環境ビジネスいぜん好調 温暖化対策分野が牽引 

先行きも堅調 再生可能エネに関心

自社の環境ビジネスに関する業況判断指数(DI=「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた数値)は2017年12月時点でプラス21と、半年前の昨年6月時点の前回調査(プラス19)よりやや上昇していることが環境省の環境経済観測調査(環境短観=確報)で分かった。先行きについては「半年先」、「10年先」とも好調さを持続するとの見通しを示している。今後実施したいと考えている環境ビジネスについては「再生可能エネルギー」が業種、企業規模を問わず最上位にあげられた。
調査は10年12月から半年ごとに実施しているもの。調査結果(有効回答4702社)によると、「環境ビジネスを実施している企業」の現在(昨年12月)の業況DIはプラス21と、前回調査(同6月=プラス19)を上回った。全ビジネスの業況DI(プラス23)と同程度の水準にあり、環境ビジネスの堅調さがうかがえる。
半年先、10年先ともに引き続き業況はよくなるとの見通しで、半年先のDIはプラス22、10年先のDIはプラス21となっている。業況判断の要因としては、「取引先(顧客)からの受注が見込まれるため」「産業界全体の景気がよいため」「補助金・助成金などの支援策がある、または見込まれるため」「国内市場の発展が見込まれるため」「FIT(固定価格買取制度)があるため」と回答した企業が多い。
環境ビジネスの4大分野では、地球温暖化対策分野の業況DIがプラス26となり、全体を牽引した。以下、廃棄物処理・資源有効利用(プラス18)、環境汚染防止(プラス13)、自然環境保全(プラス7)の順。
「わが国で発展していると考える環境ビジネス」の問いでは、現在、半年先、10年先で「省エネルギー自動車」(現在27%、半年先30%、10年先24%)をあげる回答が最も多かった。2位は現在が「大気汚染防止装置・施設」(15%)、半年先が「再生可能エネルギー」(13%)、10年先も「再生可能エネルギー」(23%)となっている。
現在2位の「大気汚染防止用装置・施設」は半年先に3位(10%)、10年先には4位(6%)となり、現在4位の「下水、排水処理用装置」(9%)は半年先には5位(5%)、に順位を下げるとみられている。
「現在実施している環境ビジネス」については、全産業では「再生可能エネルギー」が24%でトップ。以下、「産業廃棄物処理」(11%)、「リサイクル素材」(10%)、「太陽光発電システム(据付・メンテナンスなど)」(10%)、「高効率給湯器」(9%)が僅差で続く。
また、製造業、非製造業とも「再生可能エネルギー」(製造業16%・非製造業30%)が1位で、製造業では「リサイクル素材」(16%)が同率首位、非製造業では「高効率給湯器」(14%)が次位となっている。
このほか、製造業では「その他の環境汚染防止製品・装置・施設」(12%)、「産業廃棄物処理」(10%)、「下水、排水処理用装置・施設」(10%)など。非製造業では「太陽光発電システム(据付・メンテナンスなど)」(14%)、「産業廃棄物処理」(11%)、「その他の地球温暖化対策ビジネス」(10%)など。
一方、「今後実施したい環境ビジネス」は、全産業、製造業、非製造業とも「再生可能エネルギー」(各25%、20%、29%)が最も多かった。全産業次位は「その他の地球温暖化対策ビジネス」(13%)、製造業次位は「省エネルギー自動車」(18%)、非製造業次位は「その他の地球温暖化対策ビジネス」(15%)となっている。このほか「省エネルギーコンサルティング」「蓄電池」「スマートグリップ」「リサイクル素材」が上位にランクされた。
また、現在、環境ビジネスを実施していないが、「今後環境ビジネスを実施したい」と回答した企業の割合は5%で前回調査と同様だった。すでに環境ビジネスを実施している企業が「今後も環境ビジネスを実施したい」と回答した割合も前回同様、28%であった。

商経管材新聞2018年4月25日号掲載