もえの展示会れぽーと【13】関西ものづくりワールド2018

2018年10月3日〜5日の3日間、インテックス大阪で開催された「関西ものづくりワールド2018」に行ってきました!
この展示会は、機械要素技術展、設計・製造ソリューション展、工場設備・備品展、ものづくりAI/IoT展の4つのものづくり専門展で構成されている展示会で、毎年、規模を拡大し西日本最大の専門展として開催されています。今年の出展社数は過去最大の1380社!その中から今回は2社様のご紹介をします。

因幡電機産業株式会社

第1回 ものづくりAI/IoT展に出展されていた因幡電機産業様は、主に生産現場で活躍するAI/IoT技術を搭載した製品を展示していました。

OK/NGを学習して自動で判別する画像処理ソフトウェア
HALCON

高速スピードで回転し、採血管の検査や革表面の欠陥検査をおこなっていたこちらの製品は、LINK様が開発したディープラーニング機能(人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれるディープニューラルネットワーク(DNN)を用いた学習)を搭載したソフト。従来は、画像処理検査をするためにプログラムを組む作業が必要でしたが、こちらの製品はあらかじめサンプルで「OK」の製品と「NG」の製品の画像を読み込み学習させることで難しいプログラムを組むことなく自動で「OK」か「NG」を判別してくれるようになるそうです。画像を追加して再トレーニングすることも可能なので、継続的に性能を向上させることができます。

写真のように、判別した結果をモニターで確認できます。自然物の画像処理を得意としており、カバンなどの革製品や果物の皮など一定の形ではないシワなどについた引っ掻き傷なども学習させることで検出できるようになります。初期段階で起動させるために使用する画像も、従来だと数万枚必要でしたが、NG検出したい内容の難易度によっては、数千枚で起動させることもできるそうです。

既存設備のI/O信号をクランプセンサで見える化!
「I/Oキャッチャー」〈参考出品〉

信号線にクランプして信号のON/OFFの状態をゲートウェイに飛ばすことができる現在開発中の製品です。

信号のON/OFFのデータを集めようとすると通常は信号線の改造が必要ですが、こちらは、後付けなので、既存の信号線にクランプするだけで信号線の状態を確認することができます。これ1つで、信号線の状態も積層表示灯の状態もどちらもデータ収集することが可能です。

ARで直感的に情報をつかむ
シュナイダーARアドバイザー

こちらは、FA用のARアプリケーション。このアプリケーションをダウンロードしたタブレット端末を、工場内にある装置や操作盤にかざすと、あらかじめ登録された装置の情報が表示され確認することができるアイテム。これを使用すれば、専門の技術者でなくても設備の状態が把握できたり、メッセージやアラームで異常箇所や異常原因を発見したりすることができます。ARアプリからマニュアルや動画などをリンクさせることができるため、動画を使った復旧手順の指示やメンテナンス時の詳細手順書の確認も可能です。現場に重たいマニュアルを持っていかなくてもタブレット1つですべて解決できます。

安全性認証を取得した世界初のリモートアクセスソリューション
secomea

産業用のVPNルータの「secomea」はリモートアクセス、リモートメンテナンスを簡単におこなうことができる製品です。

難しい設定などが必要なく、VPN/専用回線を使用せずにインターネット網を通じて国内外問わずリモートアクセスが可能です。高度な安全化認証技術により情報漏洩などの心配はありません。パソコンやカメラ、ロボットなどあらゆるFA機器でリモートアクセスが可能なため、多くの大手メーカー様から支持されているそうです。

その他にも現場で役立つ様々なシステムが展示されていました。

こちらは「secomea」と「JMACS nvEye’s」のスマートグラスを使用したシステム。スマートグラスに遠隔地から動画を送り、投影することができるため、遠くにいても作業支援することができます!

