキュラーレンズで、これにより従来型ARマーカーの課題であった正面撮影時の姿勢計測精度が飛躍的に向上します。また左側と下側に配置されたFDP(Flip Detection Pattern)は見る角度に応じて白黒パターンが反転するパーツで、マーカーが手前か奥のどちらに傾いているかを判定できます。マーカー中央の記号はマーカーIDを識別し、最大32枚の同時計測が可能です。

カメラ1台の簡単、省スペース、可搬型
一般的なモーションキャプチャシステムや3次元画像計測システムは2台以上のカメラと広い専用スペース、空間のキャリブレーション作業が必要で、カメラ位置は固定されたものが大半です。
『6D-MARKER Analyst』なら事前設定は簡易的な作業のレンズキャリブレーション設定のみで、機器構成はノートPCに接続されたカメラ1台と計測対象にマーカーを貼るだけなので簡単かつ省スペース設置を実現します。また、マーカーを空間の座標原点にも設定可能で、原点のマーカーが映っていればカメラが揺れたり振動したりしても計測可能です。

ハイスピードカメラFASTCAM Miniシリーズに対応
『6D-MARKER Analyst』は対応の2.3 Mega PixelのUSBカメラに加えて、弊社ハイスピードカメラのFASTCAM Miniシリーズにも対応しています。
ハイスピードカメラを使えば、自動車の衝突試験のダミーヘッドや、エンジンの振動などの高速挙動も計測が可能です。また、対応カメラ以外で撮影された動画データ(AVI/WMV/MP4形式)にも対応しており様々な計測シーンでの運用を実現します。

主な製品仕様

6D-MARKER Analyst

主な機能 ・ レンズキャリブレーション
・ 対応カメラ制御
(ライブ表示/各種設定変更/撮影)
・ 撮影データの読込、再生、トラッキング
・ オーバーレイ表示
(XYZ軸/ID/3Dメッシュ/軌跡/参照点間の解像度)
・ グラフ機能
(6自由度要素別描画/ID別描画/平滑化フィルタ/データ補間)
・ 座標系設定
(マーカ座標原点/原点軸方向変更)
対応OS Windows7 SP1/8.1/10 (64bitのみ)
対応カメラ 2.3MPカメラ(USB3.0規格)、FASTCAM Miniシリーズ
最大同時計測マーカー数 1画面内に32枚まで
(マーカー参照点間の解像度が40ピクセル以上で撮影されていること)
計測出力データ 6自由度 (X、Y、Z、Roll、Pitch、Yaw、姿勢行列)
計測出力データフォーマット CSV
計測精度 位置(座標)最大誤差 X,Y:±0.081%
Z :±0.146%
(参考)カメラとマーカーの距離1260mmで、撮影エリア横1180mm縦740mmの時X,Y:約±0.96mm、Z:約±1.84mm
計測精度 姿勢(角度)最大誤差 Roll,Pitch,Yaw:±0.777°
撮影データ入力フォーマット AVI、WMV、MP4、BMP、PNG、TIFF
標準構成品 ・6D-MARKER AnalystインストールCD 1枚
・MARKER FILES CD 1枚
・ライセンスドングル 1個
・キャリブレーションボード 1枚
・6D-MARKER 44mm 4枚
オプション品 ・6D-MARKER 44mm
・キャリブレーションボード
・6D-MARKER Analyst 追加ソフトウエアライセンス
・2.3MPカメラ
・FASTCAM Miniシリーズ

※計測精度は弊社環境での実測値であり、性能保証値ではありません。

6D-MARKER

マーカーサイズ 44.0 (H) x 44.0 (W) x 2.4(D) mm
重量 5.0g

対応カメラ仕様※

機種名 2.3MPカメラ FASTCAM MiniWX100
最大解像度 1920×1200 2048×2048
カメラインターフェース USB3.0 Gigabit Ethernet
レンズマウント Cマウント F、Cマウント

※その他の仕様や対応カメラについてはお問合せください。


VRの画像取り込みや、自動車の衝突実験などに使用される三次元画像計測システムは、専用スペースで複数台のカメラであらゆる角度から同時に撮影した画像を取り込む必要がありました。
フォトロンが新たに開発した三次元画像計測システムでは、一台のカメラから三次元画像計測を行うことが可能となります。
そのため、計測時の省スペース化、設置の省力化を図ることができ、より効率的に画像計測を行うことが可能となりました。
速いスピードの画像を分析するために用いられるハイスピードカメラにも対応しており、自動車分野での画像計測時にも活用することが可能です。
三次元画像計測は、VR分野や医療分野などで目覚ましい発展を遂げており、多くの計測データを必要としています。しかし、計測ごとに6台程度のカメラを設置して、画像の取り込みを行っており、非常に手間のかかる作業となっていました。こうした計測作業の効率化を図るために、一台のカメラで計測ができるようになるというのは非常に大きな進歩ではないかと考えます。
三次元計測で今まで分からなかった部分の検証や、医療技術の発達に大きな貢献をするものと思われます。

公式プレスリリースはこちら: 2018.04.19 カメラ1台、マーカー1枚で6自由度の位置・姿勢の3次元画像計測を可能に 新発想の簡易モーションキャプチャシステム『6D-MARKER Analyst』を発売 CATEGORY 製品・サービス / 画像解析ソフトウェア