【電線工業会 】「適正取引の推進」等で自主行動計画

実施事項盛り込む 価格決定方法改善など
商習慣改善ガイドラインに準じ


電線工業会は8日、「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」を策定したと発表した。このうち適正取引の推進に関しては、電線工業会がまとめた取引適正化ガイドラインなどに準じた内容。発注者と受注者の立場を踏まえながら商慣習改善を進める。具体的には、重点課題に対する取り組みとして①価格決定方法の改善・適正化、②支払条件の改善など、その実施事項を掲げ、自主性を促進するものとなった。


電線工業会は「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」を策定した。このうち商慣習改善における重要課題への取り組みとして、①価格決定方法の改善・適正化、②支払条件の改善などを掲げ、実施事項も設け一歩踏込んだ内容になった。

具体的な内容(抜粋)は、①価格決定方法の改善・適正化=取引価格決定に当たっては、下請法運用基準、振興基準を踏まえ取引数量、納期、品質等の条件や材料費の変動等を考慮し、取引先(電線の需要家や下請事業者)の理解を得ながら十分に協議を行っていく。

【実施事項】

・原価低減要請に際し、その根拠が明確にあること。

・原価低減要請が、

Ⅰ、文書や記録に残さない

Ⅱ、口頭で数値目標を提示するのみ

Ⅲ、原価低減の根拠やアイデアを丸投げして強要する

Ⅳ、当該要請に応じることを発注の前提と示唆して押し付けている

など、下請中小企業振興法振興基準に記載された望ましくない事例に該当していないこと。

・原価低減活動の効果を取引価格に反映する際、下請事業者の寄与度を踏まえて価格決定されていること。なお、下請事業者の努力によるコスト削減効果を一方的に取引価格へ反映することは、振興基準に記載された望ましくない事例であり、それぞれの企業の立場において厳に行われないよう働きかけを行っていく。

・労務費の上昇があった場合の取引価格の見直し要請に対し、十分に協議が行われていること。人手不足や最低賃金の引上げがあれば、その影響が加味されていること。

・その他材料費の大幅な変動等、経済情勢に大きな変化が生じた際に、十分な協議が行われ、取引対価の見直しの検討がなされていること。

②支払条件の改善=親事業者との取引においては、取引価格のみならず、支払方法も事業活動に大きな影響を受けるものと考えられる。下請法運用基準、振興基準や通達「下請代金の支払い手段について」等を踏まえ、親事業者と十分に協議し、下請事業者の資金繰りに配慮したものに改善していく。

【実施事項】

・下請代金の支払いをできる限り現金払とすべく現金払比率の改善に努める。

・手形等により下請代金を支払う際、その現金化にかかる割引料等のコストについて、下請事業者の負担とすることがないよう、下請代金の額について割引料等を勘案した協議がなされていること。

・下請代金の手形サイトが、将来的に60日を目標として改善に努められていること。

また、この自主行動計画には、金属産業取引ガイドラインの遵守や、取引先との協調・連帯体制の構築、教育・人材育成の推進などの事項も盛り込まれた。さらに行動計画は、毎年フォローアップを行う。実施状況を評価し、各企業の取引改善を進める方針。同自主行動計画は、電子メールで会員企業へ配信予定。

電線新聞 4197号掲載