【電材流通新聞主催】電材市場活性化特集

全日電材連傘下の組合員「景況アンケート調査」を実施

本紙・電材流通新聞社では4月下旬、全日電材連傘下の組合員を対象に「景況アンケート調査」を実施した。今後については、10月からの消費費増税の影響など、不安材料があるものの、堅調さが維持できるとの見方が強い。そういったことも含めて、今回も例年同様、さまざまな視点から設問した。質問事項は、①売上高②営業利益③好調の要因④業界の課題⑤対応策⑥期待できる商品(システム)⑦景気の現状⑧景気回復の時期⑨メーカーへの要望⑩工事、卸業界への10項目。今回は、総会特集号で掲載できなかった全国各ブロックのアンケート結果をグラフ(関東・中部・近畿のぞく)とともに掲載する。

売上高営業利益 2ケタの伸びが50%占める
北海道ブロック

回答率は36・4%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
10%以上の伸びが50%と昨年よりも増えた一方、「マイナス0―9%」と「マイナス10%以上」がそれぞれ25%となっている。
◇営業利益(同)
こちらもおなじく、10%以上の伸びが50%となり、「マイナス0―9%」「マイナス10%以上」がそれぞれ25%となっている。
◇好調の要因(複数回答)
「高額商品の増加」「取引先の増加」「経営の効率化」がいずれも50%となっている。昨年100%の「コスト削減」「積極的な提案営業」は今回、回答がなかった。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」「取引先の減少」「異業種の参入」が50%ずつで、「返品」「配送」「その他」が25%となっている。
「その他」では、「人材不足」といった声があがった。
◇対応策(同)
「営業の見直し」が75%でもっとも多く、次いで「提案営業の強化」が50%、「債権管理の強化」「インターネットへの対応」がそれぞれ25%となっている。
「IоTへの対応」は今回、回答がなかった。
◇期待できる商品(システム)(同)
LED照明が50%と前回より減少。次いで、「蓄電池」「EV」「スマートグリッド関連」「セキュリティ関連」がそれぞれ25%となっている。
昨年、3割以上あった「HEMS」「4K・8K伝送関連」は今回、回答がなかった。
◇景気の現状
「景気が少し良くなった」が75%、「依然、変わっていない」が25%と昨年より上向きのようすがうかがえる。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
全員が「全く期待できない」と回答している。

営業利益 2ケタ増が80%を占める
東北ブロック

回答率は35・7%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
2ケタ増が40%の一方、1ケタ減が60%と、依然厳しい状況が垣間見える。
◇営業利益(同)
売上高とは対照的に2ケタ増が80%で、あとは1ケタ減が20%となっている。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業はいずれも、「取引先の増加」と「積極的な提案営業」をあげている。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」が60%ともっとも多く、次いで「返品」「配送」がそれぞれ40%、「取引先の減少」「異業種の参入」がそれぞれ20%となっている。
◇対応策(同)
「営業の見直し」「債権管理の強化」「提案営業の強化」がそれぞれ60%でもっとも多く、次いで「インターネットの対応」「IоTへの対応」がそれぞれ40%、「営業所の閉鎖」が20%となっている。
◇期待できる商品(システム)(同)
「LED照明」と「スマートグリッド関連」がそれぞれ60%でもっとも多く、次いで「蓄電池」「HEMS」「セキュリティ関連」が40%ずつ、「太陽光発電」「4K・8K伝送関連」が20%ずつとなっている。
◇景気の現状
「依然、変わっていない」が80%、「景気は少し良くなった」が20%。
◇景気の回復時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
全員が「全く期待できない」と回答している。
◇メーカーへの要望
①価格対応
◇工事、卸業界への要望
①安値販売見直し
②関東圏から進出した卸会社の安値に勝つのは厳しい、今後も続くのではないか
③返品の扱い
④適正価格での販売

「積極的な提案営業」功を奏す
関東ブロック

回答率は36・8%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
2ケタ増が7割近くでもっとも多く、次いで1ケタ減が3割近くとなった。
◇営業利益(同)
売上高とおなじく、2ケタ増が7割強でもっとも多く、次いで1ケタ減が1割強となっている。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業の好調の要因としては「積極的な提案営業」が6割近くともっとも多く、これに「取引先の増加」が3割強、「高額商品の増加」「経営の効率化」がそれぞれ2割強と続く。
◇業界の課題(複数回答)
いま業界で一番課題となっているのは「価格の低下」が8割強で圧倒的。次いで「異業種の参入」「配送」がそれぞれ5割強で続く。
◇対応策(複数回答)
トップは「営業の見直し」が6割弱で、「提案営業の強化」が5割弱で続いている。
「IoTへの対応」は、1割にも満たなかった。
◇期待できる商品(システム)(複数回答)
「LED照明」「蓄電池」が4割強で並ぶ。続いて、「HEMS」「セキュリティ関連」が4割弱で並ぶ。
「太陽光発電」との回答は、1割にも満たなかった。
◇景気の現状
「景気は悪い」が8割近く、「少し良い」が2割強あった。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
「全く期待できない」が7割弱、「来年秋以降」が2割強となっている。

