6月もコロナ禍で総計5.1万t(10.1%減) 主要7部門別出荷 電線工業会調べ

電力24%増、車31%減 上期 リーマン以来の低調

電線工業会がまとめた銅電線主要7部門別出荷数量の6月分実績および7月分推定によれば、6月分実績は、新型コロナの影響が続き7部門のうち通信、電力を除いた5部門が軒並み前年同月を割り込み、総計は5万914㌧で前年同月比10.1%減と9カ月連続で前年を割り込んだ。この数値は今年5月を除けば、16年5月以来の低水準になった。とりわけ新年度(4月)以降二桁減が続き、険しい出荷情勢が継続している。

光ファイバ・ケーブルを含む光製品の出荷は、国内向けが46万6千422㎞Cで同8.8%減少したうえ、主力の輸出も257万8千153㎞Cで同21.3%減と振るわなかったため、総計は304万4千575㎞Cで同19.6%減とコロナ禍が響いた。とりわけ輸出はベトナムとインド、中東向けが不調だった。また、これによって14カ月連続で減少した。

この結果、20暦年上期(1~6月)電線出荷は、4~6月にコロナ禍で大幅に下降したのに加え、通信と電力を除く5部門が前年同期を割り込み、総計は31万3千423㌧で前年同期比8.6%減少した。これは08年9月に発生したリーマンショック直後の09年上期並みになった。主力の建設電販は、2月以降前年割れが続き15万3千317㌧で同8・2%減となった。13年上期以来の低さになった。

また、合計出荷額は5千334億6千900万円で同13.7%減となった。銅価下落や出荷量の面で通信と電力を除きマイナスになったのが、左右した。

20暦年上期(1~6月)光ファイバ・ケーブルを含む光製品の出荷は、国内向けが287万1千㎞Cで同8.9%減少したうえ、主力の輸出も1千670万㎞Cで同14.5%減と振るわなかったため、総計は1千957万1千㎞Cで同13.7%減となり、2千万㎞Cを下回った。中国向けが不調だった。(詳細次号)

通信と電力を除き 5部門がマイナス

6月分の部門別出荷をみると、前年同月比プラスになったのは通信と電力の2部門のみとなった。いずれも大幅に増加した。

通信は、GIGAスクール構想向けにLANケーブルが動いていることや携帯電話基地局同軸が健闘し、前年同月比13.5%増加した。電力は、国内の保守・メンテ向けとOFからCVへの張り替え需要、洋上風力向けが牽引し同23.6%増と最も高い伸びを示した。

マイナスグループは、5部門となった。電気機械は、貿易摩擦に加え、コロナが響き同16.7%減少し、22カ月連続で前年割れが続いた。自動車は、コロナ禍で自動車メーカーの操業が低下し、生産台数が大幅に低下したため同30.9%の大幅減となり、3カ月連続で減少した。5月は3千695㌧と6月よりも低かったが、これを除くと16年5月(5千77㌧)以来の低さになった。

建設電販は、市販ルートは微減にとどまったものの、電設ルートがコロナの影響をモロに受けた。首都圏再開発等の大型案件が控えているが、コロナ禍で作業効率が低下したこともあり、同6.5%減少し、6カ月連続で下降した。

その他内需も、民間企業の設備投資の鈍化にコロナ禍が重なり、同9.2%減と3カ月連続で前年を割り込んだ。輸出もコロナで同22.4%減と大きく減少し、6カ月連続で前年を下回った。

電線新聞 4211号掲載