キュービクル式 高圧受電設備特集

メーカー各社の商品戦略

日東工業

高圧一括受電サービスに対応

高圧一括受電設備

 電力自由化にともなって電気料金を削減すべくマンション電力一括受電サービスの普及が増加しているが、同社の開放形高圧一括受電設備はこうしたニーズに応える。
自立フレーム式分割型にすることで電気室での作業の簡略化が可能となり、上下2分割にすることで搬入作業も容易となる。
また、ユニット方式のためフレキシブルなレイアウトが可能で増設工事も容易にでき、L形配置やコ形配置も可能となっている。
このほか、背面壁側への近接設置状態かつ連結状態での基礎ボルトによる固定が可能であるとともに、性能評価試験において設計標準震度2・0まで対応が可能なことが確認されている。

内外電機

省エネ機器への更新推奨

キュービクル

 同社では①省エネ②耐震③老朽化の3点の理由から、キュービクルの更新を推奨している。
現在、使われているキュービクルは20年以上経過したものが多く、収納する機器を含め更新推奨時期を迎えている。
省エネに関しては、新しいキュービクルはエネルギー消費効率が向上しており、大きな省エネ効果を得ることができる。
環境に優しく、さらには電気料金の削減効果も得られる新しいキュービクルへの更新を進めている。具体的には、省エネ効果としては、エネルギー消費効率の向上。基準負荷率40%として、油入変圧器の場合は49%向上、モールド変圧器の場合は50%向上する。
年間電気料金削減は、単位電気料金12円として算出すると、油入変圧器は年間削減効率12万6千円。モールド変圧器だと、年間削減効率は14万9千円。
耐震に関しては、耐震性能向上を図っており、地震による損傷を最小限に抑え、電気を安全に供給するための構造になっている。
老朽化については、新しいキュービクルを更新すると大きな「安全」「安心」が得られる。受配電設備にも寿命がある。寿命とは一般的には使用中に受ける種々なストレスや経年劣化などにより、機器の電気的・機械的な性能が低下し、使用上の信頼性や安全性が維持できなくなる時期をさす。適切な時期の機器更新が重大事故、波及事故を防ぐ。20年以上経過したキュービクルは収納する機器を含め更新の推奨時期を迎えている。

河村電器産業

蓄電池収納設備にも注力

蓄電池収納ラック「BT1(屋内用)」㊨と「BT2(屋内用)」

 現在電力自由化の関係で、設備の見直しからキュービクルのリニューアルの動きが出ている。そうした動きに伴い、電力各社がキュービクルのメンテナンス、設備の改造などの需要を掘り起こしている。また電力の自由化に合わせ、蓄電池の利用も増加、蓄電池の収納設備としてのキュービクルも需要が増えている。
そこで同社では、蓄電システムにぴったりの筐体仕様にカスタマイズできる蓄電池収納設備にも注力している。
蓄電池収納ラックとしては「BT(屋内用)」「BTRO(屋外用)」、蓄電池収納キャビネットとして「BTQO(屋外用)」と蓄電システムの収納に適した標準筐体を3タイプ用意している。
いずれも高品質・短納期の対応で、設置環境や収納機器に合わせて選ぶことができる。
このうちBTは、前後扉にスリット加工を施した自然換気仕様の19インチラック。通信市場で求められる高度な耐震要求を満たしたフレーム構造を採用した。
BTROは、直射日光による温度上昇を抑える遮蔽板付きの屋外用19インチラック。通信機器の屋外設備に実績のあるキャビネットに蓄電池収納要件をプラスした。
BTQOは、堅牢な溶接構造の屋外キャビネット(防雨・防噴流形〕。
長い歳月に裏付けられた信頼性の高い高圧受電設備のキャビネット構造となっている。

日本電機産業

専業メーカーの強み生かす

B66型キュービクル

 同社は、キュービクルの専業メーカーとして多機種を製造・販売し、ユーザーの要望に応えている。
最近、とくに需要が多いのが「B66型キュービクル」である。
2面一体構造で外形寸法は、W1900×D1800×H2300。消防認定品でPF・S形(屋外仕様)250kVAまで組み込み可能である。3組300kVR(CB受電)と単相50kVRがある。
同社製品は、箱体が堅牢な一体構造になっており、変圧器3Φ1000kVAまでの大容量でも一括搬入が可能である。変圧器内蔵のまま搬入できるので、工事時間の短縮につながる。さらに工場検査終了のまま搬入できるので、分割点の低減にもなる。
さらに、規格最大容量が4000kVAまで形式認定を取得しているのも同社だけであり、CP1形は最大設備容量100kVA、MP8形は最大設備容量225kVA、MP20形は、最大設備容量300kVAとコーナー形3機種がある。

電材流通新聞2019年10月24日号掲載