新明和工業 新型自動電線処理機を発売

自動電線処理機や薄膜・表面改質関連製品を扱う新明和工業(兵庫県宝塚市)は1日、新型自動電線処理機(両端端子打機)を発売した。

 両端端子打機「TRD801」は、ワイヤーハーネスに使用される電線の測長・切断、端子圧着などの端末加工を高速で行うことができる。安定稼働および加工品質への信頼性に加えて、同社の従来機と比べて電線加工範囲を拡大し、汎用性を高めた点が特長だ。

 開発の背景には、中国や東南アジアにおける各種家電・デジタル製品や、自動車、二輪車などの需要拡大と電装化の進展がある。また、こうした地域でも人件費の高騰と労働者不足が深刻化しており、労働集約型の産業であるワイヤーハーネスを製造する市場からは、安定した品質で、幅広い用途・加工範囲に対応できる機器が求められていた。

 同社は、主に細線または太線に特化した自動電線処理機を提供してきた。TRD801は、それぞれの市場で実績・定評のある多種多様な機構を改良して組み合わせ、これまでに培ったノウハウを駆使して段取り時間を短縮した結果、高い稼働率と加工品質、時間当たりの歩留まりを改善した。同機はさらに、同社の従来機では加工が難しかったAWG30~32の電線加工を可能とし、1台で多様な用途への適用する汎用性の高さを実現した。

 1時間当たり最大5千本という業界トップクラスの高い処理能力を有し、対応電線サイズはAWG16~32、最小切断長は35mmと、細線から太線、短尺加工まで幅広く対応する。これにより家電・AV機器などの民生市場向けから、車載機器や二輪、建設機械を含む自動車市場向けハーネス加工まで、同機1台で電線加工が可能だ。

 また、使用者の習熟度に関係なく、感覚を頼りに操作できるアイコン式画面を採用することで、操作性が向上し作業の高効率化も実現した。他にも高精度ターミナル・クリンピング・モニタ(HTCM)や、デジタル圧着機、シール挿入ユニット、遠隔監視システム(RMA-01)などを搭載し、品質および歩留まり率を向上した。

 価格は税抜905万円で、販売は10月1日から。販売目標は年間100台としている。

電線新聞 4371号掲載