電線工業会がまとめた19年度上期(4〜9月)の銅電線主要7部門別出荷実績は、自動車(前年同期比12.8%増)が大幅に伸びたほか、建設電販も17万3千803㌧(同7.0%増)と好調であり、この2部門が下支えし、総計は34万9千816㌧(同2.2%増)と順調に折り返した。
これを金額ベースでみると総計が6千121億300万円(同2.2%増)と数量並みに伸びた。ただ、建設電販は数量よりも伸び率が3・3ポイント少なかった。
上期の光ファイバを含む光製品は、出荷量が中国向けなどの減速で2千46万8.4千㎞C(同16.8%減)と下降した。逆に金額ベースでは1千350億2千万円(同2.5%増)と伸びた。中国輸出の汎用シングルモードが鈍化したものの、北米のデータセンター向などで特殊光ファイバ輸出が増えたためとみられる。
19年度上期(4〜9月)の電線の部門別出荷量をみると、プラスグループは通信、自動車、建設電販の3部門となった。通信は、建販がらみに動いたほか、道路やトンネルでの同軸やコルゲート同軸が動いたため、同2.1%増加した。自動車は、クルマの生産台数が依然とし好調なため電線出荷も12カ月間連続で伸長し、同12.8%増と電線の中で唯一の二桁の伸長となった。建設電販は、東京五輪向けの施設需要が終盤に差し掛かったうえ、都市再開発などが牽引し同7.0%増と好調に伸びた。特にエコ電線やCVケーブルの中には品不足が続く品種もある。
一方、マイナスグループは電力、電気機械、その他内需、輸出の4部門になった。電力は、保守メンテが主流になり、CVの張り替えがやや足踏み状態となり同2.0%%減少した。電気機械は、米中貿易摩擦や中国経済の減速などの影響によって、需要低迷が続き同7.2%減少し13カ月連続で前年を下回った。その他内需は、景気低迷などが響き同1.5%減少した。輸出は、例年より海外電力向けのスポット需要が減少し、同24.6%減少した。