- 高速差動伝送10Gbps以上に対応
- 使用温度上限 +125℃の高温対応
- 導電性樹脂電極構造により高耐久性を実現
2022年2月22日
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、車載用コモンモードフィルタKCZ1210DHシリーズを開発し2022年2月より量産することを発表します。本製品は、車載向け高速差動伝送信号ライン用のノイズ対策製品です。
近年、先進運転支援システム(ADAS)の普及により、フロントセンシングカメラ、アラウンドビューモニタ用等の車載カメラの需要が急速に増加しています。これらの信号ラインにノイズ対策製品としてコモンモードフィルタが使用されています。大容量の映像信号を扱うため、今後も安心安全な自動運転のシステム構築に、さらに信号の伝送速度は高速化が進んでいきます。本製品は、そのニーズに沿った伝送速度10Gbps以上の高速信号に対応し高速化により発生するGHz帯のノイズ抑制に貢献します。また、-55 ~ +125℃の使用温度範囲を実現し、導電性樹脂電極を採用することで熱衝撃による製品クラックの抑制、基板の歪み等の機械的ストレスに対する耐性を向上させています。外形寸法は、 L:1.25 × W:1.0 × H:0.5(mm)で基板実装の省スペース化につながります。
TDKでは、ADAS用のインダクティブデバイス製品の強化をはかっており、今後もさらなる高速差動信号に対応した小型コモンモードフィルタのラインアップを拡充し、市場ニーズに対応して参ります。
主な用途
- 高速インターフェイス
HDMI1.4/2.0(3.4Gbps/6Gbps)、LVDS/MIPI D-PHY(4.5Gbps)、USB3.0/3.1 Gen1(5Gbps)、USB3.1 Gen2(10Gbps) 、Next Gen Interface(10Gbps~)- 先進運転支援システム(ADAS)
主な特長と利点
- 高速差動伝送10Gbps以上に対応
- 使用温度上限125℃で使用可能
- 導電性樹脂電極の採用により機械的、熱的ストレスを軽減
主な特性
製品名 コモンモード 直流抵抗 定格電流 定格電圧 絶縁抵抗 インピーダンス [Ω]/1line [mA] max. [V] max. [MΩ] min. [Ω] @100 MHz max. KCZ1210DH120HRTD25 12 ± 5 1.5 100 5 10 KCZ1210DH500HRTD25 45 ± 25 % 2.5 100 5 10 生産・販売計画
- サンプル価格 : 30円/個(税抜)
- 生産拠点 : 日本
- 生産予定 : 1,000万個/月(当初)
- 生産開始 : 2022年2月
TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2021年3月期の売上は約1兆4790億円で、従業員総数は全世界で約129,000人です。
ダウンロード
製品の詳細情報は
https://product.tdk.com/system/files/dam/doc/product/emc/emc/cmf_cmc/catalog/cmf_automotive_signal_kcz1210dh_ja.pdf
で参照できます。
公式プレスリリースはこちら: EMC対策製品: 車載高速差動伝送用小型コモンモードフィルタの開発と量産