売上高、利益とも全員プラス
北陸ブロック

回答率は50・0%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
1ケタ増が40%、2ケタ増が60%と全員がプラス回答となった。
◇営業利益(同)
売上高同様1ケタ増が40%、2ケタ増が60%となった。
◇好調の要因(複数回答)
「高額商品の増加」「経営の効率化」「コスト削減」がそれぞれ40%、「積極的な提案営業」「その他」が20%ずつとなっている。
「その他」では、「取引先の設備投資増によるエンジニアリング部門の受注増」といった意見があがった。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」(80%)、「異業種の参入」(60%)が昨年同様半数を超え、「返品」「配送」「その他」が20%ずつとなっている。
「その他」では、「人の採用」といった意見があがった。
◇対応策(同)
全員が「提案営業の強化」と回答のほか、「営業の見直し」「債権管理の強化」「インターネットへの対応」が20%ずつとなっている。
◇期待できる商品(システム)(同)
昨年同様、「LED照明」「蓄電池」がもっとも高い。このほか、「4K・8K伝送関連」が40%、「太陽光発電」「スマートグリッド関連」「セキュリティ関連」が20%ずつとなっている。
◇景気の現状
「景気は良くなった」が60%で、「景気は少し良くなった」を合わせると8割を占める。
◇景気の回復時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
全員が「今年秋頃から」と回答している。
◇メーカーへの要望
①販売支援
◇工事、卸業界への要望
①配送費徴収への理解
②働き方改革の推進

「景気は「変わっていない」60%
中部ブロック

回答率は43・5%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
「2ケタの伸びが5割を超え、1ケタの落ち込みを上回り、愛知と同じ傾向を示す。
◇営業利益(同)
2ケタの伸びが6割に達する一方で、1ケタの落ち込みが3割と明暗を分ける。あと、1ケタの伸びと2ケタの落ち込みが5%で並ぶ。
◇好調の要因(複数回答)
「積極的な提案営業」(63・6%)とトップで、「取引先の増加」(45・5%)、「経営の効率化」(36・4%)、「高額商品の増加」(27・3%)が続く。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」と「異業種の参入」が同率の60・0%。相関性が気になるところだ。次いで、「配送」が5割を超える。
◇対応策(同)
「営業(取扱商品)の見直し」、「提案営業の強化(工事業者とのタイアップ)」がともに70・0%。ほかでは、「債権管理の強化」、「IoTへの対応」(各15・0%)が上がっている。
◇期待できる商品(システム)(回答は4つまで)
トップのLED照明(75・0%)は不動で、「蓄電池」(50・0%)、「セキュリティ関連」(35・0%)、「HEMS」、「スマートグリッド関連」(各25・0%)、「EV」、「4K・8K伝送関連」(各15・0%)が続く。
◇景気の現状
「依然、変わっていない」(60・0%)がきわめて高く、「景気は少し良くなった」(35・0%)が続くのは、中部全般に共通している。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
「全く期待できない」66・7%ときわめて高く、「2019年秋以降」は33・3%にとどまる。

課題のトップは「価格の低下」
近畿ブロック

回答率は50・0%で前回より上回った。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
2ケタ増が6割を超え、1ケタ増と合わせると8割近くにのぼる。
◇営業利益(同)
売上高同様2ケタ増が6割を超え、1ケタ増と合わせると8割近くにのぼる。
◇好調の要因(複数回答)
増収増益企業の好調の要因としては、「取引先の増加」(60・9%)がもっとも多く、これに「積極的な提案営業」(43・5%)、「経営の効率化」(34・8%)が続く。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」(59・4%)と「異業種の参入」(56・3%)、「配送」(50・0%)が拮抗している。
◇対応策(同)
「提案営業の強化」(各78・1%)がもっとも多く、これに「営業の見直し」(59・4%)、「IoTへの対応」(25・0%)が続く。
◇期待できる商品(システム)(回答は4つまで)
「LED照明」が7割近く(68・8%)ともっとも多い。次いで「蓄電池」(46・9%)、「セキュリティ関連」(43・8%)と続く。
前回、大きく数値を落とした「HEMS」は、今回も1割弱にとどまっている。
◇景気の現状
「景気は少し良くなった」が6割近くある一方で、「景気は悪い」も3割を超えている。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
「全く期待できない」が7割を超え、それ以外で「来年秋以降」が3割弱となっている。

