22年度 関東電販組合員業態アンケート①

21FY売上高実績、76%が増
銅価高騰、価格改訂により好転

関東電線販売業協同組合(関東電販)は9月、22年度組合員業態調査アンケート(会員数33社、回収率100%)を実施した。
アンケート結果によると、21年度売上高実績について、「増収」は25社(前年度比20社増)と大幅増となり、回答数の約8割を占めた。「減収」は7社(同19社減)、「横ばい」は1社(同1社減)となった。21年度の銅出荷量は20年度並みだが、銅価高騰の影響を受けた。部門別でも、内需合計で前年度比20%増、建設・電販は同29%増、電機機械は同34%増、電力は同16%増となった。
21年度売上高増減率(前年度比)への回答は、8社が「16〜20%増加」、6社が「6〜16%増加」、5社が「1〜5%増加」、1社が「横ばい」、2社が「11〜15%減少」「0〜5%減少」と回答した。
「増加」の要因としては、15社が「銅価の高騰」、4社が「単価の改訂(値上げ)」と回答した。ほかに「産業機械」「プラント分野」「再生エネルギー」「半導体製造装置分野」向けが好調だという声があった。
「減少」の要因としては、「前年度より大口案件が少なかった」「鉄道各社の設備投資削減」「工期の延長」という声があった。「横ばい」の1社は「主要顧客の受注物件が昨年度と同等だった」を要因に挙げた。

22FY売上高見込み 前年度予想比3社増

22年度通期売上高見込みへの回答は、「増加する」は19社(前年度予想比3社増)、「減少する」は9社(同増減なし)、「横ばい」は5社(同2社増)となった。「銅価が高止まりする」という予想が目立ち、ほかに「副資材不足が納期を遅らせて売上に影響する」「価格転嫁が難しい」といった声もあった。
21年度粗利率実績への回答は、「増加」は9社(前年度比2社減)、「減少」は13社(同6社減)、「横ばい」は11社(同4社増)で、21年度売上高増が25社に対し、粗利率増は9社のみとなった。
「増加」の要因としては、4社が「売上増によるもの」、2社が「価格改善」と回答した。ほかに「低マージンアイテムの減少。コネクタビジネスの拡大」といった回答もあった。「減少」の要因としては、4社が「競争の激化」、3社が「メーカーからの仕入れ価格上昇」、2社が「価格転嫁が難しい」と回答した。
22年度粗利率の見込みは、「増加」は11社(同2社増)、「減少」は7社(同8社減)、「横ばい」は15社(同6社増)となった。
21年度粗利額実績への回答は、「増加」は18社(同12社増)、「減少」は6社(同19社減)、「横ばい」は8社(同6社増)、「無回答」1社となった。建設電設、電機機械分野は、銅価高騰が影響したが、鉄道工事関連は先送りが多く、総売上高に影響した。通信分野は、深刻な部品不足により供給難となっている。
「増加」の要因としては、9社が「銅価高騰で売上増」と回答した。ほかに「価格改訂」「一部商材でコロナ特需」といった回答があった。
22年度粗利額の見込みは、「増加」は10社(同3社減)、「減少」は11社(同1社減)、「横ばい」は11社(同3社増)、「無回答」1社となった。

    (次号に続く)

電線新聞 4296号掲載