こちらは、現在開発中の「シグナルウォッチャー」。パトライト様の積層表示灯に装着し、情報を集めゲートウェイに飛ばしモニターなどに映すことができるため、遠くの事務所などで現場の状況を一括管理することができる装置です。また、センサとゲートウェイ間のデータ通信は、「EnOcean」というエネルギーハーベストに対応した無線技術を採用しており、一定の照度が確保できる環境であればセンサ本体の室内用ソーラーパネルでの動作が可能ですので、面倒な電源の配線作業が必要ありません。

株式会社パトライト

設計・製造ソリューション展に出展されていたパトライト社様は、主に国内シェアNo.1の実力をもつ積層表示灯「シグナルタワー」を活用し、現場の生産効率アップを支援する製品を展示されていました。
設計・製造ソリューション展に出展されていたパトライト社は、主に国内シェアNo.1の実力をもつ積層表示灯「シグナルタワー」を活用し、現場の生産効率アップを支援する製品を展示されていました。

 

 

設備稼働情報を無線で収集
Air GRID

パトライト社様の「Air GRID」のコーナーの紹介です。
Air GRIDは工場設備に搭載されているシグナルタワーに無線送信機を取り付けシグナルタワーの表示情報を受信器へ送信します。
送信機はパトライト社製シグナルタワーのLR6,LR5,LME,LEの4機種に設置が可能で新しく設置し直す手間もありません。

受信機へ集められた情報はLANで繋がっているPCやモニターに映し出されます。モニターへ映し出すシステムとして、システム連携パートナーである東海ソフト様の「Flex Signal」を使用し生産現場にいなくても現場の情報を確認できます。
また、作業日報の自動集計やガントチャートによる時系列での振り返りが出来るため製造業大注目のシステムです。

こちらは「Air GRID」とネットカムシステムズ様の「KxViewPro」を使用したチョコ停の動画分析ソリューションです。
通常、現場のチョコ停対策のためにカメラを常設し動画分析をします。しかし、チョコ停の発生時間の記録が日報に残っておらず、見たいシーンを探すのに時間がかかるという課題がありました。
このシステムを導入すると、表示されている信号灯のガントチャートをクリックすればそのシーンが再生されるため、分析時間を大幅に短縮できます。

確実な通知で作業効率大幅アップ!!
「工程ウォッチPRO

ソフトビジョン様の製品と先ほど紹介した「Air GRID」と連携する腕時計型端末を用いたシステム。この腕時計は実はただの腕時計ではなく、通知の見落としを防止するウェアラブル型情報通知システムです。
パトライト様の信号灯から送信されたデータを腕時計型端末がキャッチし、振動とメッセージで知らせてくれます。例えば、製造ラインが止まってしまった際に、現場の信号灯が点灯します。点灯した信号灯のデータを「Air GRID」を通してパソコンに搭載されているアプリケーションに送信し、そのアプリケーションから腕時計に情報を飛ばして、腕時計が振動します。実際に装着してどれくらい振動するのか試したところ、思った以上に震えたので、思わず「おぉ!!」と声がでてしまいました(笑)これだったら騒音の多い場所でも絶対に気付きます!


専用アプリを使用すれば、「ラインA異常発生」など10文字以内の文字も送信でき、個人の名前を入れることもできるので、複数人で使用する場合にとても便利!対応する人物が右上にある黒いボタンを押すと、他の方が持っている時計に「○○対応中」などのメッセージが届くので誰が対応しているのかも一目瞭然です。その他にも、パソコンのアプリから個人への呼び出し要請や、タブレットやスマートフォンからも呼び出しをすることができます。

その他にも、主に工場のネットワーク化に合わせた「見える化」に役立つ提案をされていました。こちらはネットワーク表示灯NH型を活用した提案となります。

こちらのPoE対応積層情報表示灯は、電源供給が難しい場合でもPoE電源供給に対応したLANケーブルとHUBを利用する事でカンタンに省配線が実現できます。そして、通常の3色展開と違い、なんと21色も出すことができるそうです!

パトライト社は「生産現場の改善アイデア集」や「LANでつなげるパトライトの活用事例集」など、製品の導入を考えている方などに役立つカタログを作成しています。気になった方は是非一度こちらをご覧下さい→ https://www.patlite.co.jp/support/download.html