走行する蒸気機関車「SL大樹」を8Kカムコーダーで撮影し、車内に設置した8K液晶テレビへ伝送
第5世代移動体通信方式(5G)による高精細8K映像のライブ伝送に成功
シャープは、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉澤 和弘、以下、ドコモ)および東武鉄道株式会社(本社:東京都墨田区、取締役社長:根津 嘉澄、以下、東武鉄道)と連携し、第5世代移動体通信方式(以下、5G)により8Kの高精細映像をライブ伝送する実証試験※1に成功しました。
本実証試験は、11月12日(月)および16日(金)に、栃木県日光市にて東武鉄道が運行する蒸気機関車「SL大樹」を使用して行いました※2。走行する「SL大樹」を当社製8Kカムコーダー<8C-B60A>で撮影し、映像を線路脇に設置した基地局から5G無線で送信。SL車内に設置した当社製8K対応液晶テレビ<8T-C60AW1>へライブ伝送しました。基地局を3局配置した28GHz帯と1局配置した4.5GHz帯の二通りの周波数帯で試験を実施し、いずれも成功しました。また、28GHz帯の試験では、走行位置により接続する基地局が切り替わっても、8K映像が途切れずに表示されることも確認しました。
移動環境における大容量の8K映像データの5Gによるライブ伝送が実証されたことで、観光分野などでの新たなサービスへの応用が期待できます。シャープは、5Gを活用した8K映像伝送の実用化に向けて、今後も様々な実証試験を推進してまいります。
実証試験の概要
<走行列車での試験風景(線路脇での撮影)>
<走行列車での試験風景(車内での8K映像表示)>
※1 本実証試験は、NTTドコモが実施主体として総務省より受託した、平成30年度5G総合実証試験「屋外において平均4-8Gbpsの超高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討の請負」の一部として実施しました。
※2 11月16日(金)の実証試験は、SL車両のメンテナンスにより、ディーゼル機関車が客車を牽引する「DL大樹」にて実施しました。
実証試験構成イメージ(28GHz帯の場合)
次世代携帯通信の規格でもある5G通信と次世代テレビジョン通信で、現在のテレビ映像よりも高精細で綺麗な映像を届けることができることが特徴の8K映像のコレボレーションのような実証実験をシャープが実施しました。
5G通信が行える仮設の基地局をいくつか設置し、8Kの映像の送受信に成功したとの実証実験結果を公開しております。
5G通信も8Kテレビの映像も未だに次世代型の規格で、実用段階には至っておりません。現在の通信インフラでは8K映像の送信自体も大容量データの送信となるため、通信が成立しないものと考えられます。
今回の実験では、8K映像が5Gの移動体通信網であれば問題なく送受信ができるということを示しています。
まだまだ、実用には先の話ですが、目で見たような映像が遠隔地でも見れるため、遠隔操作による医療や人手不足の現場での遠隔作業など応用できることが多いと考えられます。