換気の日 =3= キャンペーン 三菱電機株式会社 中津川製作所 営業部 次長 永石 俊郎氏

感染対策として設備更新や増設需要が旺盛に推移

Ⅰ.「換気の日」にあたり

換気の大切さがより多くの方々にご理解いただけるよう、1987年よりスタートした「換気の日」も今年で35回目を迎えました。全日本電設資材卸業協同組合連合会、全日本電気工事業工業組合連合会、一般社団法人 日本電機工業会ならびに関係各位のこれまでのご尽力・ご協力に対し、深く敬意と感謝の意を表する次第です。また、「換気の日」の普及に対する報道関係各位のご尽力に対しても厚く御礼申し上げます。
当社も皆様のご支援を得ながら、微力ではありますが換気扇の普及と需要拡大に努めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

感染拡大防止と省エネ・快適なくらし両立実現

Ⅱ.市場動向について

はじめに、換気扇需要に影響を与える新設住宅着工戸数の推移ですが、21年度は下期以降のウッドショック影響による住宅着工の後ろ倒しが懸念される背景から、年間の着工戸数は前年微減が予測されています。
一方換気扇全需は、新設住宅需要の減少に対し、感染対策を目的とした既設非居住施設における換気設備更新・増設需要が、政府・自治体補助金の下支えもあり引き続き旺盛に推移することが予測されており、年間の換気扇全需は前年伸長が見込まれています。

省施工で導入可能な換気・空清機器提案

Ⅲ.当社の取り組みと商品のご紹介

新型コロナウイルス感染拡大以降、クラスター発生の回避に向け、リスクの高い密閉状態の解消を目的に、厚生労働省より「『換気の悪い密閉空間』を改善するための換気の方法」がガイドラインとして示されています。このガイドラインでは、延べ床面積が3千㎡未満の特定建築物に該当しない商業施設等においても、ビル管理法の必要換気量(一人当たり毎時30m3)を確保することを推奨しており、不特定多数の方が利用する小規模施設においても、従来の必要換気量(建築基準法:一人当たり毎時20m3)の1.5倍にあたる換気量が望ましいとされています。
当社は昨年以降、コロナウイルス感染拡大防止に貢献可能な換気機器の開発、提案を推進してまいりました。特に、非居住施設における換気設備更新・増設需要の増加を見据えた省施工ニーズへの対応、また換気による夏・冬場の室温変化や、空調エネルギーのロスを軽減可能な高機能換気設備(第1種熱交換型換気扇)の提案に注力してまいりました。併せて、空気清浄ニーズの高まりを捉えた提案を強化しています。
今般、アフターコロナを見据えた新商品の発売も含め、居住空間・非居住施設を問わず、感染拡大防止と省エネ・快適なくらしの両立を実現し、施主様、施工業者様におかれましても、省施工で導入可能な換気・空清機器提案を強化してまいる所存です。

①ヘルスエアー®機能搭載循環ファン〈大風量タイプ〉

当社独自の「ヘルスエアー®機能」を搭載、室内に浮遊するさまざまな物質を抑制・除去、ニオイの脱臭が可能な「ヘルスエアー®機能」搭載循環ファンの大風量タイプ(30畳用)を12月に発売いたします。
製品に内蔵された「ヘルスエアー®機能」ユニットが、風路全体に電界・放電空間を形成、この空間を通過するウイルス・菌・花粉を抑制、PM2・5を除去します。さらに脱臭フィルターで気になるニオイも脱臭。連続運転することで、室内の空気を24時間循環清浄します。
現行の10畳用タイプは、住宅のウォークインクローゼットやシューズクロークなどの、換気扇がない狭小スペースの空気のよどみ改善や、ペット共生住宅でのニオイ改善、また店舗・クリニックなどの非居住施設の個室などへの空清提案を通じ、コロナ禍における空気質改善目的でのご採用が増えております。
今般、市場からのより大きな空間に対する空清ニーズを受けて大風量タイプを発売いたします。臭気強度に応じた風量の自動切り替え機能を追加、また壁掛け設置を可能とし省施工を実現いたしました。

②CO2センサー搭載換気扇(ダクト用換気扇・高機能換気設備ロスナイ®)

密閉対策としての換気の実践が定着する中、換気状況の見える化が課題とされています。前述の厚生労働省のガイドラインでは、ビル管理法の空気環境の基準として、室内のCO2濃度を1000PPM以下に保つことが例示されています。千葉県では、飲食店感染防止対策認証基準の中で、基本項目として「CO2センサー等により換気状況を把握しCO2濃度を1,000PPM以下」とすることを要件に挙げています。
このように、換気状況の判断基準として、室内のCO2濃度を参照する方法が一般化することも想定される中、当社は室内のCO2濃度上昇に応じて自動で換気量を切り替え、密状況を回避できるCO2センサー搭載換気扇をラインアップしています。

③ロスナイセントラル換気システム〈スマート e-FloTMシステム対応〉

室内の汚れた空気の排出と、屋外の新鮮空気の取り込みが窓開け不要で1台ででき(第1種換気)、且つ製品に内蔵された熱交換器により、室内の暖かさや涼しさを留めながら換気できる高機能換気設備「ロスナイ®」に注目が集まっています。
当社はこの度、業界で初めてルームエアコンと連携する住宅用全熱交換型換気扇「ロスナイセントラル換気システム〈スマートe-FloTMシステム対応〉を11月に発売いたします。在宅時間が長くなる中、ルームエアコンとの連携制御により、室内の快適性をさらに向上させて効率的な省エネ換気を実現いたします。
新商品の特長は、連携するルームエアコンのセンサーが検知した在室人数に応じて、換気風量を自動で切り替えることで、室内のCO2濃度を最大23%低減する機能や、ルームエアコンの運転状況、室内外の温度差に応じて、熱交換換気と非熱交換換気を自動で切り替える機能(省エネ換気)、ルームエアコンの霜取り運転で暖房運転が一時停止すると、自動で換気風量を調整し室温低下を抑制するなどの機能を実現いたしました。

Ⅳ.おわりに

最後に、当社ではコロナ禍に変化した換気ニーズを踏まえ、換気の重要性啓発や換気による密閉対策提案、換気扇の施工・取扱い説明などに関する情報を順次発信しています。施主様、施工業者様により分かりやすくお伝えするために、YouTubeを活用した動画配信を行っておりますので、是非ご覧いただければと存じます。

▽YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCnSe3Nfh-7C03JK_-elGySQ

電材流通新聞2021年10月28日号掲載