フジクラ ノンメタ仕様の多心ファイバに2千心と3千心を追加

 フジクラは、金属を使わないノンメタリック仕様の国内向け光ファイバケーブルのラインナップに、「2千心および3千心SWR/WTC」を新たに加え、販売を開始した。

 SWR(スパイダー・ウェブ・リボン)は、フジクラ独自の光ファイバリボン。単心光ファイバを間欠的に接着した構造で、柔軟性に富む。光ファイバケーブル内の高密度実装が可能で、光ファイバケーブルの細径・高密度化に寄与する。

 WTC(ラッピング・チューブ・ケーブル)はSWRを実装した、同社独自の細径高密度な光ファイバケーブル。光ファイバリボンを押え巻きのテープで覆ったシンプルな構造となっており、国内で主に使用されているスロット構造や、海外で一般的なルースチューブ構造など、従来の光ファイバケーブルよりも細径高密度な構造であることから、既設の管路を使用でき、工期を大幅に短縮できる。

 新製品「ノンメタリック2千心および3千心SWR/WTC」は、多心一括融着接続が可能な8心光ファイバリボンSWRを、同社独自技術のWTCに実装したノンメタリック仕様の光ファイバケーブルだ。

 国内では、光ファイバケーブルを地下に布設する際、埋設管路の内径の制限により、光ファイバケーブル外径を24mm以下に抑える必要がある。

 従来の被覆径250μmを使用したSWR/WTCでは、ケーブル外径の制限により最大2千心が上限だったが、被覆径200μmを使用したSWR/WTCでは、3千心タイプの外径を23mmに抑え、地下管路への布設を可能とした。

 また、2千心タイプの外径も20mmとなり、さらなる細径高密度化を実現した。ノンメタリック構造であるため電磁誘導対策が不要となり、施工簡略化に効果を発揮するほか、難燃シース被覆の採用により建屋の内外を問わず布設できる。さらに、被覆径200μmSWRの光ファイバ配列ピッチを250μmとしたことで、汎用光ファイバリボンとの融着接続も可能だ。

 同社は、既存インフラ網を効率的に活用できる細径高密度のSWR/WTCの供給により、今後も、高度な通信ネットワークの構築に寄与していくとした。

電線新聞 4395号掲載