LED照明特集

総合メーカー

パナソニックライフソリューソンズ社は、暮らし、生活空間を快適にしていくために空間創造に つながるすべての商品を提案していくという意気込みを持ち、照明だけではなく、スマート分電盤、蓄電池、空調、ネットワークカメラなどと連動させていく考えを示している。そのような中、住宅照明ではランプ交換がライフスタイルの変化に合わせて簡単に交換できるGX53ソケット対応のLEDフラットランプ搭載器具や非住宅照明では一体型LEDベースライト「iDシリーズ」に注力していくという。

東芝ライテックはカメラ付きLED照明器具「ViewLED」のラインアップ充実をし、照明以外の複合機能付きLED照明器具を充実させる。他にも水銀灯などからの取り換え需要のLED高天井用器具の他制御分野でも、専用無線通信機能付きの「かんたん無線調光シリーズSceneLED」に加え国際規格である「DALI」規格に対応した制御コントローラーにも力を注ぐ。

岩崎電気はシンプルなデザインで照明器具の存在を抑えた、小型の屋外照明スポットライト「LED ioc UNO」を発売。2つの設置タイプ、3つの明るさ、2つの配光角度、5つの光色で、幅広い照明ニーズに対応できるようにした。従来のLED15Wタイプ投光器と比較しておよそ32%の省エネルギー化を実現し、業界トップクラスの113.8lm/W以上の高効率を達成している。従来の大型投光器に加え、建築に、人に近いエリアの屋外照明にも意欲を示した商品開発姿勢を感じる。

三菱電機照明は昨年に引き続き、平成30年度省エネ大賞を受賞した施設の規模に応じてフレキシブルに管理ができるネットワーク照明制御システム「MILCO.NET」に力を入れる。

専業メーカー

専業メーカーも特徴を生かし個々に新たな方向を見つめている。

大光電機は売上げが好調な屋外照明シリーズ「ZERO」に引き続き注力をしていく。日本は周りが海に囲まれているが、従来の耐塩塗装では、1年も持たないところに着目。重耐塩塗装を施し、ビス1本も錆びないパーツを使い耐久性能が高く評価され、特に塩害被害が深刻な沖縄地区のホテルプロジェクト等で多数採用されている。また、独自の無線制御システム「D―SAVE」を展開しているが、DALI照明制御の国際規格に準拠した電源ユニット、DALIパワーボックスの供給を開始した。また住宅用でも逆位相調光器と対応器具を新たに新製品としてシリーズに加え、LED照明の大きな特徴である制御にも力を入れていく。

コイズミ照明は店舗施設向けに「X―Pro」シリーズを展開。光の質のこだわり、開口径、枠色、パワーレンジを隙間なくラインアップし、同一デザインで照明計画が可能なベースダウンライトとユニバーサルダウンライトとライン照明シリーズの「ソリッドシリーズ」に新たにペンダントやスクエア型のベースライトも加えシリーズを充実させた。また、専業メーカーの中でも早くからDALIを採用し展開していただけあり、これらはすべてDALI制御にも対応し新たな付加価値を持った空間演出の担い手となる。一方住宅用ではスマートスピーカーに連携するおよそ3000アイテムの家のあかりを「おはよう」から「おやすみ」まで、声でつながるアクティビティライフを提案し、ECONETLite通信規格対応のHEMSに対応した通信アダプタも製品化、コイズミ照明の新しいコーポレートキャッチフレーズ「違う発想がある」のとおり「つながるあかり」を提案していく。

遠藤照明は「Smart LEDS SYSTEM」に対応した調光調色器具のラインアップを大幅に拡充。調光調色シリーズを「Tunable LEDS」と名付け店舗はもちろん、オフィスや医療・福祉施設などの幅広い施設で「空間まるごと調光調色」を可能にした。また調光器具は価格が高いというイメージに対し、新カタログ発刊を機に無線調光器具の価格をすべて非調光器具と同価格にし、導入コストの障壁を大幅に軽減することで「照明コントロールや調光・調色が当たり前」という時代をリードしていくという。

オーデリックはリニュアル需要に着目し製品開発を進め、特にBluetooth®による無線制御で住宅照明や施設照明を自由にコントロールできる。これは「コネクテッドライティングシステム」として調光器をはじめ特別な配線など一切不要で、タブレットやリモコン操作で簡単にできる。あらゆる空間に導入できるようにシステムの製品ラインアップは住宅から店舗・施設と幅広く充実させている。モータードライブスポットライト「Tumbler」が注目を集めている。無線操作によりモーターが駆動し上下左右、配光角、調光、調色が手元のタブレットで手軽に簡単にできる。最近、照明各社は機能照明や間接照明を充実させてきた一方、シャンデリア、ペンダントなどといった意匠性の高い製品はあまり力が入っていないようだが、オーデリックはスワロフスキーのクリスタルビーズシャンデリアのバリエーション展開をするなど他の専業メーカーとは一線を画した製品企画も注目したい。

ホタルクスは「安心・安全・快適」をテーマに 高性能、高品質なLED一体型ベース照明「Nuシリーズ」のラインアップに突然の停電時にも安心・安全のあかりを提供する「防災用Nuシリーズ」を開発。蓄電池には、高性能で安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し停電時は通常の約1割の明るさで最大10時間の点灯が可能となり、電圧状況を監視する事で通常時の照明操作と停電を自動で判別し、停電時には速やかに非常点灯を開始するシステムを前面に打ち出し、「安心・安全・快適」のホタルクスをアピールする。

星和電機は道路照明、信号機、工場などの防爆照明、構内道路灯、クリーンルーム用器具などの従来光源からLED照明器具への展開を進めてきた。このほどLED照明器具の新ラインアップとして、STARシリーズとし、蛍光灯 代替可能な爆発性危険場所ZONE2専用の塗装ブース用とクリーンルーム用の安全増防爆形LED照明器具、2種類を発売しすべての器具でLED化を完了した。

総合メーカー、専業メーカーと各社の最近の動きを見てきたが、LED照明はもはや特殊な照明ではない。しかし、単なる照明としてだけでは付加価値もなくコモディティ化によって価格競争に陥るだけとなろう。付加価値を付けていくためにはLED照明単独では成り立たない。複合機能や多機能など照明以外のテクノロジーとのコラボレーションなのか次のLED照明の方向性はどうなのか。成熟したLED照明市場の各社の製品戦略など展望したい。