総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で 太陽光発電協会 第6次エネルギー基本 計画案について意見表明

国・自治体・国民・事業者が一体となって取り組めば
2030年迄に125GWの道筋開けてくる


太陽光発電協会(JPEA)は、このほど開催された総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において、第6次エネルギー基本計画案について意見表明した。


1、第6次エネルギー基本計画案について

エネルギー基本計画の素案で示された2030年のエネルギーミックスに関しては、7月13日時点の見積もりで太陽光の導入量を一旦は100GWとされたが、もう一段の野心的な取組により、太陽光を含む再エネ全体で200〜400億kWhの追加導入を見込み、再エネ比率36〜38%を目指すとされた点に関し、幣協会として賛同する。
これは、3月24日の基本政策分科会で示した協会の2030年の太陽光の導入目標を従来の100GWから、(AC)125GW(想定発電量1530億kW)というカーボンニュートラルに向けた野心的な目標に上方修正した考えに合致する内容である。
なお、2030年迄に100GWを超える太陽光を導入することは決して簡単なことではないが、国・自治体・国民・事業者が一体となって本気で取り組めば125GWの野心的目標の達成の道筋も開けてくると考えている。
例えば、「民間企業による自家消費モデルの促進」だが、ある程度の規模感を持った思い切った導入支援策があれば、更なる積み上げが見込めると考える。
また、地域との共生や農業との調和を前提に未利用地の利用が「自治体のポジティブゾーニング」により容易になれば、オフサイトのPPA(発電事業者と需要家が締結する電力購入契約)等の追加導入が見込まれる。これらを可能とするにはローカル系統におけるノンファーム接続等の系統制約の克服を含む抜本的な事業環境整備や思い切った施策が不可欠となる。

2、基本計画達成に向けたJPEAの取組みについて

①地上置き太陽光発電の普及拡大
中長期的なコスト削減目標の達成(2030年業界平均7円/kWh)とFIP制度の活用等による太陽光発電の市場への統合を推進する。

②自家消費型太陽光発電の普及拡大
ZEHの普及拡大に向け、第三者所有モデルやEVを活用したV2H等の住宅用太陽光発電の利便性向上をはかる。
RE100需要家等の再エネ調達ニーズを踏まえ、自家消費スキームを活用したオンサイト/オフサイトPPAの普及拡大をはかる。
自家消費型への誘導、蓄電池、エコキュート、EV、V2Hの導入も組み合わせたPV導入を提案するための他業界との連携をはかる。

③戸建住宅用太陽光発電の普及拡大
ユーザーが直接再エネを選択できる新築住宅戸建での太陽光発電については、中小工務店や、建売戸建住宅での太陽光発電とZEHによる普及拡大を視野にいれた検討を進める。
既設住宅での太陽光発電の導入拡大によって、ユーザーが支える再エネ社会インフラに貢献する(余剰電力の活用)。
蓄電池業界等とも提携を深め、できるだけ早期のストレージパリティの実現をはかる

③地域との共生に向けた取り組み強化
国との連携による自然災害に対する設備の健全性評価・安全対策等を推進する。
安全性に懸念のある低圧設備に対し、安全対策等のガイドラインを国と共同で策定する。
地域との共生に関する成功事例を会員各社へ展開する。

3、太陽光発電の普及拡大に向けた国への要望について

A 太陽光発電産業政策の再構築・他業界との連携の推進
B FIP調達価格政策の柔軟な運用
C 農業との調和を前提にした荒廃農地の活用の円滑化に向けた制度整備・地域での運用徹底
D 実効性の有るポジティブゾーニング制度の仕組み作り
E 配電網の系統制約の緩和
F 住宅・建築物屋根設置の普及拡大に向けた政策支援の拡充(ローン減税、補助金制度等)
G オンサイト/オフサイトPPAの普及拡大施策
H 太陽光発電の大量導入を見据えた技術革新の推進

電材流通新聞2021年8月26日号掲載