【経産省】電子申請サービスにより事業者をサポート

インターネットで電気等の法令手続きや補助金申請が可能

経産省は、法令に基づく手続や補助金申請に伴う事業者の手間やコストを削減する目的で、インターネット上で届出、申請できるサービス「保安ネット(産業保安・製品安全法令電子申請システム)」と「Jグランツ(補助金申請システム)」を公開した。

●同サービスのメリット
同サービスを導入することで、以下のようなメリットがある。

• 移動時間や交通費、郵送費などのコストが削減できる。

• いつでも、どこでも申請可能。

• リアルタイムに申請状況や処理状況が把握できる。

• 保安ネットは、ガイド機能によりスムーズな入力が可能で、形式的なチェックにおける負担が軽減できる。また、承認後、通知文書をすぐに確認でき、PDF形式でダウンロード、印刷が可能。

• Jグランツは国、自治体の補助事業が掲載され、ワンストップで補助金情報を収集。

●保安ネット

(1)開発の背景
年間25 万件以上の産業保安・製品安全法令(電気、液化石油ガス、都市ガス、火薬類、鉱山、製品安全)に基づく手続きのすべては紙で提出、処理され、官民双方の大きな負担となっていた。

(2)対象となる手続き(2020年1月6日時点)
保安ネットは特に電子化による効率化が期待できる手続きから先行して運用が開始される。

【対象手続き】
• 事業用電気工作物の保安規程の届出、変更の届出
• 事業用電気工作物の主任技術者の選任、解任届出、兼任承認
• 主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者とする許可
• 保安管理業務外部委託承認
• 自家用電気工作物設置者の発電所の出力の変更等の報告
• 需要設備、発電所、ばい煙(騒音・振動)発生施設の廃止の

届出
【対象地域】
四国、沖縄(他地域は順次開始予定)
また、最新の情報は「保安ネットポータル」(https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/hoan-net/index.html)に掲載される。

●Jグランツ
(1)開発の背景
紙での申請には郵送や押印、過去に申請した情報の記載などの手続きが煩雑であり、補助金を利用したい事業者が気軽に申請できる環境が整っていなかった。また、世界的にも補助金申請を含め、行政のデジタル化が進展していることを踏まえ、公募から事業完了後の手続きまでをオンラインで完結可能なシステムとした。

(2)対象の補助事業
経産省関係の27 補助金が対象となる。また、各省や自治体の補助金にも随時拡大される予定である。

●利用には「GビズID」の取得保安ネットおよびJグランツを利用するには、法人共通認証基盤「GビズID」を取得する必要がある。これは、事業者が1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムである。
共通のアカウントを利用することにより、社名や住所等の法人(中小事業者等も含む)の基本情報については、何度も入力する必要がなくなる。また、書類の押印や紙でのやり取りも不要になる。
GビズIDの取得には審査等があるため2週間程度必要になるという。

オーム社「電気と工事」2020年3月号掲載