【東芝テック】電波の干渉を抑えたLCX無線LANシステムを販売開始

電波の干渉を抑えた無線通信環境を実現する
5.2GHz帯対応の細径LCX無線LANシステムの発売について

2015年06月30日
東芝テック株式会社


「細径LCXアンテナ無線LANシステムの利用シーン」
(左)会議室利用シーン、(右)オフィス利用シーン(一部エリアのみで使用)

東芝テック株式会社は、電波の干渉を抑えた無線通信環境を実現する、5.2GHz帯対応の「細径LCX(注)アンテナ無線LANシステム」ARESPOline5Dシリーズを2015年(平成27年)7月1日から発売します。

2012年に発売した「細径LCXアンテナ無線LANシステム」ARESPOline5Dシリーズは漏洩同軸アンテナ(LCX)を使用することにより、従来の無線LAN方式に比べ電波範囲を抑え、会議室など限られた空間にセキュアで安定した無線環境の構築を可能としました。

特にセキュリティを重視するお客様(金融機関、大手企業オフィス等)にてご使用頂いております。
これまでアクセスポイントは2.4GHz帯のみの対応としておりましたが、同周波数帯は多数の無線LAN機器が使用されており、アクセスポイントの乱立による電波の干渉が起きやすい状況でした。
この度5.2GHz帯も選択可能とすることにより干渉の影響を受けにくい無線チャンネルの構成が容易になります。

注:LCXは2.4GHz帯だけでなく5.2GHz帯においても従来品を使用致します。

商品構成



「細径LCXアンテナ無線LANシステム」
(左)アクセスポイント(新商品)、(右)LCXアンテナ(従来品)

注1:通信エリアは、1対1通信時に概ね15Mbps以上のスループットが得られるエリア。電波の到達距離ではありません。

商品の概要

商品名 細径LCXアンテナ無線LANシステム
【構成】アクセスポイント(2.4GHz/5.2GHz対応品)(新商品)
アプローチケーブル及びLCXアンテナ(終端器付)は従来品のまま
発売日 2015年(平成27年)7月1日
価格 オープン価格
発売地域 全国
販売予定数 300セット/年間
販売ターゲット 会議室、オフィスなど

商品の主な仕様

アクセスポイント SRTAP-LAP-DS54N-04-R

無線サポート規格 802.11b/g/n(2.4GHz)
802.11a/n(5.2GHz)W52
W53,W56には対応していません
無線通信速度 54Mbps(理論値11a/g)
150Mbps(理論値11n)
無線セキュリティ 802.1x/EAP、WPA2・WPA他
有線サポート規格 802.3、802.3u、802.3ab、802.3af
有線通信速度 1000/100/10Mbps 自動切替
外形寸法 120(W)×29(H)×103(D)mm
電源 ACアダプター(付属品):AC100V 802.3af準拠
重量 260g

LCXアンテナ TLCX-25D1-Z-**0-R(**:01~10)

直径 7mm
ケーブル長(1本あたり) ~10m@2.4GHz/5.2GHz共用(1m単位で長さを取り揃えております)
安定した通信距離※(LCXからの距離) ~1m
その他 片側終端器付き

※通信エリアは、1対1通信時に概ね15Mbps以上のスループットが得られるエリア。
電波の到達距離ではありません。


会議室やオフィスでの無線LAN利用は、通信セキュリティの関係上、導入が難しいと考えている企業も多いかと思います。
東芝テックの無線LANシステムには、漏えい同軸ケーブルを使用し、ケーブルから半径1mという局所的な無線LANの構築を可能とします。
通信セキュリティの観点から無線LANの導入を見送っていた企業などへも無線LANシステムの構築を後押しするものとなります。
また、通常の無線LANは2.4GHz帯とよばれる周波数帯域を使用して通信を行うのですが、この帯域は無線LANの周辺では電子レンジや航空管制、アマチュア無線など様々な電子機器や長距離通信を行う電波が飛び交っています。
このため、電波の出力が弱いだけでなく、暗号化して、多数の周波数帯域に情報が散っている通信方式を取っているため、さらに電波強度の弱くなっている無線LANは、他通信の影響や電子レンジ等の使用によるノイズ電波などの影響を受けて、通信速度が遅くなる、通信ができない等の状況が起こりやすいです。
また、無線LANの普及により、無線LAN同士の混信も多く発生することになりました、通信機器同士であれば、同周波数帯に重なってもパスワード保護がされておりますが、多くの無線LANが同一帯域で通信を行うことで、誤信が多くなり通信速度が遅くなります。
これに対して、今回仕様の追加された5.2GHz帯の通信では、まだ無線LANのアクセスポイント自体が少ないため、混信による通信速度の低下は少ない傾向にあります。
さらに、2.4GHz帯で使用していた通信方式とは異なる通信方式を使用しての通信となります。具体的には地上デジタル放送や、LTEなどの高速携帯通信に利用されている通信方式と同様のものとなります。
こちらの方が前出の通信方式と比較して、一周波数帯域の電波強度も高く、ノイズ等にも強いとされています。
また、周波数が高いと壁などを通過することができなくなる傾向にあるため、一室内での通信のみを行いたいという場合に、電波の伝搬箇所を限定して使用することも可能です。
無線LANは、周囲に電波として漂ってしまうため情報セキュリティの観点からは導入が難しいのも事実です。しかし、多くの技術導入によって無線LANの利便性と秘匿性を両立できるステージはそこまできています。

公式プレスリリースはこちら: 電波の干渉を抑えた無線通信環境を実現する5.2GHz帯対応の細径LCX無線LANシステムの発売について