セキュリティシステム特集

6月、大阪で「防犯防災総合展inKANSAI 2019」が開催され、多数の来場者が集まった。世間一般のセキュリティ意識も年々高まるなか、電材業界においてもセキュリティ関連機器への期待は低くない。

近年の社会経済情勢の変化は、一方で犯罪の多様化や巧妙化を招いている。工場、倉庫、資材置き場等への不審者の侵入・放火が相次ぎ、商品等への異物・毒物混入などは企業の社会的責任の根幹を大きく揺るがすものとなっている。
東京オリンピックの開催まで1年を切ったこともあり、より高度なセキュリティの構築が求められるといえる。
6月6、7の両日、インテックス大阪で「防犯防災総合展 in KANSAI 2019」が開催された。2万人近くの来場者を集め、セキュリティへの関心の高まりを証明するものとなった。
また、10月には、東京ビッグサイトで危機管理産業展2019が開催されるが、こちらも多くの来場者が予想される。
安倍晋三首相も昨年4月の「第27回犯罪対策閣僚会議」の席上、「オリンピック・パラリンピックを控え、セキュリティ基本戦略に掲げた事項を確実に実施していただきたい。良好な治安は日本が世界に誇る強みだが、これを守り続けていくためには常に全力を尽くしていくことが求められる」と述べている。

ALSOK
第2回防犯カメラに関する意識調査

警備、セキュリティーサービス会社のALSOKは昨年末、「第2回防犯カメラに関する意識調査」の結果を発表した。この調査では、近年カメラの低価格化や性能が向上したことで設置箇所が増えている防犯カメラについてどのように考えられているのかについてまとめられている。

「普段の生活の中で防犯カメラを見ることがあるか」との質問に対しては、82.2%が「見ることがある」と回答。「(第1回調査の)3年前と比べて防犯カメラが増えたと思うか」という質問に対しては、78.8%が「増えたと思う」と回答した。
防犯カメラを見たことがある場所については、「スーパーやコンビニ、百貨店などの店舗内」(72.5%)、「金融機関やATM」(71.3%)といった不特定多数の人物が出入りする屋内の場所が上位にランクインした。
「あなたは、防犯カメラをもっと設置したほうが良いと思うか」との質問に対しては、62.6%の人が「もっと防犯カメラを設置したほうが良い」と回答した。
設置したほうが良いと思う具体的な場所については、「駅や駅周辺」(70.0%)、「駐車場」(69.0%)、「商店街」(63.6%)の順となり、不特定多数の人物が集まる場所が上位にランクインした。
防犯カメラが設置してあることで安心と感じるか不快と感じるかそれぞれ聞いたところ、「安心と感じる」が70.0%、「不快と感じる」人は15.0%だったが、そのうち69.3%は、「不快と感じる」と同時に「安心と感じる」とも回答していることがわかった。
安心と感じる理由については、「犯罪の抑止になると思うから」(73.7%)、「冤罪予防になると思うから」(45.7%)といった自分や家族の身を守る予防的観点のほか、「事件の早期解決につながると思うから」(59.1%)、「実際に犯人逮捕につながっていると思うから」(51.1%)と事件事故を解決する方法と認識されていることがわかった。
一方、不快に感じる理由については、「監視されているように思えるから」(70.7%)と漠然とした不安を感じている人が多い。
防犯カメラが設置してあることを安心と感じる理由として「冤罪予防」を挙げた人の属性をみると、ほかの理由では男性より女性が多かったのに対して女性より男性が多く、とくに30代~50代が多い結果となった。
自宅に防犯カメラを設置しているのは、全体の23.8%。このうち、自分で防犯カメラを購入して設置したとの回答は7.4%だった。
防犯カメラを設置した理由としては、「空き巣などの侵入者対策のため」(59.5%)、「近所で不審者や空き巣などの事件があったため」(45.9%)、「らくがきなどのいたずら対策のため」(32.4%)の順となった。
防犯カメラに期待することを聞いたところ、「夜間撮影可能」(64.4%)、「高画質・高解像度」(62.2%)、「撮影範囲が広い」(50.6%)の順となった。

本紙アンケートでも
期待できる商品の上位に

電材流通新聞社が今春実施した全日電材連傘下の主要組合員への「景況アンケート調査」では、「期待できる商品」として「セキュリティ関連」が上位にあがる地区も少なくない。

全国 37.7%
北海道 25.0%
東北 40.0%
関東 38.1%
北陸 20.0%
中部 35.0%
近畿 43.8%
中国 33.3%
四国 25.0%
九州 45.5%

各メーカーにおいても高まるユーザーのニーズに応えるべく、本来持っている技術を応用したセキュリティ関連の製品が数多く発売されている。
今後、需要の刈り取りのためには、「工・製・販」がこれまで以上に連携を密にすることが欠かせない。市場の活性化はもとより、電材業界そのものの活性化にもつながるのはいうまでもない。