欧州電線視察レポート② ローゼンダール・ネクストロム社 用途に合わせ柔軟に開発 間欠リボン製造装置も展開

 本紙・電線新聞は「Wire2026欧州電線・光事情視察団」を4月7~15日の日程で派遣した。独・デュッセルドルフで開催された「wire&Tube 2026」(主催:メッセ・デュッセルドルフ)を軸に、欧州2カ国のケーブル製造機械メーカーを視察した。ローゼンダール・ネクストロム社では、プレゼンテーションの後、R&Dセンターなどを見学した。今回はその内容をレポートする。

 ローゼンダール・ネクストロム社はKnillグループ傘下のケーブル・光ファイバ製造機械メーカーだ。同社が属するKnillグループは1712年にオーストリアで創業し、現在31企業が属しており、年間売上高は6億300万ユーロに達する。

 1997年にローゼンダール社が同グループの傘下に入り、続く2005年にネクストロム社、2010年にバッテリー・マシナリー社がグループインした。その後2015年に3社(ブランド)を統合し、ローゼンダール・ネクストロム社(本社:オーストリア)が発足した。24年度の同社の売上高は1億9400万ユーロで、このうち98%を輸出が占め、ユーザー数は約1500社にものぼる。

 ローゼンダールブランドは押出機およびメタルケーブルや光ファイバケーブルの押出ラインを主力とし、ネクストロムブランドは光ファイバや光ファイバケーブルの製造機械の製作を行っている。今回訪問したフィンランドの工場はネクストロムブランドの拠点だ。このほか、ローゼンダール・ネクストロム社には本社機能を備えたオーストリアのほか、ルーマニアとエストニアに拠点がある。本社以外にも世界中に多くの販売・サービス拠点があり、日本ではローゼンダールブランドの製品をユニテック・ジャパンが、ネクストロムブランドの製品をアイ・ケー・ジーが扱っている。

仕様に合わせて対応

 同社のネクストロムブランドは、世界有数の光ファイバ製造機械のサプライヤーであり、光ファイバ用ガラスプリフォーム製造機械からファイバ紡糸タワー、スクリーニング装置、ファイバ着色機、テープ心線製造システムまで一気通貫で扱っている。光ファイバには、通信用途で使用されるもののほか、特殊ファイバもあるが、同社ではさまざまなタイプの製品を展開しており、ユーザーのニーズや製品仕様に合わせた機械を提供している。「色々な仕様・用途に対して柔軟に対応できる点が強みである」と同社の担当者は語った。

R&Dセンターを見学

 同社のフィンランド工場は、光ファイバや光ファイバケーブルの製造機械の最終組み立てラインのほか、R&Dセンターも備えている。R&Dセンターでは、光ファイバ用紡糸タワー「OFC20」、ルースチューブライン「OFC40」、自動リール交換対応のプルーフテスター「OFC30」、高速プルーフテスター「OFC37」、光ファイバマルチカラーマーキング(MCM)を搭載した着色装置「OFC52i」などの実機を見学した。

 なかでも注目すべきはMCM搭載の「OFC52i」だ。従来、光ファイバへのリングマーキングはインクジェット方式が採用されていたが、この方法では①線速が制限される、②使用できる色が限られる、③減衰量が増加するという課題があった。

 そこで同社は、着色のコーティングプロセスで直接リングを入れる方法であるMCMを開発。この方式では、マーキングのパターンが従来の2倍(80種類以上)となり、線速も50%アップしている。また、着色装置ではUVランプをLED仕様にしており、省エネにも貢献している。

 このほか、「OFC40」はルースチューブの高速生産に対応する装置で、最大1250m/minの生産速度を実現している。加えて、デュアルクレンチング技術(2つのクレンチングユニットでルースチューブを適切に把持・搬送し、外径や余長を安定化する同社の独自技術)を採用している。1~24心の光ファイバに対応しているので、幅広いケーブルタイプに適している。

間欠リボン製造装置を開発

 また、昨年からローラブルリボン(間欠リボン)製造装置「OFC23」を同センターで公開している。同装置では、現在12心に対応しているが、今年中に24心に対応できるよう開発を進めている。同社では、売上の5%を光ファイバ製造機械の開発にあてている。

電線新聞 4433号掲載