「景気は少し良くなった」7割
中国ブロック

回答率は69・2%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
全員が2ケタ増と回答した。
◇営業利益(同)
1ケタ増が2割強、2ケタ増が8割近くとなっている。
◇好調の要因(複数回答)
「積極的な提案営業」が7割近くあり、これに「高額商品の増加」「取引先の増加」がそれぞれ4割強と続く。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」が8割近くともっとも多いほか、「異業種の参入」が4割強、配送」が3割強と続く。
◇対応策(同)
「提案営業の強化」が9割近くあるほか、「営業の見直し」「IоTへの対応」がそれぞれ4割強と続く。
◇今後期待できる商品(システム)(同)
「LED照明」が9割近くあるほか、「蓄電池」が5割強、「HEMS」が4割強、「セキュリティ関連」が3割強となっている。
◇景気の現状
「景気は少し良くなった」が7割近く、「悪い」が3割強となっている。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
全員が「全く期待できない」と回答している。
◇メーカーへの要望
①値上げストップ
②業界向け専管商材の開発
③営業力の強化
④新商品の開発・PRの情報共有
◇工事、卸業界への要望
①秩序ある価格設定
②営業の質の強化
③配送費への理解

課題は「異業種の参入」が9割
四国ブロック

回答率は80・0%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
1ケタ増が1割強、2ケタ増が5割ある一方で、1ケタ減も4割近くある。
◇営業利益(同)
2ケタ増が4割近くある一方、1ケタ減と2ケタ減を合わせると6割を超える。
◇好調の要因(複数回答)
「積極的な提案営業」「その他」がそれぞれ7割近くあるほか、「コスト削減」が3割強となっている。
「その他」では、「大型案件の受注」といった声があがった。
◇業界の課題(同)
「異業種の参入」が9割近くあるほか、「価格の低下」が5割、「配送」「その他」がそれぞれ4割近くある。
「その他」では、「人材確保」「働き方改革への対応」といった声があがった。
◇対応策(同)
「提案営業の強化」が7割強、「営業の見直し」が5割、「その他」が4割近くある。
「その他」では、「生産性向上」といった意見があがった。
◇期待できる商品(システム)(同)
「蓄電池」が9割近くあり、「LED照明」の6割強を上回る。これに、「HEMS」「セキュリティ関連」が2割強と続く。
◇景気の現状
「悪い」が9割近く占めるほか、「景気は少し良くなった」が1割強となっている。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
「全く期待できない」が8割強、「来年春以降」が1割強となっている。
◇メーカーへの要望
①ラインアップの充実と魅力ある商品の開発
②蓄電池のコストダウン
③きめ細かい技術支援
◇工事、卸業界への要望
①働き方改革の推進
②価格競争の是正
③営業力の強化

効率的な配送への協力を要望
九州ブロック

回答率は57・9%。
◇売上高(昨年4月から今年3月まで)
2ケタ増が6割強で、残りの4割近くが1ケタ減もしくは2ケタ減となっている。
◇営業利益(同)
1ケタ増と2ケタ増を合わせると6割を超えるが、1ケタ減も3割近くある。
◇好調の要因(複数回答)
「コスト削減」が8割を超え、「積極的な提案営業」「経営の効率化」がそれぞれ3割強と続く。
◇業界の課題(同)
「価格の低下」が8割強、「異業種の参入」が7割強のほか、「配送」も5割を超える。
◇対応策(同)
「提案営業の強化」が9割を超えるほか、「営業の見直し」も7割を超える。そのほか、「IоTへの対応」も4割近くあった。
◇期待できる商品(システム)(同)
「蓄電池」が6割強とLED照明の5割強を上回る。そのほか、「セキュリティ関連」が4割強、「4K・8K伝送関連」が4割近くとなっている。
◇景気の現状
「悪い」が9割を超える。
◇景気回復の時期(「景気の現状」で「悪い」と答えた方のみ回答)
「全く期待できない」が7割、「来年秋以降」が3割となっている。
◇メーカーへの要望
①ネットの見直し
◇工事、卸業界への要望
①働き方改革による効率的な配送への協力